栃木県足利市の「ココ・ファーム・ワイナリー」が紡ぐ、人と自然に寄り添うワイン造り

栃木県

2025.09.18

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栃木県足利市の「ココ・ファーム・ワイナリー」が紡ぐ、人と自然に寄り添うワイン造り

都心から電車で約90分、栃木県足利市の緑豊かな丘の上に小さなブドウ畑があります。特別支援学校の生徒たちが畑を拓いて始めた「ココ・ファーム・ワイナリー」です。化学肥料や除草剤を使わずに育てたブドウを手作業で収穫し、添加物をなるべく使わずに仕込むことにこだわった自然派のワイナリー。ここで5月に開催された新緑のブドウ畑を眺めながらワインを楽しむイベント「ヴィンヤード・デイズ」に参加してきました。訪れてみて知った「ココ・ファーム・ワイナリー」の魅力を旅色LIKESライターのERIがご紹介します。11月に収穫祭の開催もあるのでぜひ参考にしてみてください。

目次

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足利の丘に広がる「ココ・ファーム・ワイナリー」

ワイナリー見学でワイン造りのこだわりを知る

こだわりを知ってからいただくワインは格別

さいごに

足利の丘に広がる「ココ・ファーム・ワイナリー」

日本のワイン産地といえば山梨や、長野、北海道を思い浮かべる方が多いと思いますが、「ココ・ファーム・ワイナリー」があるのは栃木県足利市。近くにある特別支援学校「こころみ学園」の子どもたちと先生が開墾したブドウ畑から始まりました。今も学園の仲間たちとスタッフが、急斜面の畑で手作業による収穫を続け、除草剤を使わず、自然と調和したワインづくりを大切にしている自然派のワインを作り続けています。ここで毎年GWの時期に開催されるのが、新緑のぶどう畑で自家製ワインを楽しむイベント「ヴィンヤード・デイズ」です。通常のワイナリー見学やショップ・カフェ営業のほか、地元の飲食店や雑貨店が集まり出店し、県内外から多くの人が集まります。

ワイナリー見学でワイン造りのこだわりを知る

急こう配に広がるブドウ畑。

予約なしで参加できるワイナリー見学では、ワイン造りのこだわりと、ワイナリーの成り立ちや生産者の思いを知ることができます。「ココ・ファーム・ワイナリー」のブドウ畑は、水はけがよく、ブドウの栽培に適した環境です。しかし山を切り拓いた急斜面が続くため、機械を入れることができず、草刈りから収穫まですべて人の手で行われています。また開墾当初から除草剤を使わず、適地適品種、気候風土に合うブドウを栽培。どうしてもこの土地では育たない品種は北海道や山形の自家畑や、契約農家でそれぞれの土地に合ったブドウを栽培しているそうです。どんな土地でも同じ品種が栽培できるというわけではないのですね。

ワイン樽の熟成庫。

ワインに合わせた樽で熟成される。

熟成庫の中のワイン樽。

スパークリングワインの瓶を逆さにして澱を瓶先に集めるルミアージュの作業の様子(展示用のイミテーション)。

「ココ・ファーム・ワイナリー」では、自然界に存在する“野生酵母”を使ったワイン造りが行われています。畑の土や空気、ブドウの皮に棲みつく酵母が自然発酵して生まれるワインは、まさに テロワール※1を映し出した一杯。国内外から高く評価され、2000年に開催された「九州・沖縄サミット」や2008年に開催された北海道洞爺湖サミット、さらにJAL・ANAの国際線や豪華列車「TRAIN SUITE 四季島」でも提供されました。
見学ツアーでは、赤や白はもちろん、オレンジワインやスパークリングまで、多彩な製造工程を知ることができます。「発泡酒は、目の不自由な修道士が発酵中のワインを放置してしまったことでできた偶然の産物でした。その修道士の名前はドン・ピエール・ペリニヨン。あの高級シャンパン、ドン・ペリニヨンの由来となった人物なんです」というワインに関する豆知識も教えてもらいました。

※1フランス語で土地や風土を意味する。ワインが育つ土地の自然環境のすべてのことを指す

●ワイナリー見学
時間:10:30~、13:00~、15:00~
定休日:12/31~1/2、1月第3月曜~金曜日、11月収穫祭前日~6日間
料金:500円
所要時間:約45分
※10名以上で訪れる場合は、要予約

こだわりを知ってからいただくワインは格別

ワンプレートのデッキランチは、ワインにピッタリ。

併設されたカフェでは、自家製ワインと地元食材を使った料理を楽しめます。事前に予約すると季節のコース料理や、土日祝日限定の「デギュスタシオン・コース」でスパークリングからデザートワインまで6種類の自家製ワインを堪能することも。今回は予約なしでいただけるアラカルトメニューから、ワンプレートの「デッキランチ」をセレクトしました。見学のガイドさんが、おすすめしてくれたロゼワイン「タナロゼ」と一緒にいただきます。おすすめ理由は「ロゼワインが売れないから(笑)」と、面白おかしく話していましたが、フランスでは食事ワインの定番なのだとか。日本では、赤ワインか白ワインを選ばれることが多いですが、ぜひロゼワインも飲んでいただきたいとのことでした。辛口のロゼとはいえ、渋みは穏やか、香り豊かなワインでとても飲みやすい! スモークサーモンのカルパッチョやぬか漬け、広島風お好み焼きなどと相性がよいのだと教えてもらいました。

◆カフェ
電話:0284-42-1177(カフェ直通)
営業時間:月~金曜日11:00~16:00(LO15:30)、土日祝日11:00~17:00(LO16:30)
定休日:12/31~1/2、1月第3月曜~金曜日、11月収穫祭前日~当日

ブドウ棚で囲われたショップの入り口。

スパークリングワイン「のぼ ブリュット」。

収穫祭記念の限定ラベルワイン。

ショップでは自家製ワインのほか、「ぶどうジュース」やワインに合うお菓子・おつまみを販売しています。ブドウから作られたお酢「ベルジュ風*葡萄酢」もとてもおいしかったです。ボトルワインの裏ラベルにあるQRコードから、ブドウの収穫時期や発酵の様子、料理とのマリアージュなど詳しく知ることができ、ワイン選びの参考になります。
「風のルージュ」は、風が吹き渡る蒸留所で造られた赤ワイン、スパークリングワイン「のぼ ブリュット」の「のぼ」は、スパークリングワインの弾ける泡立ちを「陽がのぼる」「美しき泡たちがのぼる」と表現していることにかけています。また、こころみ学園を始めた川田昇(かわたのぼる)園長の子どものころの愛称が“のぼ”だったことがかかっているなど、ワインの名前それぞれに素敵なエピソードがあることも見どころです。

テイスティングリスト。ココ・ファーム・ワイナリーのほぼすべてのワインが対象です。

白ワイン「山のカンタータ2022」。

赤ワイン「農民ロッソ2024」。

グラスのココ・ファーム・ワイナリーのロゴマークまで注ぐと約100ml。

テイスティングも用意されていて、5種類1,500円と3種類1,000円、それぞれオリジナルグラス付き。断然5種類の試飲がお得です。グラスを持ち帰れない場合は、ショップやカフェで使える500円分のコインと交換することができます。

◆Wine Shop
営業時間:10:00~18:00
定休日:12/31~1/2、1月第3月曜~金曜日、11月収穫祭前日

●テイスティング
時間:10:00~17:00
定休日:12/31~1/2、1月第3月曜~金曜日、11月収穫祭前日~4日間
料金:5種1,500円、2種1,000円 ※どちらもオリジナルグラス付き
※10名以上で訪れる場合は、要予約

さいごに

季節ごとに表情を変えるブドウ畑の景色もまた魅力のひとつです。5月に行われる「ヴィンヤード・デイズ」のときは小さな芽だったブドウが、夏には青々とした葉を広げ、みずみずしい緑の房を実らせていました。ワイナリーでは、年間を通じてイベントやセミナーも開催されていて、11月には収穫祭も行われるそう。秋の収穫期には、きっとまた違った風景が広がっているのだろうと想像すると、何度でも訪れたくなります。自然と人の手が育んだ一杯を味わいに、ぜひ足を運んでみてください。

◆ココ・ファーム・ワイナリー
住所:栃木県足利市田島町611
電話:0284-42-1194
定休日:12/31~1/2、1月第3月曜~金曜日、11月収穫祭前日

●収穫祭
2025年11月15日~15日

「ココ・ファーム・ワイナリー」公式HPはこちら

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