【山形】かみのやま温泉で酔いしれる、ワインを求めてとっておきの散歩
5月に開催された日本最大級のワインの祭り「山形ワインバル」をきっかけに山形県上山市を訪れました。フルーツ王国で知られる山形県。ワインの原料であるブドウも多く生産され、県内には22か所ものワイナリーがあります。「山形ワインバル」には、県内外の57ワイナリーが出店し、200種類以上のワイン飲み比べができました。今回は上山市でみつけた美味しいワインが飲める場所をいくつかご紹介します。
目次
お城のふもとで行われた「山形ワインバル」
街のシンボル「上山城」
上山駅から歩いて約10分、街を見下ろす高台に建つのは「上山城」です。重要な拠点に建つ強固な石垣造りの城は、かつて羽州の名城と謳われました。月岡と呼ばれる場所に建つことから別名、月岡城とも呼ばれています。1535年に建てられ、幕命(幕府の命令)により取り壊されましたが1982年に天守閣が再建され、現在は城郭風の資料館として親しまれています。
そんな歴史あるお城のふもとで、山形ワインバルのイベントが開催されました。山形のワイナリーだけでなく、全国から個性派ワイナリーが全57か所集まり、200種類以上のワインを楽しめる日本最大級のワインイベントです。2014年から始まり、山形県のワイン文化を広げようと開催しているのだそう。会場にはフード屋台も多数集まり、全国から6,000人以上が集まりました。
◆上山城郷土資料館
住所:山形県上山市元城内3-7
営業時間:9:00~17:15(最終入館16:45)
休業日:毎週木曜日(祝日の場合は直前の平日)
12月29日~31日
他臨時休館有
大人600円、高校生・大学生500円、小・中学生200円
駅前で旅の始まりの1杯を
かみのやま駅を出てすぐ、観光案内所内にある「山形ワインバル」の常設セラー。山形各地のワイナリーから届くワインがずらりと並び、購入はもちろん、併設のバーではうれしい飲み比べセットまで楽しめます。到着早々テンション上がって飲み過ぎるのに注意してください。
◆山形ワインカーヴ
住所:山形県上山市矢来1-2-1(かみのやま観光案内所内)
電話番号:023-672-5703
営業時間:9:30~16:30(16:00L.O)
定休日:不定休
歩いて楽しい、懐かしさに出会う温泉街
駅から温泉街に向かって9分ほど歩き、「前川足湯」が見えたら到着です。その先には街のシンボル・上山城のすがたも。街中には所々に共同浴場や足湯もあり、日帰り湯の利用ができる温泉宿も豊富。のんびりお散歩しながら気ままに湯巡りできるのもかみのやま温泉街の魅力です。
◆前川足湯
住所:山形県上山市栄町1丁目1-5
営業時間:06:00~22:00
料金:無料
ふらり立ち寄れる温泉街のワインスタンド
温泉街を歩いていると、スタイリッシュな佇まいのワインスタンドWAINSTAND DROP」があります。オーナーは醸造家の出来正光(できまさみつ)さんです。ソムリエとしての経験を活かし、国内外のワイン造りに携わったのち、2019年に上山市へ移住。この地で本格的なワイン造りをスタートし、2023年には、かつて街の映画館があった跡地を活用して自身のワイナリーをオープンしました。ワインを通して街に人の流れを生みたいとの思いから「WAINSTAND DROP」をオープン。ワイナリーには地域の人や旅人が気軽に集えるワインスタンドも併設。「チェックイン前や食後にふらっと立ち寄ってもらえたら」と、食事は軽めのおつまみのみを用意しています。敢えて予約制にしないことでだれでもふらりと立ち寄れる出来さんの想いが詰まったあたたかな場所です。
印象的だったのは「ブルジュヌモン2023」。出来さんが造る季節をイメージした 4種のワインのひとつで、春の葡萄の芽生えをイメージしたオレンジワインです。若々しい果実の風味と華やかな香りが重なり、ここでしか味わえないこだわりを感じられました。ワインのネーミングや、ラベルにも遊び心と美的センスがあふれていて、出来さんのチャーミングな人柄を垣間見れたように思いました。造り手によって、こんなにも個性が出るのだと改めて実感。そのほかにも好みや気分に合わせて、おすすめワイナリーのワインも提供してくれます。イベント前日には、地元の方やワイン好きな方々で賑わっていました。出来さんはお店に立っていることも多く、店内でグラスワインをいただきながら、贅沢な時間が過ごせます。ワイン造りへのこだわりや、地元・上山の気候が育てる味わいの魅力を教えていただき、ワインの一杯がぐっと深く感じられました。
◆winestand_drop
住所:山形県上山市沢丁2-17
営業日:金、土曜日
営業時間:16:00~22:00
江戸の風情が残る「武家屋敷通り」
上山城のすぐそばには、江戸時代の面影を今に伝える「上山武家屋敷」が残されています。元々、藩の要職にあった家臣が住んでいた場所で、茅葺き屋根の住居が4軒建ち並ぶ仲丁通り。上山藩の中級武士が暮らしていた屋敷のひとつ「三輪家」は公開されています。敵に攻め込まれたときに反撃するため身を隠す「武者隠し」が残されていたり家主に接見するための「控えの間」など武家の屋敷ならではの暮らしぶりを見ることが出来ました。ちなみに屋敷にはお風呂場がないそうで、さすがは温泉街の城下町です。平和な現代では書院造りの居間から四季折々の景色をながめて癒やされる空間となっています。
◆武家屋敷三輪家
住所:山形県上山市鶴脛町1丁目7番46号
開館時間:9:00~16:45
休館日:水曜日、12月28日~1月3日
入館料:大人220円、高校生・大学生160円、小中学生50円
和の趣と手軽さがうれしい、温泉ビジネス宿
創業100年以上の歴史をもつ老舗旅館を和風ビジネスホテルとして生まれ変わらせた「ステイインホテル材木栄屋」。元々、材木の卸業を営んでいたことから名づけられました。施設全体に木のぬくもりが漂う和風の造りです。源泉かけ流しの温泉が3か所(男女入替制)と貸切風呂が2か所もあり、上質なお湯を、心ゆくまで楽しめます。かみのやま温泉の泉質は弱アルカリ性のやわらかなお湯で、肌がすべすべになる“美肌の湯”としても知られています。湯にゆっくりと身をあずけて、心も体もふっとほぐれるような癒しの時間を過ごせました。2023年に出張やひとり旅にうれしいシンプルで機能的なビジネス棟が新設され、リーズナブルに宿泊できるのに温泉を満喫できるのが旅人にはうれしいポイントです。
◆ステイインホテル材木栄屋
住所 :山形県上山市新湯6-11
電話番号:023-672-1311
チェックイン:15:00
温泉とワインを楽しめるかみのやまの街
日本ワインと国産ワインの違いをご存じですか? 2018年に、国産ワインは、海外のブドウや果汁を使い醸造されたものに対し、日本国内で栽培収穫されたブドウのみを使い、日本国内で醸造されたワインのことを「日本ワイン」と定義されました。ここ上山の街には、そんな“日本ワイン”にこだわる醸造家たちがいます。ぶどう作りから丁寧に向き合い、ものづくりを通して新たな可能性に挑戦していました。温泉に足をひたしたり、街をのんびり歩いたりしながら、自分だけのお気に入りの一杯に出会う、かみのやま温泉は、そんな気ままな楽しみ方がぴったりの町でした。出会った人の優しい笑顔や何気ない会話もこの旅の思い出になりました。ちょっと歩いて、ちょっと飲んで、ゆっくり癒されて。またふと思い出して、ふらりと訪れたくなる場所でした。「山形ワインバル」は次回2026年5月16日、17日に開催されます。お楽しみに。












