【6月2日販売開始】川越市の老舗茶農家のほうじ茶を使ったプレミアムロールケーキ誕生ストーリー

全国で飲食店を展開するバルニバービと旅色が日本各地を旅し、“食”の魅力を発掘する共同プロジェクト「TRAVELING DISH ACTION」。第四弾となる今回は「小江戸」と呼ばれ、観光地としても人気がある埼玉県川越市とのコラボレーションになります。どんな商品が出来上がったのか、その誕生までのストーリーをお伝えします。
目次
ほうじ茶好きにはたまらない! スペシャルなロールケーキが誕生

モチモチでしっとりした生地にふわふわのクリームが特徴の「ARINCOのロールケーキ」。今回はこの生地とクリームにほうじ茶パウダーをたっぷり使用。口に入れると芳ばしい香りで満たされる大人の味わいが特徴です。このほうじ茶を作ったのは川越市の「小野文製茶」。100年以上の歴史を持つ老舗お茶屋さんです。
狭山茶のルーツ、河越茶を現代に。川越の老舗「小野文製茶」に聞くお茶の歴史
メニュー開発は生産者の思いを直接聞くところからスタート。1月末ごろにスタッフ一同で川越市を訪ね現地視察をし、今回使うほうじ茶と出会いました。川越では河越茶というお茶があり、その起源は南北朝時代(14世紀)とされ、日本三大銘茶の一つ狭山茶のルーツになっています。
南北朝時代に書かれた『異制庭訓往来』に、茶の名産地について、京都の宇治などとともに「武蔵河越茶」も記載されており、この頃にはお茶の栽培がされていたそう。戦国時代に入り停滞するも、江戸時代初期(17 世紀)ごろから川越藩によってお茶の栽培が推奨され、1875(明治8)年に狭山製茶会社が設立し、狭山茶が誕生。その後、狭山茶は日本三大銘茶の一つにまで成長しますが、河越茶という名前は使われなくなってきます。しかし近年、自治体やNPO法人などの働きかけにより、河越茶や河越抹茶の栽培や製造、販売を行うお店が徐々に増加。
小野文製茶もその一つで、100年以上の歴史があるお店。お茶の栽培から加工、販売まで一括で手掛けています。
「全国的に分業制をとるお茶屋さんが多いです。茶葉を栽培する人、茶葉加工する人、茶葉を製品化する人、販売する人、という感じで。ですが、埼玉県のお茶屋さんは、どちらかというと、自分たちですべて担うことが多いです。それが河越茶や狭山茶の特徴かもしれないですね」と話す小野さん。
もう一つ特徴として挙げてくれたのが農家それぞれで味や見た目が違う点。農家ごとに栽培法や蒸し方、仕上げ方が異なるため、同じ河越茶・狭山茶でもお店によって味や見た目も異なるそうです。
地元でも重宝されているほうじ茶のパウダーがメニュー開発の鍵に
小野文製茶では河越茶の茶葉を使ったほうじ茶や和紅茶の製造にも力を入れています。
小野さんいわく、「ほうじ茶は煎茶に比べて渋みが少ないので、広い層に人気がありますね。香りもよく、お菓子作りにも使えるので需要が高い」のだとか。
その言葉の通り、川越市内では小野文製茶のほうじ茶を使った「ほうじ茶ティーラテ」や「ほうじ茶あんみつ」が喫茶店などで提供されたり、パウダー状にしたものを原料にしてお菓子作りをするお店が増えてきているそうです。パウダーがあるという情報に目を光らせたスタッフたち。
バルニバービのシェフらによって試作を繰り返すこと約3カ月。東京の小石川にあるバルニバービが運営するイタリアン「青いナポリ」にて、試食会を実施。
「生地の中にトッピングを入れたほうがいいのでは?」
「クリームもほうじ茶色にする?」
など、細かく調整を続けるシェフたち。試行錯誤をする中でも一貫していた思いは“よりほうじ茶らしさを感じられるにはどうしたらよいか”でした。
「小野文製茶のほうじ茶はとにかく香りがいい。なので、従来のほうじ茶スイーツよりもお茶らしさを感じられるので、ほうじ茶好きに絶対ハマると思う」と語るシェフたち。
この強い思いのもと、出来上がったのがこちら!
ARINCOロールケーキ「川越市小野文製茶のほうじ茶ロール」

シェフたちが魅了された小野文製茶のほうじ茶パウダーをケーキ全体の1割に使用。1割と聞くと少なく見えますが、ケーキをカットするだけでお茶の香りがふんわり漂い、一口食べただけで芳ばしい味が広がります。
「絶妙なバランスでほうじ茶を練りこむことができました」とシェフも仕上がりに満足していました。
特に苦労した点を聞くと「焼き上げの見極め」とのこと。クリームにもほうじ茶を使ったため、どのくらいまで焼き上げたほうがいいか、色で判別ができなかったため、試行錯誤を重ねたそう。また、ほうじ茶をどのくらい入れるかも難しかったそうですが、「これ以上ないバランスに仕上がった」と満足そうに教えてくれました。
「CANDLE TABLE」では、他にも“食卓に彩りを添える特別な一品”をコンセプトに、食材選びから調理工程までこだわったシェフの自慢の一皿をご用意しています。ぜひレストランクオリティをご自宅でご賞味ください。また、川越市の特産品を使った別メニューも考案中です。続報をお楽しみに!
ARINCOロールケーキ「川越市小野文製茶のほうじ茶ロール」
価格:2,480円(税込み)