石垣島・マングローブの奥地へGO 緑の中をパトロール

沖縄県

2019.04.29

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石垣島・マングローブの奥地へGO 緑の中をパトロール

目次

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マングローブってそういえば何? 日本にもいっぱいあるんです

森の奥に穴?! 吹通川のマングローブで忍者ドローンが偵察に

島1番のマングローブ「名蔵アンパル」。潮の満ち引きで別人に

「ガブルマタ川」底の土が真っ黒なのには訳がある

南国っぽさといえば何を思い浮かべますか? 青い海、白いビーチ、サンゴにブーゲンビリア、亀にマンタ! 南国好きなら、単語を並べるだけでテンション上がるかも? でもまだあります、重要なアレ。個人的には必要不可欠、暑い土地らしさを存分にアピールしてくれるのが「マングローブ」です。緑のキラキラ具合がすごくって! エキゾチックな響きもいいでしょう。今回は、石垣島のマングローブ上空の情景をお届けいたします。

マングローブってそういえば何? 日本にもいっぱいあるんです

マングローブは本土に住む方にとっては遠い存在ですよね。きっと「聞いたことあるよ、南国の木でしょ」程度の認識かもしれません。わたしがまさにそうでした。

ところが、沖縄や鹿児島の離島に通うようになったら、急に身近に迫ってくるからカルチャーショック。けっこうあちこちにありまして。

ドローン旅の絶景写真

まずは認識を訂正しました。「マングローブ」は、木の種類を指す言葉ではなかったんですね。河口の海水に浸る場所(汽水域)に茂る森林、そのマングローブを構成する木の種の総称、これら2つの意味がありました。

では、どんな木がマングローブかというと、淡水でも海水でも生きていける、臨機応変でタフな木です。立派な志だと思いませんか、わたしはマングローブのような人になりたいです(笑)

ドローン旅の絶景写真

これはマングローブの一種、オヒルギです。奥の木々を見ると、地表より上で根っこが四方八方に分かれています。支柱根と呼ばれ、潮の満ち引きがあっても頑強に踏ん張るしっかりものです。手前にはモグラみたいに顔を出しているのがありますが、それも根っこの一部で呼吸根といいます。酸素の少ない土壌でも呼吸ができるよう、地表に顔を出しているんですって。適合力満点でしょ。

具体的に種をあげると、日本に生息する代表的なのものは、さきほどのオヒルギの他に、メヒルギ、ヒルギダマシにヒルギモドキなどなど、その他と合わせ20~30種あるそうです。世界で見ると100種近いとか。

ドローン旅の絶景写真

花も咲くし果実もつきます。これはオヒルギの花、かわいいでしょう。

また、マングローブが自生する地域は主に熱帯から亜熱帯が中心で、日本では沖縄と鹿児島にあります。ちなみに世界の自生の北限は鹿児島本土なんですって。さらにいうと、植林したマングローブの世界の北限は伊豆半島だそうですよ。

森の奥に穴?! 吹通川のマングローブで忍者ドローンが偵察に

まずは、石垣市の天然記念物に指定されているマングローブ「吹通川のヒルギ群落」の情景をどうぞ。

ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真

ここは石垣島の北部地域にあたります。マングローブは700mにも及び、支流も多いので、カヌーを漕いで探索するのも超おすすめ。上空から眺めると、水際ギリギリまで盛大に木が茂っているのがわかるでしょう、正確には水に浸かっているんです。

ともあれ、まずは動画でどうぞ。

これ、マングローブに空いていた穴に入っていったシーンです。ちょっと状況を解説しますと、気持ちよく飛んでいてたまたま見つけたんですよ、まさか森に穴が空いているなんて。ドローンを飛ばすまで想像もしたことありませんでした。

ドローン旅の絶景写真

何があるのでしょう、こんなときこそドローン! 人が行けないところまで行って見せてくれる超気の利く相棒。さっそく偵察代行お願いしたというわけです。穴の真上から、迫る迫る、じわじわ下ろして覗き見しにいきますよ。

でもこれ、はるか向こうで操作している身としては、心臓はかなバックバクなんですけどね。

ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真

穴を目標に降下していくと、ブラックホールに飛び込んでいくような錯覚を覚えました……ビクついてはいるけど、まっすぐ下ろすだけの操作は簡単だから、ぐんぐん下がってしまうんですもの。吸い込まれるー! あ、そもそも、グリーンホールでした。

穴に入ると、白く立ち枯れした木があるのが見えます。一体何があったのでしょう。ピンポイントだから、予想の幅が狭まって……雷か隕石かUFOか。はたまた天女の水浴び場か、いやそれにしては泥っぽすぎるし、たまたまここの土壌に栄養がなかったか? ともあれ、静かな水面には、ドローン自身の小さな影と、鳥が行き交う様子が映っていました。

それにしても、ドローンの実力と可能性をめちゃくちゃ実感しましたよ。空撮といっても、ヘリコプターではこんな低空には迫れないし、小さな穴に入ってのパトロールだって無理です。それこそ鳥の領域だけど、鳥ではその報告はしてくれません。これはつまり、21世紀版の忍者と言えるのではないでしょうか。空からでも風呂敷で空を舞い偵察する忍者。まぁただ、21世紀版はプロペラ音が大きくて一瞬でバレるから、忍者業界では落ちこぼれですね。

島1番のマングローブ「名蔵アンパル」。潮の満ち引きで別人に

こちらは島の西側、名蔵湾の「名蔵アンパル」と言われる干潟で、マングローブも発達しています。ちなみに全長は約2kmもあり、島で一番大きいマングローブだそう。

ドローン旅の絶景写真

これは名蔵湾側から東を見た時のアンパルです。ところで、アンパルってなかなかすごい呼び名ですよね。漢字は「網張」が当てられ、網を張って漁をしているように見えるから、などの由来候補があります。こうして空からみると、なかなか納得感がありませんか。

ドローン旅の絶景写真

こちらは、かなり潮が引いている時に陸側から西をみた様子です。あぁ残念! ちょんまげ用に髪の毛を真ん中だけ剃り上げた“さかやき”に見えて仕方がないのは残念だよ自分の目。でも安心してください。

ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真

ほどなく潮は満ちて、美しい姿を取り戻しますから。

マングローブの成立する場所は波の穏やかなところが多いので、空から迫ると角度によっては空や木々や橋や、何かしらが映りこみます。これがマングローブフライトのお楽しみのひとつなんです。

ドローン旅の絶景写真

南を向くとこんな風。干潟と海を分けているのは砂嘴(さし)です。長い年月をかけて、砂礫が堆積して腕のような土地が発達したんですって。

ドローン旅の絶景写真

これは干潟を出た名蔵湾側の様子です。この辺りではマングローブの植林も行われているため、子どもマングローブに出会えるかもしれません。ヒョロっとしてるのに、根っこを一生懸命四方八方に広げてふんばっている感じがキュンとくるんですよね。

「ガブルマタ川」底の土が真っ黒なのには訳がある

ここは北部の野底にあるガブルマタ川。訪れるといつもひと気がなくて、プライベート感と秘められた感がたっぷり。なんとも居心地がいいんです。アクセスがいいとはいえないからでしょうかね。

ドローン旅の絶景写真

こうしてみると、先出のスポットに比べてこじんまりとしているでしょう。これがチャームポイントです。マングローブ自体がコンパクトで、川幅は河口でも狭いから、佇んでいるだけで木々が迫り来る感じが濃厚で! お手軽にマングローブとの一体感を味わえるのがたまりません。

ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真

これはドローンで低空を飛び、上流へと進んでいるところです。左右から枝々が迫り来る……マングローブ成分がギュギュッと詰まった世界観は超爽快! どこまでも行きたくなります。が、枝に当たって落下水没だけは勘弁ですよ、要注意。 

ところで、この写真を見て不思議に感じることはありませんか? 川底が真っ黒でしょう、ちょっぴり不気味で足を入れるのは気が引けるんですよね。

でも……入れちゃったんです、空を見上げつつ川の中をバシャバシャ歩いていたら。

「うわっ!」

まずは気持ちわるいよーの雄叫び。そして

「うそっ!」

焦りまくりの独りごと。だって抜けないんです、足が。黒い土はべったり気味で、足とビーチサンダルにまとわりついてくる! あー持ち上がらない、これはもしや、子どもの頃に聞いたお話の底なし沼なのでは??

「助けてー!」

本気で叫んでしまいましたねぇ……ここがひと気のないマングローブでよかったです。だって息を止めて勢いつけて、渾身の力をこめ「フヌッ」と足をあげたら抜けたから。でも、ちょっとした被害はありました。ビーチサンダルの鼻緒がメリッと取れてしまいました。裸足で帰らねば……(泣)。

そんなこともあって、何度かこの連載に登場させている漁業サンダル=ギョサンを履くようになったんです。鼻緒がソールと一体化しているから絶対に鼻緒は取れないんですよ、天才!

ドローン旅の絶景写真

さて、あの黒い土の正体は「腐植土」なんですって。他のマングローブでもよく見られます。これは、山から流れてきた枯葉、動物の死骸や排泄物などが、木々にひっかっかって止まり、分解されて、栄養分たっぷりに仕上がった土だそうです。

そんなわけで、もしも足を入れてしまっても、まぁある程度心は触感と色に萎えるかもしれませんが、害はありません。むしろどろパックのように足がツルツルに……はならないか。ともあれ、安心して心を開き、マングローブを堪能してくださいね。

ちなみに、ガブルマタ川へ行くには、県道79号線を北上して、まずは「兼城公民館」を目指してください。公民館の次の角を左折し、その道の終わりから茂みをかき分けて100mほど進むと現れる穴場スポットです。

Author

ドローン旅作家 とまこ

ドローン旅作家

とまこ

元秘境ツアー添乗員で現在は“おしゃれパッカー”、“美肌ダイエットマスター”として本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍する旅作家。「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)など既刊12冊。2017年から旅先でのドローン撮影を始め、今では「飛ばさないと落ち着かない!」というほどのドローン好き。旅先での美景、絶景の撮影はもちろん動画の編集も手掛ける。

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