東日本大震災から15年。岩手県沿岸部であの日の記憶を心に刻む

岩手県

2026.03.11

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東日本大震災から15年。岩手県沿岸部であの日の記憶を心に刻む

東日本大震災から今年で15年が経ちます。あの日テレビを通して見た、被災地に津波が襲う様子を忘れることができません。こんなにも一瞬で、街の全てが飲み込まれることがあるのかと衝撃を受けました。これまで被災地を自分の目で見てみたい、けれど知るのが怖い……複雑な気持ちを持ってきました。今回、旅色LIKESライター・さっかが偶然訪れることとなった岩手県の被災地の今を紹介します。

目次

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あの日を忘れない「津波遺構たろう観光ホテル」

復興の拠点「道の駅たろう」

道の駅を巡って岩手の魅力を発見

おわりに

あの日を忘れない「津波遺構たろう観光ホテル」

私は長い間、東日本大震災の被災地に行くことを迷っていました。震災の日にテレビの中継で見ていた映像。家や車が津波に押し流されていく様子を思い出すと、胸が苦しくなります。メディアを通してしか知らない現地の様子を知りたい。でも軽い気持ちで、「行ってみたい」とは言いにくいと思ってきました。今回、津波遺構たろう観光ホテルを訪れたのは、たまたま近くを通りかかったからです。偶然ではありますが、現地で知ることができてよかったと思っています。ありきたりな言い方になりますが、やはり知ることからすべては始まるのだと感じました。

津波の被害を受けて4階まで浸水し、2階までは柱を残して流失。

津波の被害を受けて4階まで浸水し、2階までは柱を残して流失。

東日本大震災の津波遺構のひとつとして保存されている「津波遺構たろう観光ホテル」。施設があった宮古市田老地区は、約17メートルの津波によって181人の死者・行方不明者が出ました。田老港の北側の決壊した防潮堤の真正面に位置していた「津波遺構たろう観光ホテル」は、6階建てのうち4階より上は津波発生前の状態ですが、1~2階と3階の一部は津波によって破壊されて鉄骨がむき出しの状態です。

津波の威力はどれほどだったのでしょうか…。

津波の威力はどれほどだったのでしょうか…。

割れた壁や変形して配線がむき出しになったエレベーターを見て、メディアを通してしか知らなかった津波の巨大な力を目の当たりにしました。津波の恐ろしさを正しく理解しようとすることが、悲しいできごとを無駄にしないことであり、津波遺構として残されたホテルの有効な活用だと思います。現地で津波の恐ろしさを肌で感じる体験ができてよかったです。

防潮堤から見た田老漁港には多くの漁船がとまる。複雑に入り組んだ海岸線が美しい。

防潮堤から見た田老漁港には多くの漁船がとまる。複雑に入り組んだ海岸線が美しい。

海のほうを見ると高い防潮堤が印象的です。海が全く見えないほどに高くそびえ立つ防潮堤。田老地区は昔から津波によく襲われたため、大防潮堤が整備され、「田老万里の長城」といわれる威容を誇っていました。しかし、東日本大震災の津波は防潮堤を超えてしまったのです。
防潮堤をのぼり、15年前に多くの人の命を奪った海を眺めます。たくさんの漁船で活気があふれ、とても美しい景色に見えました。今はきっと多くの恵みをもたらしてくれる海でもあるのでしょう。

田老地区では一般社団法人宮古観光文化交流協会による、「学ぶ防災ガイド」も行われています。甚大な被害が出た田老地区の当時の状況を伝えることで、震災の恐ろしさ、命の大切さを学ぶ震災ガイドです。防潮堤の上での案内、津波遺構たろう観光ホテルの館内案内や、マスコミなどには公開していない津波発生時の映像の上映がありより深く震災の被害について知ることができるようです。

◆津波遺構たろう観光ホテル
住所:岩手県宮古市田老野原80
アクセス:三陸鉄道リアス線「新田老駅」から徒歩約15分
駐車場:あり

復興の拠点「道の駅たろう」

道の駅たろう。

思わず行ってみたくなった手書きの観光案内。

観光案内に載っていた「三王岩」をモチーフにしたマンホールを近くで発見。

田老の街で津波の記憶に触れたあと、私は再び車を走らせました。岩手を旅していると、道の駅が地域の拠点として機能していることに気づきます。震災後、地域の交流や観光の拠点として整備された場所も多く、そこには地元の食材や人の温かさが集まっています。今回の旅でも、そんな道の駅に立ち寄りながら岩手の魅力を味わうことにしました。震災後、現在の場所へ移転してリニューアルオープンした「道の駅たろう」は、産直市場や観光案内所、コンビニや個人商店が立ち並ぶ道の駅です。春のワカメ、夏のウニ、秋のマツタケ、冬のアワビ、サケ、イクラなど四季折々の海の幸や山の幸が豊富に揃います。周辺の観光案内をお探しの方には、あたたかみを感じる手書きの観光案内もあるのでおすすめです。前述の「学ぶ防災ガイド」もこちらで受け付けています。ドライブの途中でぜひ立ち寄りたいですね。

◆道の駅たろう
住所:岩手県宮古市田老2丁目5-1
電話:0193-87-2971
営業時間:施設により異なる
駐車場:62台

「道の駅たろう」公式HPはこちら

道の駅を巡って岩手の魅力を発見

集めた道の駅カード。

裏にはオススメポイントなどが書かれていて、道の駅を楽しむヒントになる。

道の駅ごとに1枚220円で手に入れられる、道の駅カードを集めるのも旅の楽しみです。表には道の駅の写真、裏にはオススメポイントなどが書かれています。道の駅カードを参考にグルメやお土産を楽しむのもいいですね。

道の駅三田貝分校

1999年に閉校した三田貝分校の跡地に建てられた。

机をくっつけて給食を食べた懐かしい思い出がよみがえる「給食室」。

保健室にあった身長計と体重計、こんなに小さかったのだろうか……。

大人になってからは見ることのない、黒板用の大きな三角定規やコンパス。

盛岡市から沿岸部方面に向かう国道455号線に、赤い屋根のかわいらしい建物が見えてきます。廃校になった三田貝分校の跡地に建てられた「道の駅三田貝分校」です。当時の校舎を参考にした建物には、食堂「給食室」、売店「購買部」などのお店が入っています。

「三田貝分校の給食セット」。

「三田貝分校の給食セット」。

食堂「給食室」では、席は学生時代を思い出す一人一つの机で、「炭鉱ホルモン定食」や「分校ラーメン」が食べられます。私は「三田貝分校の給食セット」を注文。おかずは日替わりで、この日はとんかつでした。牛乳を合わせて飲むのも、学校ならではの文化な気がして懐かしい気持ちになりました。周りの子と机をくっつけて給食を食べた記憶がよみがえります。ほかにも体重計や身長計、大きな三角定規など学生時代を思い出す懐かしいものがたくさんありました。

◆道の駅三田貝分校
住所:岩手県下閉伊郡岩泉町門三田貝47-2
営業時間:9:00~17:00
休業日:年中無休
駐車場:31台

「道の駅三田貝分校」公式HPはこちら

道の駅いわいずみ

色鮮やかなジェラートが並ぶ。

ブルードラゴンソルトとペスカローザのジェラート。

日本三大鍾乳洞の1つである龍泉洞まで車で約10分、三陸海岸まで約15分のところにあるのが「道の駅いわいずみ」。お土産を取り扱うショップややレストラン、農産物直売所などがあります。
ここで人気なのが「ViTO✕IWAIZUMI(ヴィト クロス イワイズミ)」。ViTOは、イタリアの伝統的な製法を用いたイタリアンジェラートブランドのことです。私が訪れたときは、連休中だったこともあってかお店の外まで行列ができるほどの賑わい。ショーケースには色とりどりのジェラートがあり、どれにしようか迷いながら並ぶのも楽しい時間です。ViTOのこだわりそのままに、岩手の新鮮な生乳を使ったジェラートを作っています。「岩泉ヨーグルト」や、田野畑の海水塩を使った「塩バニラ」など岩手の厳選食材を使ったオリジナルメニューもあります。
自分の番が回ってくるまで悩み、龍泉洞をモチーフとした「ブルードラゴンソルト」と「ペスカローザ」を注文。甘さの中にしょっぱさがアクセントとなるブルードラゴンソルト、白桃の濃厚な甘さのペスカローザどちらもおいしくいただきました。

◆道の駅いわいずみ
住所:岩手県下閉伊郡岩泉町乙茂字乙茂90-1
電話:0194-32-3070
営業時間:9:00~17:00
休業日:年中無休
駐車場:32台

「道の駅いわいずみ」公式HPはこちら

◆ViTO×IWAIZUMI岩泉店
住所:岩手県下閉伊郡岩泉町乙茂字乙茂90-1
道の駅いわいずみ内
電話:0194-32-3070
営業時間:10:00~16:30
休業日:年中無休※臨時休業あり

「ViTO×IWAIZUMI」公式HPはこちら

おわりに

津波で多くの方が亡くなった場所で遺構を見ることに恐怖とためらいもありましたが、訪れてみて「知ること」こそ「忘れないこと」に繋がるのだと感じています。被災地を訪れ学ぶことで、今の日常があるありがたみを、今年生まれた我が子にも繋いでいかなければいけません。東日本大震災から今年で15年が経ちました。この機会にあの日の記憶を辿ってみるのはいかがでしょうか。

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