大興善寺

佐賀県/三養基郡

大興善寺

つつじが咲き誇る創建から約1300年の社

JR基山駅から車で約7分、九州自動車道筑紫野ICから車で約15分の場所に佇む「大興善寺」。“つつじ寺”との愛称で親しまれ、約5万本ものつつじが咲き誇る絶景が楽しめる。717年（養老元年）にこの地を訪れた行基菩薩が、御本尊・十一面観世音菩薩を刻み安置されたのが始まりと伝承され、現在の茅葺き屋根の本堂は1624年（元和10年）に再建されたもの。春、夏、秋と季節の色のもみじに彩られ、冬は雪に染まる風情が心に響くことだろう。境内の「契園」では、期間限定でお抹茶処や食事処が開店する。

奈良時代にこの地を訪れた行基菩薩が、一刀三礼で御本尊・十一面観世音菩薩を彫刻し、安置されたのが始まりと伝えられている。
第96世神原玄祐師が1923年（大正12年）につつじを植え始めた山林植物園「契園」。今では“一目一万本”といわれる絶景。
本堂は1624年（元和10年）、宗対馬守平朝臣義成公により再建された、茅葺き屋根の建物で、山寺の風情が色濃く残る。

住職が語る！

住職

かみはら神原げんこう玄晃

第98代目住職。約1300年前から信仰される観音様と、四季折々の自然を参拝して心豊かになることを願い、身近な存在として足を運んでもらえるお寺を目指す。

“小松山観音”とも称される十一面観世音菩薩

御本尊・十一面観音菩薩は“小松山観音”とも称され、厄除開運・諸願成就を願い信仰されています。秘仏で御開帳は12年に1度の牛年（次回は2026年4月）。また多聞天（毘沙門天）、広目天など多くの仏様がおられますので参拝してご縁を結びましょう。
四季折々の自然が楽しめる山林植物園「契園」

若い参拝者も多い「大興善寺」内の山林植物園「契園」。豊かな自然を散策して心身ともに癒やされ、尊いご縁に恵まれることを願っています。春は約5万本のつつじの花ともみじの新緑、夏はアジサイ、秋は紅葉に染まり、冬は雪景色の美しい世界が楽しめます。
神仏習合時代の名残を感じる「熊野神社」

境内に鎮まる「熊野神社」は「大興善寺」に併設された神仏習合の様式であったといわれ、日本土着の神道と日本の仏教が融合した神仏習合時代の名残を感じさせます。地元・小松村の鎮守となって、人々から“ゴンゲンサン”と呼ばれ親しまれてきました。

旅路に刻まれる和の印影

大興善寺本尊御朱印や契山観世音（良縁）の御朱印、薬師さん参りで拝受したい薬師霊場御朱印、神仏習合のお寺のため隣接する熊野神社の御朱印など、通常5種類の御朱印に、春と秋は特別御朱印を頒布。

七五三
お宮参り
縁結び
縁切り
金運
商売繁盛
厄除け
無病息災
安産祈願
合格祈願
交通安全
子宝
芸能
恋愛成就
五穀豊穣
家内安全
学業成就
病気平穏

開催月	行事	時間
1月1日〜1月7日	新春初詣
1月3日	元三大師護摩祈祷
2月のみ	星祭開運護摩祈祷節分に近い土・日曜日。
3月のみ	春彼岸会先祖供養お彼岸の中日。
4月中旬〜5月中旬	つつじ祭り
5月1日	除病護摩祈祷
8月16日	お施餓鬼塔婆供養
9月のみ	秋彼岸会先祖供養お彼岸の中日。
10月1日	息災護摩祈祷
11月23日	天台声明（天台大師御影供・大般若転読会）
11月中旬〜12月上旬	もみじ祭り
12月31日	除夜の鐘

過去の物語を辿る

由来、由緒

歴史が織り成す静寂と風格

開創は奈良時代717年（養老元年）、行基菩薩が御本尊・十一面観世音菩薩を彫刻し、安置したのが始まりと伝わる。834年（承知元年）、伽藍が焼失したものの、御本尊だけが焼けずに無事だったことから、今なお火災除けの祈願が続けられている。847年（承知14年）円仁が焼けていた寺を再興し、寺号を「大興善寺」と改め比叡山の末寺となる。やがて南北朝期の動乱を超え、1542年（天文11年）に再建。1624年（元和10年）に現在の本堂が建てられた。“つつじ寺”と呼ばれる「大興善寺」は契山のふもとに立つが、この契山の名称は昔、五十猛命（いそのたけるのみこと）が山の頂で夫婦の契りを結んだことに由来。近年“つつじ寺”と契山に込められた愛に縁を求める人々でにぎわうことから、2012年（平成24年）NPO法人主催のプロジェクトより「恋人の聖地」に選出された。

伽藍

400年前に再建された茅葺き屋根が特徴

現在の本堂は江戸時代1624年（元和10年）に、宗対馬守平朝臣義成公により再建されたもので、外陣、中陣、内陣と奥行きのある広い造りが特徴。茅葺き屋根の風情に古い寺の佇まいを残している。本堂正面奥に「大興善寺」の秘仏である御本尊・十一面観世音菩薩（行基菩薩作・12年に1度、午年のみの御開帳）が安置されており、厄除開運・諸願成就の観音様として“小松山観音”とも呼ばれ、古くより篤く信仰されている。本堂は明治時代初期に護摩堂を移築して2つのお堂を合併させたため、横から見ると茅葺き屋根が2つ並ぶめずらしい造りで、お堂を合併させたことにより、多くの人がお堂に入って参拝ができるようになった。2019年（平成31年）1月8日に佐賀県遺産、2020年（令和2年）に基山町指定の歴史的風致形成建造物に認定されている。

御祈願と回向（供養）

諸願成就をたくさんの仏様に祈願

御本尊・十一面観世音菩薩を中心に、薬師堂の薬師如来などたくさんの仏様が願いを叶えてくれる。厄除開運、家内安全、交通安全（車のお祓い）、病気平癒、学業成就、良縁成就、身体健康など諸願成就の祈願や、七五三のお参り、地鎮祭、家払い、水神上げなどが行われ、迷い事があった際は、元三大師様のおみくじの教えを伝えてもらうことができる。回向（供養）の申し込みも可能。仏像は秘仏の御本尊・十一面観世音菩薩（12年に1度の御開帳）、平安時代に作られた国指定重要文化財の多聞天（毘沙門天）、広目天、太宰府天満宮本地仏の観世音菩薩、毘沙門天、不動明王、さらに持国天、増長天、薬師堂には薬師如来・日光菩薩・月光菩薩・十二神将が安置されている。また境内には石仏も祀られ、契山観世音、幸福地蔵尊、せいたか童子像、マリア観音にお参りができる。