ついひょうたんを探したくなる、「プリンセス・トヨトミ」の舞台・大阪を巡る旅
映画化もされた著・万城目学(まきめまなぶ)の小説「プリンセス・トヨトミ」をテーマにした文学旅行旅プランを、大阪在住の旅色LIKESライター・ヒロミが作成しました。小説に出てくる場所の多くが大阪市内で、大阪観光の際に訪れるであろう梅田や難波にも近いので、気軽に巡りやすいです。本編だけではなく、小説のあとがきまで読んでいくとさらに大阪観光が楽しくなる間違いありません。
目次
<旅のスケジュール>
東京から調査で訪れた会計検査院の3人と、大坂城の堀の名前に由来する空堀商店街に住む中学生の大輔と茶子らが、大阪人に連綿と引き継がれてきた秘密の扉を開けてしまう、奇想天外な物語。人物の設定が若干異なりますが、堤真一さんや綾瀬はるかさんらをキャストにして映画化もされました。大阪のスポットがたくさん登場するこの作品で、文学旅を楽しんでみませんか?
【11:30】旅のスタートは「榎木大明神」で旅の安全を祈願する
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【11:20】「空堀(からほり)商店街」で急な坂を体感&モデルとなったお好み焼き屋「冨紗家 本店」でランチ
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【13:00】散策しながら「大阪城」と「大阪府庁」を外から望む
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【13:45】昔懐かしいアイスモナカが買える「ゼ―六 本町店」で小休憩
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【14:30】建築家・辰野金吾設計の「大阪市中央公会堂」をはじめとする歴史的建造物に触れる
作者の万城目学が大阪城近くで生まれ育ったのが納得するくらい、「プリンセス・トヨトミ」は描写が細かく、大阪と秀吉への愛を感じられる一冊です。
旅のスタートは白蛇がご神体の「榎木大明神」で旅の安全祈願
祠の中心には槐(えんじゅ)の木が植わっている
大阪メトロ長堀鶴見緑地線の松屋町駅を降りて5分ほどの場所にある「榎木大明神」。物語では主人公の一人、大輔が「女の子になりますように」と毎朝手を合わせる場所として登場します。ここは古くから地元の方に親しまれている場所で、御神体が白蛇のため町の人々からは「巳(みい)さん」と呼ばれているお稲荷さんです。大きな神樹に抱かれるように小さな祠があり、ついつい通り過ぎてしまいそうですが、お供え物が置かれていて地元の方から大切にされていることがわかります。
◆榎木大明神
住所:大阪府大阪市中央区安堂寺町2-3
「空堀(からほり)商店街」で急な坂を体感&モデルとなったお好み焼き屋「冨紗家 本店」でランチ
榎木大明神のすぐ近くにあるのが空堀商店街。松屋町駅の隣の駅、谷町六丁目駅まで続く長い商店街には肉屋、魚屋、豆腐屋、昆布屋と、生活感あふれる人情たっぷりのお店が集まっています。
物語の中では、大輔のお父さんが営むお好み焼き屋「太閤」や「ジャコ屋」と呼ばれている大輔の友達のお店も、ここにある設定です。物語のキーとなる長浜ビルは実在しませんが、正面から見ると4階建てに、裏から見ると2階建てになると書かれています。理由は空堀商店街が上町台地の上にあり、高低差が感じられる珍しい地形となっているからです。実際に歩いてみると急な坂道になっているのが分かるので、本当にそのように見えるビルがあってもおかしくありません。ぜひ坂道を体感してみてください。
平日は夕方からの営業なのでご注意を
また「太閤」のモデルになったお好み焼き屋「冨紗家 本店」も空堀商店街にあるので、主人公になった気分でお好み焼きを食べてはいかがでしょう。
空堀商店街
住所:大阪府大阪市中央区谷町6丁目14-14 2F 空堀商店街振興組合
電話:06-6762-2229
◆冨紗家 本店
住所:大阪府大阪市中央区谷町6-14-19
電話:050-5484-4490
営業時間:火~金17:00~24:00(LO23:30)、土・日・祝日12:00~24:00(LO23:30)
定休日:月曜日
散策しながら「大阪城」と「大阪府庁」を外から望む
大阪城の周囲は総延長約12kmにもなる石垣に囲まれている
商店街を抜けて大通りの谷町筋に出て、北に向かって約20分歩くと右側に大阪城が見えてきます。電車の場合は大阪メトロ谷町線で、谷町六丁目駅の隣にある谷町四丁目駅で降りると到着です。小説のクライマックスでは非常事態の際に真っ赤に燃える大阪城の元に、大勢の男性が集まります。
現在の天守閣は1931(昭和6)年、昭和天皇の即位御大典記念事業として集めた大阪市民の寄付金によって復興されたもの。大阪城が地元の方にどれだけ愛されているかがわかりますね。小説にハマった私は空堀商店街にある長浜ビルから大阪城まで、小説の世界では地下通路が続いているなんて! と想像するだけでわくわくします。
府庁本館から道を挟んだところに大阪城公園がある
大阪城を望む場所に、会計検査院の3人が訪れる大阪府庁があります。小説を読むと大阪城と大阪府庁の位置も絶妙だなと感心してしまいます。「鬼の松平」と呼ばれる会計検査院の一人、松平が府庁の売店でアイスモナカを買って食べるシーンが印象的です。つい買いたくなりますが、一般の人は入るには書類に記入が必要で、基本的に用がないと入れません。10名以上の団体だと施設見学ツアーで内部を見ることができます。
◆大阪城天守閣
住所:大阪府大阪市中央区大阪城1-1
電話:06-6941-3044
開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
◆大阪府庁 本館
住所:大阪府大阪市中央区大手前2丁目
昔懐かしいアイスモナカが買える「ゼ―六 本町店」で小休憩
ビジネス街にあるので、平日は会社員の方が続々と買いに来る光景が見られる
大阪府庁にある売店のアイスモナカは買えませんでしたが、大輔と茶子がおやつに食べていたアイスモナカを食べましょう。大阪府庁からは約20分歩くか、暑い時は大阪メトロ中央線で一駅先の堺筋本町駅を目指してください。
アイスモナカ(120円)。モナカの中には昔懐かしい味のアイスが入っている
アイスモナカを売っている「ゼー六 本町店」は1913年創業の老舗喫茶店。大量にテイクアウトする常連も目にしますが、席が空いていればイートインをしてのんびり過ごしてみてください。アイスモナカもコーヒーも驚くほど良心的な価格なので、ついつい長居したくなるかもしれません。
◆ゼー六 本町店
住所:大阪府大阪市中央区本町1-3-22
電話:06-6261-2606
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜日
建築家・辰野金吾設計の「大阪市中央公会堂」をはじめとする歴史的建造物に触れる
この辺りは歴史的建造物が多いので、歩いているだけでも楽しい
堺筋本町駅から堺筋線に乗り換えて北浜駅で降りると、北側には中之島というエリアが広がり、堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲になっています。「大阪市中央公会堂」や「大阪府立中之島図書館」をはじめ、建築好きな方におすすめの建物が集まっているので、散策にもぴったりです。
「大阪市中央公会堂」は国の重要文化財に指定されており、東京駅と同じ建築家・辰野金吾が設計しています(辰野金吾氏と片岡安氏が実施設計)。レストランやカフェも入っているので、歴史ある建物での食事もおすすめです。
大阪市公会堂といえば、大阪市民にとってはクリスマスルミネーションでお馴染みの場所。毎年クリスマスシーズンに開催される「OSAKA光のルネサンス」の会場で、建物に描かれるプロジェクションマッピングがとてもきれいです。
◆大阪市中央公会堂
住所:大阪市北区中之島1-1-27
電話:06-6208-2002
本を片手に、大阪の町を散策してみては?
・本のタイトル:プリンセス・トヨトミ
・著者:万城目学
・場所:大阪市内
・移動手段:徒歩、大阪メトロ
・誰と行くか:一人でも、誰とでも
・予算:一人2,000円程度(電車・飲食代)
他にも小説では通天閣など、大阪の観光スポットが多数登場。大阪市内を歩くとたまにひょうたんがぶら下がっているお店や家を見ることがあり、つい同じくひょうたんがよく登場したプリンセス・トヨトミの情景が蘇ってきます。小説を読んで行くとさらに大阪観光が面白くなるはず!? どのスポットもアクセスがいいので、大阪に来られた際はぜひ訪れてみてください。













