はたして富士山は見えるのか。静岡県民と雨の静岡の楽しみ方を見つける
今年は秋雨前線が停滞する予報。静岡旅の王道、富士山へ出かけても雨だった……ということもあるかもしれません。旅色LIKESメンバーのふみこさんが娘さん、静岡に就職した息子さんと今年のGWに2泊3日の静岡旅をした時もあいにくの悪天候でしたが、静岡在住ならではの情報網で、雨でも楽しめる旅を発見したようです。雨の多い時期に備えて、この記事でお出かけ先を予習しておきましょう(紅葉情報もあり)。
目次
「俺、地方の会社でエンジニアになる。首都圏の大企業は合わないわ」。
息子は大学卒業後、静岡の企業に就職を決めて、さっさと家を出て行った。今まで縁もゆかりもなかった静岡。移動中の飛行機や新幹線から富士山を眺めるだけだったのに、身近に感じる様になって来た。さて、今年のゴールデンウィークは静岡旅行だ。混雑を避けて祝日の谷間に、と計画はバッチリ。だが、小田原から静岡に向かう高速道路で土砂降りの雨に見舞われる。静岡旅行の行方はいかに。
雨でも楽しめるスポットといえば
御殿場プレミアム・アウトレット。息子の言葉を借りれば、晴れた日には「ばちくそ」大きい富士山が目の前に迫ってくるらしい。誕生日プレゼントを買ってもらおうと目論む娘は、富士山など問題ではない。すさまじい勢いで気になるブランドの位置を地図でチェックし、土砂降りの雨の中ダッシュでモールに消えて行った。2時間後、欲しかったプレゼントを手に入れたのは言うまでもない。アウトレットの広さはディズニーランドの4倍、店舗数は約210。霊峰富士を眺めながらの買い物はテンションが上がること間違いなし。
◆御殿場プレミアム・アウトレット
住所:静岡県御殿場市深沢1312
電話:0550-81-3122(10:00~18:00)
営業時間:10:00~20:00
休館日:2月第3木曜日
富士山の裾野でグランピング
一泊目は2022年に開業した「富士グランピング MOSS十里木キャンプリゾート」へ。爽やかな風に吹かれて、森林浴を楽しみながらのグランピングのはずだった。しかし、雨はシトシト降り続き、吐く息が白いぞ。グランピングドームの暖房をつけて、雨の森を眺めながらほっと一息。雨で新緑が鮮やかだ(例年10月下旬~11月上旬は紅葉になる)。これはこれでいいのかも。その日の天気も一期一会の旅の醍醐味だ。ここは一棟貸し切り型でドーム間の距離がとってあり、他の利用者の生活音が聞こえない。富士山1合目にあたる標高1030mに位置し、富士山麓の森の静けさを存分に楽しめる。
キャンプ定番の焚き火でマシュマロを焼く。これさえあれば雨でも気分は上がるのだ。
この後は、テントに激しく打ち付ける雨の音をバックグラウンドにバーベキュー。こちらは野菜はバイキング方式で地元の新鮮野菜が食べ放題。一番人気はじっくり焼いて中身をトロトロにした長葱。葱ってこんなに甘かったのかと感動。土砂降りの雨の中、管理棟まで往復しておかわりした。
雨上がりの景色もいい
翌日は雨が上がった。さすが、私は晴れ女。日もさしてきて、雨上がりの眩しい緑を眺めながらの朝のコーヒーは格別。新緑に癒されながら、今日の予定を考える。晴れてくれ。それだけが希望。
朝散歩で森林浴。目の前には富士山樹海の風景が。MOSSの名前通りに昨夜の雨でたっぷりと水を含んだ苔の森が目の前に広がる。まるでもののけ姫の世界。白い精霊がひょっこり顔を出しそうだ。苔をそっと触るとふかふか。自分で苔を採取しテラリウムを作るワークショップも開催されているので、精霊と一緒に苔をおうちにお迎えするもの素敵だろう。次回は挑戦してみたい。
◆富士グランピング MOSS十里木キャンプリゾート
住所:静岡県裾野市須山
電話:055-998-1700(8:00~17:00)
営業期間:3月上旬から1月下旬 冬期休暇(2月)
道の駅で旅先を変える出会い
「道の駅 富士川楽座」は、富士山の絶景が楽しめる場所として有名。静岡在住の息子のおすすめのスポットだ。雨は上がったが、空にはどんよりとした雲が広がっている。午後になったら晴れるかも、の期待を胸にキャンプリゾートより車を走らせること40分で道の駅へ。売られているお土産を見ると、静岡の産業が良くわかる。海産物、山葵はもちろんのことだが、店先には鮮やかな黄色やオレンジの柑橘類がたくさん並び、気持ちが明るくなる。国産のグレープフルーツも並んでいる。静岡は日本のフロリダだったのか。「静岡は気候が良くて食べ物がおいしく、人も穏やかで住みやすい」と息子がいうのがわかる気がする。同僚へのお土産を買って、絶景ポイントへ。だが、富士山はどこだ。
天気だけは神のみぞ知るよね。晴れ女の力及ばす。沼津港に魚を食べに行くか。と相談しながら道の駅で買った飲むヨーグルトを飲んでいた。うまい。これはおいしすぎる。関東生乳品質改善共励会において1位を受賞との記載が。「この商品を作ってる牧場に行かない?」速攻で携帯でググり始める。これもまた旅のおもしろさ。興味に合わせてその場で行き先を決める。おいしいものを食べるためなら、一致団結。次の目的地は牧場だ。
◆道の駅 富士川楽座
住所:静岡県富士市岩淵1488-1
電話:0545-81-5555(9:00~17:00)
営業時間:9:00~20:00
定休日:なし
静岡は酪農王国だった
車は「COW RESORT IDEBOK(カウリゾートいでぼく)」へまっしくら。富士宮市に向かって進む。車窓の風景が変わってきた。目の前には牧草地が広がる。天気が良い日にはその向こうに富士山が見えるはずだ。ドライブには最高だよね。進むにつれ、たくさんの牧場の看板が立っているではないか。静岡は酪農が盛んなのか。そういえばスーパーでよく見る朝霧牛乳の産地はこの付近なのか。今度は自分の脳内グーグルでググって、状況を必死に理解する。特産品はお茶と海産物だけではなかったんだ。
牧場に到着。鮮やかに広がる緑を眺めながら、食べるピザが最高。生地に牛乳が使ってあるのか、しっとりしていてほんのり甘い。そして、このモッツァレラチーズは伸び方が違う。今まで食べたことのない歯ごたえ。噛めば噛むほどチーズの旨味が口に広がっていく。ここまで来てよかった。
◆COW RESORT IDEBOK
住所:静岡県富士宮市人穴728
電話:0544-52-3697
営業時間:10:00~17:00(土・日・祝日は18:00まで)
定休日:3月1日~11月30日無休/12月1日~2月28日水曜
おいしいものを食べると、もっと食べたくなる。「来る途中にチーズケーキの旗が立っていたよね。チーズケーキが食べたい」と、いでぼくから車で10分ほどでたどり着いたのは「まかいの牧場」。自然に恵まれた広い牧場で沢山の動物と触れ合える。動物のえさを握りしめ、動物小屋をめぐる。童心に戻って楽しめる牧場があるなんて、偶然の出会いも楽しい。もちろん、チーズケーキもナチュラルチーズもお土産に買い。ジェラートなどおいしい乳製品に舌鼓。
摂取したカロリーは広い牧場を歩いて消費せねば。広がる牧場の丘を登り、富士山の絶景ポイントに到着したが、富士山はどこだ。失意のまま、今夜の宿へ。
◆富士山麓朝霧高原 まかいの牧場
住所:静岡県富士宮市内野1327
電話:0544-54-0342
営業時間:通年9:30~17:00(閉園17:30)、10月21日~翌2月20日は~16:00(閉園16:30)
定休日:不定休、12月1日~翌3月20日は水・木曜、臨時休あり
ちょいとオシャレにドイツビール
客席から見える仕込み窯では、日本最大級の消費量を誇るビールを醸造しているのだそう
御殿場高原の宿にチェックイン後、レストラン「グランテーブル」で御殿場高原ビールやドイツビールを楽しむ。人気で待ちの列に並んだが、10分程度で店内に。ドイツを思わせる広いホールが広がり、日本のビアホールとは違う雰囲気だ。ソーセージやザワークラウトとビールは当たり前だが合う。六種のビールの飲み比べセットで好みのビールを探す。全員一致で黒ビールに決まり。ドイツビール独特のコクと苦みは癖になる。今日は良く歩きました。ほろ酔い気分で、最終日に突入。
◆グランテーブル
住所:静岡県御殿場市神山719
電話:0550-87-5500
営業時間:11:00~15:00(LO14:00)、17:30~21:00(LO20:00)季節、曜日により変動あり
定休日:なし
最終日に賭ける
息子いわく、穴場だ
今日は最終日、祝日で人出が多い。晴れた。富士山が見えるぞ。たが、本日は帰宅するので、絶景ポイントへ行く予定は無い。車の中から見える富士山だけでも興奮気味になる。御殿場アウトレットは11時前の時点で入場規制がかかっていた。土砂降りの中で行っておいてよかったと、心の中でほくそ笑む。
向かったのは、「東山旧岸邸」。竹林や日本の自然林が広がる5,600坪もの敷地に数寄屋建築のお屋敷が佇んでいて、日々の喧騒から離れてゆっくりできる。屋敷の主人であった岸信介元首相は、晩年、この風の音を聴きながら、激動の昭和と人生を振り返っていたのかも。敷地内には「とらや工房」があり、和菓子が作られていた。この風景の中でお茶と羊羹を楽しめたら最高と工房に向かうが、長蛇の列のため断念。リベンジを誓う。
◆東山旧岸邸
住所:静岡県御殿場市東山1082-1
電話:0550-83-0747
営業時間:4月~9月10:00~18:00、10月~3月10:00~17:00(入館は閉館時間の30分前まで)
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
姿が見えるだけで感動する山
霊峰富士を仰ぎながら、娘はアウトレットへのリベンジを誓う
御殿場からは新宿までのロマンスカーが便利。静岡に来たのだから富士山を撮らねばとカメラをもって絶景ポイントを探すが、ロマンスカーが出発する。時間切れ。と思いきや、ホームの一番後ろから見える富士山を発見。雲に隠れているが、ここで撮らないともうチャンスは無いと、必死でシャッターを切った。こんなに近くで富士山をみるのは初めて。「ばちくそ」大きい。さすが霊峰富士。姿が見えるだけで感動するのは日本人だからだろうか。
今回は天気や祝日の関係で再訪を誓うことも多かったが、酪農王国など、今まで気がつかなかった静岡の魅力に出会えた。
おまけ
遠くに見える富士山に大興奮
週末は外国人向け旅行ガイドを務めており、旅の翌日は元気いっぱいのアメリカ人のおばーちゃん9名様のガイドとなった。日本一周クルーズを楽しんだ後、東京観光が最後となるそうだ。聞けば、クルーズで静岡県清水港に寄港したが、雨で富士山が見られなかったとか。口々に「富士山が見える高いビルはないの」「このままではアメリカに帰れない」と9人に詰め寄られる。だったら予定を変更して都庁展望台へ。公開開始時間の9:30より前に到着したが、すでに列ができている。人ごみにもめげずに展望台に上ると、ガスはかかっているが、富士山が見えるではないか。おばーちゃん達は大喜びでシャッターを切っている。皆様のご希望で富士山とのツーショット写真を撮って差し上げた。
世界の人々をも魅了する富士山。さすが、世界遺産。オーバーツーリズムの問題や入山規制がニュースとなっているが、富士山とそれを望む町並みを守りながら、世界の人達にも富士山を楽しんもらえたら。個人としてできる事は少ないが、カメラに夢中になって車道出ないようにしないと。
◆この記事を書いたメンバー
ふみこさん(7期生)
山口県出身。神奈川県在住。 平日は会社員。週末は全国通訳案内士(英語)。東京を中心に外国人ゲストのガイドをしています。史子の名前のとおり歴史好き。料理、編み物、ウォーキング、カメラ、着物も好き。地元の方と交流できる旅を楽しみたいと思っています。












