

羊蹄山やニセコアンヌプリに降り積もった雪や雨は、
長い年月をかけて大地に磨かれ、清らかな水となって湧き出します。
ニセコ町の豊かな自然を育み、人々の暮らしに寄り添ってきた「水」は、
温泉や食、コスメ、アクティビティなど、町のいたるところに息づく存在。
ニセコ町の“隠し味”ともいえる水の恵みをさまざまな形であじわい、
心も体も回復するような体験をご紹介します。
文/吉田友希

ニセコ町を旅していると、ふと口にする水のおいしさに驚く瞬間があります。その一滴には、何十年もの時をかけて大地を巡ってきた物語が込められています。
「ニセコには羊蹄山やニセコアンヌプリに代表される豊かな自然があります。雪や雨が降る場所や通る地層によって、水の味わいも少しずつ異なるんです。湧き水ごとに個性があって、その豊かな水が、この土地の自然や暮らしを支えています」
と語るのは、地元でラフティングガイドもしている下田伸一さん。
「私の自宅近くの農業用水路を流れる水も湧き水です。夏は足を浸けて涼んだり、子どもと遊んだりすることも。ニセコの水は、人の心をほどいてくれる存在だと思います。世界中の人がニセコに魅了される理由はいろいろありますが、その根っこには水があると思っています」
おいしい食や温泉、美しい景観。その豊かさを支えているのも水です。触れる、浸かる、あじわう、身を委ねるーー。ニセコ町では、きっとあちこちで水の恵みや心地よさを感じられるはずです。

何十年もの時をかけて磨かれた湧き水は、美容という形でも活かされています。ニセコ町発のホリスティックビューティーブランド「ICOR」は、羊蹄山の雪どけ湧き水をはじめ、北海道の自然の恵みを活かしたアイテムを展開。本店では、全ラインアップを実際に体感できます。

人気の「オイルインミスト」は全身に使える保湿ミストで、軽いつけ心地ながらうるおいが長続き。北海道産メロンの恵みを取り入れたオイルインミストや、ラベンダーを使ったフェイシャルトナーなど、この土地ならではの商品も。併設のカフェで、自然と調和する建築や庭を眺めながら過ごせば、心まで緩やかに満たされていくよう。水や植物、大地の恵みを取り入れながら自分自身をいたわるという ICOR の世界観に触れる時間は、ニセコ町らしいリフレッシュ体験のひとつです。
ICOR NISEKO(イコ ニセコ)
住所/ニセコ町羊蹄 99-3
電話/0136-55-5460
時間/10:00~17:00(L.O.16:30)
定休日/水曜日、年末年始

清流日本一にも選ばれた尻別川は、ニセコ町の自然を象徴する存在。その豊かな水に触れるなら、北海道ライオンアドベンチャーの川遊びがおすすめ。なかでも 3 歳から参加できる「ニセコ清流下り」は、家族連れやシニア世代にも人気。水の流れに身を委ねる時間は、まさにニセコ町らしい癒やしのひとときです。

「ラフティング」では、水しぶきを浴びながら爽快感を満喫。川の上から見る羊蹄山や空の景色は格別です。実は、北海道の開拓は川と深く関わってきました。かつて人々は川を道しるべにこの土地を切り拓き、川は暮らしを支える存在でもありました。景色や水遊びを楽しむのはもちろん、そんな“歴史”に思いを馳せてみるのも、ツウな楽しみ方かもしれません。
北海道ライオンアドベンチャー・ニセコベース
住所/ニセコ町中央通60-4
電話/0136-43-2882
事務所営業時間/8:00~18:00(グリーン期:4月〜10月) ※冬季は9:00〜17:00
定休日/なし
料金/ニセコ清流下り(6月〜10月)参考価格4,653円
ラフティング(4月〜10月)参考価格5,445円
※ボートの貸切も可(別途料金)
※参加料金は人数により異なる
※参加条件や料金詳細はHPで要確認
ニセコ町の魅力のひとつは、水の豊かさだけでなく、多様さにもあります。ニセコエリアにはさまざまな泉質の温泉が点在しており、場所ごとに異なる湯の個性を楽しめます。旅の途中でほっとひと息つきたくなったら、日帰り温泉に足を運んでみるのもおすすめです。湯に浸かれば、体の力がふっと抜けていくような心地よさに包まれます。
JRニセコ駅前の「綺羅乃湯」は、地元の人にも親しまれる“駅前温泉”。「いこいの湯宿 いろは」では、大自然を眺めながら露天風呂を楽しめます。気分や目的に合わせて、ニセコ町ならではの湯めぐりを楽しんでみてはいかがでしょう。
ニセコ温泉郷 いこいの湯宿 いろは
住所/ニセコ町ニセコ477
電話/0136-58-3111
日帰り入浴時間/12:30~21:00(最終受付20:00)
定休日/なし ※メンテナンス休館日あり
料金/大人1,200円、子ども600円、幼児無料(12月〜3月末の期間は料金変動有)
ニセコ駅前温泉 綺羅乃湯(きらのゆ)
住所/ニセコ町字中央通33
電話/0136-44-1100
時間/10:00~21:30(最終受付21:00)
定休日/第2・第4水曜日(8月〜10月は定休日なし) ※祝日の場合は翌日休館
料金/大人(高校生以上)800円、小学生・中学生300円、幼児無料
静かな時間が流れる「高野珈琲店」、スペシャルティコーヒーを追求する「本田珈琲店」、羊蹄山を眺めながらゆったり過ごせる「かふぇ&小さな宿 のどか」。ニセコ町には、それぞれ異なる魅力を持つコーヒー店があります。自家焙煎や厳選した豆へのこだわりなど、それぞれが一杯のおいしさを追求しており、どの店も個性的。ニセコ町の水で丁寧に淹れられた一杯が、旅のひとときを彩ります。
店内で静かにコーヒーと向き合ったり、窓の外に広がる景色を眺めたり、過ごし方は人それぞれ。旅の途中にふらりと立ち寄れば、ひと呼吸おいて自分のペースを取り戻せるはずです。お気に入りの一杯を片手に、ニセコ町ならではのゆったりとした時間を過ごしてみてください。
高野珈琲店
住所/ニセコ町字有島126-90
電話/0136-44-1620
カフェ営業時間/12:00~16:00(L.O.15:00)
定休日/火・水曜日、年末年始、1~2月カフェ冬季休業(コーヒー豆の販売のみ)
本田珈琲店
住所/ニセコ町本通106-9
電話/090-1491-3263
時間/8:00〜15:00
定休日/月曜日
かふぇ&小さな宿のどか
住所/ニセコ町曽我370-4
電話/0136-55-7888
カフェ営業時間/11:00~15:30(L.O.15:00)※ランチタイム11:00〜14:00
定休日/水曜日、木曜日
![[月刊旅色]2026年8月号](https://tabiiro.brimgs.com/book/monthly/202608/images/common/cover.jpg)

