奄美大島・龍郷町で推し力士・大奄美の原点にふれる旅
豊かな自然と美しい海に抱かれたスローライフの楽園・奄美大島は、「日本一土俵が多い相撲どころ」としても有名です。なかでも龍郷町(たつごうちょう)は、私の大好きな力士である大奄美(だいあまみ)の故郷。今回は旅色LIKESライター・相撲旅担当のさっちもが、大奄美ゆかりの地を100%巡るため、観光タクシーと島の方々の力を借りて旅をしてきました。大満喫の1泊2日オーダーメイドの相撲旅の様子をお届けします。
目次
旅のはじまりは、奄美空港から
奄美空港の到着口に並べられている黒糖焼酎。奄美群島だけに製造が認められている。
7月13日から始まった、大相撲名古屋場所のチケットは先行抽選で落選。一般販売も希望日は完売で夏の楽しみがぽっかりと消えてしまいました。そんな時、ふと心に浮かんだのが奄美大島でした。奄美大島は、私の大好きな追手風(おいてかぜ)部屋に所属している現役力士・大奄美の故郷。 「いつか大好きな大奄美の故郷を訪ねてみたい……」。静かに胸にしまっていた想いが突然目を覚まし、ほとんど下調べもせずにホテルと航空券を手配していました。
観光タクシーを利用して効率よく島めぐり
ドライバーの中江さん。晩酌は黒糖焼酎一択! 風邪をひいたら「焼酎で治す」と豪快に笑う。
奄美大島には電車がなく、旅行者の主な移動手段はレンタカー、バス、タクシーです。車の運転ができない私は、バスやタクシーで気ままに島を巡ろうと考えていましたが、奄美大島は想像以上に広く、南北に伸びる島の端から端まで車で移動すると約2~3時間。バスの本数は少なく、流しのタクシーも簡単にはつかまりません。移動手段に悩んだ末、ネットで観光タクシーのHPを見つけました。事前にメールで観光プランを伝え、料金は4時間の行程で24,000円。予約日時に、宿泊しているホテルまで迎えに来てくれます。
奄美大島は大小約200の集落に、120以上の土俵が点在しています。祭や年中行事で各集落が相撲大会を開催し、地域に深く根付いた文化として親しまれています。学校のほとんどに土俵があり、子どもたちは幼い頃から相撲に触れる機会に恵まれ、「島の男子は一生に一度はまわしをつける」と言われるほどです。観光名所だけではなく、「大奄美の故郷・龍郷町と、相撲どころ奄美を満喫したい! 」という細かい要望を、島を知り尽くしたドライバーさんが叶えてくれます。車の運転に自信がない方や、効率よく観光地を巡りたい方、快適で自由な旅を楽しむなら観光タクシーがおすすめです。
◆合資会社 大島タクシー
住所:鹿児島県奄美市名瀬久里町10-8
電話:0997-52-2233
営業時間:24時間
定休日:年中無休
「龍郷町役場」で大奄美を誇る町の絆と、飾らない地元愛に感極まる
2025年2月に町制施行50周年を迎えた。
大奄美が育った赤尾木集落を巡った後、龍郷町役場に足を運びました。本場所※1初日から15日間、町役場前には大奄美を応援する色鮮やかな幟(のぼり)が立ちます。私は幟が立つ時期を勘違いしていて、7月初旬の町役場には、残念ながらまだ幟は立っていませんでした。ダメもとで町役場の企画観光課を訪ね、「役場前に立つ幟の写真があれば見せていただけませんか? 」とお願いしてみました。
※1 奇数月の第2日曜日から15日間開催される大相撲の興行。
「倉庫に幟があるので、実物を見ていきますか? 」
職員の田下(たした)さんと、竹内さんが会議室の机に幟を広げて見せてくれました。感謝と感動で胸がいっぱい! 幟は、職人が1文字ずつ丁寧に手書きし、色を染めて仕上げたもの。サイズは、高さが約5.4メートル、幅は約70~90センチメートルあります。幟の力士の名前は、「黒星」(負け)を避けるため黒文字を使わず、スポンサー名は「赤字」を避けるため、赤以外の色を使用します。制作費は1本約30,000円。日本相撲協会の許可を得た専門の染業者が制作します。興行に花を添える幟にも相撲界の伝統の重さを感じました。縁起物でもある幟は、1場所ごとに新しく作られ、使用後は贈り主(スポンサー)のもとに返却されます。
田下さんは、大奄美と同じ赤徳(せきとく)小学校の出身で、「巡業の時に、応援タオルを振っていたらニコッと会釈してくれて、優しくて素敵な方でした」と伝えると、「おぉ! そんな感じなんスね。元規、いいヤツだなぁ。良かった~(笑)」。風にはためく幟を見ることはできませんでしたが、大奄美を誇る町の絆と、飾らない地元愛に触れた瞬間は、想像を超える心の宝物となりました。
◆龍郷町役場
住所:鹿児島県大島郡龍郷町浦110番地
電話:0997-62-3111
開庁時間:8:30~17:15
閉庁日:土日祝日、年末年始
送料無料の配送サービスが嬉しい、「ビッグツー」でお土産を購入
龍郷町には、奄美大島北部最大の総合スーパー「ビッグツー」があります。特産品をはじめ、食料品、衣料品、生活雑貨、家電、レジャー用品など暮らしに必要な物が何でも揃う便利なお店です。
「ビッグツーオリジナルTシャツ」(2,750円)は観光客に大人気。昨年、大奄美がビッグツーで購入したことを知り、私も同じTシャツを購入しました。また、特産品コーナーで5,500円以上商品を購入すると、送料無料になる配送サービスがあります(酒類、生鮮品、一部商品は対象外)。総菜コーナーも充実しており、ローカルの味や島の暮らしを少しだけ体験できるので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
◆ビッグツー
住所:鹿児島県大島郡龍郷町中勝字奥間前580番地
電話:0997-55-4100
営業時間:10:00~20:00
定休日:不定休
海の彼方にある楽園、リゾートホテル「ティダムーン」に宿泊
奄美空港から車で約10分の場所にあるリゾートホテル、「ティダムーン」に宿泊しました。移動手段に不安を感じる方にも嬉しい無料送迎付きで、アクセスは抜群です。
客室は、目の前に広がる太平洋を一望できるツインルーム。バンブーベッドが南国の雰囲気を一層引き立てます。元々は、大島紬の織元(製造元のこと)でした。 2階に貴重な大島紬や、50歳で東京から奄美に移住した日本画家・田中一村(いっそん)※2の絵画を展示する「大島紬美術館」があり、館内の随所で大島紬の伝統や文化を感じられます。ホテルに滞在するだけでも1日中楽しめる魅力が詰まっています。
※2 奄美の自然を愛し、亜熱帯の植物や鳥を描いた作品が多い。
夜はサマーベッドに寝転び、満天の星を堪能。さざ波の音を聴きながら、奄美の黒糖焼酎を片手に静かな夜を満喫しました。
1階にある、島食材をふんだんに使った創作料理が自慢のビストロ「奄味」では、大島紬の織子さんが毎日手作りしている「発酵長寿朝食」が人気です。和食と洋食の2種類から選択できるので、連泊の際は両方をぜひ味わってみてください。どちらも共通して、米とサツマイモで作られた伝統的な発酵飲料「ミキ」から食事が始まります。とろとろとした口当たりと独特の風味を感じました。栄養価が高く乳酸菌が豊富であることから、地元民からは「風邪をひいてもミキを飲めば治る」といわれ親しまれています。卵焼きの隠し味のほか、洋食を選択するとミキを使用したパンをいただけました。ほのかな甘みともっちり感が絶妙で、おかわり必至の逸品です。
◆THIDA MOON
住所:鹿児島県奄美市笠利町平1260
電話:0997-63-0006
おわりに
観光タクシーを利用した、心の聖地を訪ねるオーダーメイドの旅。行く先々で「旅の目的は? 」と聞かれ、「大奄美が育った龍郷町を知りたくて来ました」と答えると、「え! そのためだけに? 」と驚かれましたが、「そのためだけ」が私にとって何より贅沢な旅でした。町の方々の優しさに触れ、このエピソードで笑いも生まれ、ひとつの場所に留まることで、濃密な時間を味わうことができました。キバレ(頑張れ)! 大奄美!














