人に惚れて街を好きになる! ツアーガイド・ふみこが築地場外市場のとっておきをご案内
週末は通訳案内士として東京を中心にガイドしている旅色LIKESライターのふみこが、愛してやまない築地場外市場。2月22日(土)に旅色LIKESメンバーをガイドだから知るディープで魅力あふれる築地にご案内。おいしくて楽しいだけでない、温かい人情にも触れる「出逢い旅」。人を知れば、街はもっとおもしろく見える、今回は築地の素敵な人々をご紹介。
目次
築地場外市場とは
築地場外市場は“東京の台所”と呼ばれる、おいしいものが集まる街。1935(昭和10)年に関東大震災で被害を受けた日本橋魚市場が移転し、90年以上の歴史がある。2018年に鮪などの競りが行われる場内市場(中央卸売市場)は豊洲に移転。場外市場は移転後もそのままで、人情味にあふれた昔ながらの雰囲気を残している。新鮮な食材を求め、プロや国内外の観光客等多くの人が訪れる。
新鮮な野菜とフルーツが店先に並ぶ「松澤商店」
築地四丁目の交差点を曲がってすぐにあるのは、1949(昭和24)年の創業の「松澤商店」。社長の目利きで選んだ新鮮な野菜とフルーツが並び、店先は色鮮やか。ここに来ると旬の野菜が一目でわかる。春になると店頭に並ぶ筍。三代目社長の奥さん・トモコさんが糠無しの水だけで煮てアクを抜いた水煮も購入できる。トモコさんによると、築地の良さはほとんどの食材が購入でき、プロの料理人から技を盗めるところだそう。
個人的なイチオシのトマトと白苺を購入。旅色LIKESメンバーも口に入れるとビックリするほど濃くて甘いトマトのおいしさに歓声をあげていた。食べ歩きができないので、築地魚河岸の3Fの屋上広場で味わおう。
昆布のことならなんでもおまかせ「吹田商店」
松澤商店のお向かいにある「吹田商店」は、店頭には各種の昆布がずらりと並ぶ昆布専門店。1892(明治25)年に大阪で創業し、関東大震災ののちに築地へ。4代目社長は小学校や店内で昆布教室を開催して食育や昆布の魅力を伝えている。築地の店舗では、店長のサイトウさんが、丁寧に昆布について教えてくれる。自宅で出汁をひくことが少なくなったが、こちらの日高昆布と鰹節を水に一晩浸けるレシピで、和食を楽しんでいる。こちらを訪れたなら絶対に外せないのが、「塩昆布」。ごはんのお供や、サラダに入れることで、和食特有の「うまみ」を楽しめる。
生鮪が食べられるナイショにしておきたいお店「伊勢友」
松澤商店のお隣にあるのが、その日の朝に豊洲で仕入れた新鮮な海鮮が並ぶ「伊勢友」。小さなお店なので素通りしていまいそう。1964(昭和39)年に築地市場で仲買として開業。2000(平成12)年10月より場外市場で小売店として営業しているプロ向けのお店。新鮮なお魚はもちろんのこと、おかあさん手作りの銀ダラ西京漬け、ちりめん山椒等も人気。吹田商店のサイトウさん曰く「ナイショにしておきたいお店でしょ。」おかあさんが細腕でお店を守っている。閉店時刻になると吹田商店さんから男性陣がやって来て力仕事をお手伝いされている。この風景を見るたびに、築地は本当に素敵な街だなあと思う。
今回は特別に用意してもらった長崎県産の生鮪をいただいた。もちろん冷凍無し。この三角ブロック一個で赤身と中トロが楽しめる。奥の台所でおかあさんが刺身に切り分けくれた。旅色LIKESメンバーは「今まで食べていた鮪は何だったんだ」と。こちらも食べ歩きはできないので、築地魚河岸の3Fの屋上広場でいただいた。
最高級A5ランクの和牛が店頭で味わえる「富士ハム商会」
すしざんまい本店の横の路地をはいると、最高級A5ランクの和牛や豚肉がショーケースに並ぶ「富士ハム商会」がある。現在の社長で二代目。戦前、朝鮮で一代目がハムを作っていた時からの屋号だそう。吹田商店の社長さんがこちらの焼き豚推し。地域の方からも愛されているお店。観光客向けのお店ではないのだが、1,500円のセットもしくは選んだお肉に焼き代300円で店先で焼いてくれる。外国人ゲストをお連れすると「こんなおいしい和牛を食べたことがない」と毎回大喜び。旅色LIKESも活気あふれる店先での和牛に舌鼓。和牛を焼いてくれるおばちゃんは隠れたグローバル人材で、日本語でチャキチャキと仕切って、コミュニケーションでも楽しませてくれる。「築地は活気があって楽しいでしょ。」と、築地の楽しさをお裾分けもいただける場所なのだ。
畑のお肉、豆ならおまかせ「山本商店」
創業75年の「山本商店」は、全国からのお豆を取り扱うお菓子屋さん、料理屋さんなどプロも御用達の店。個々の豆は学校給食にも使われているとか。店の前を通りかかるとお豆の試食を進められ、二代目店主のヤマモトさんが、煎り豆、甘納豆などを掌にのせてくれる。今まであまり食べたことのなかった煎り豆を、口に入れると自然な甘さが広がって、癖になる。「だまされたと思って、入り豆一握りと梅干いれたご飯炊いてみな」とレシピまで教えてくれたおかげで、豆を炊くようになった。今やあんこ、豆スープ、お正月の黒豆等、我が家の食卓にはホクホクした豆は欠かせない。「小さな豆から大きな健康。美容と健康にお豆」なのだそう。
ナッツ・ドライフルーツの試食ができる「田村商店」
東通りでは、素焼きナッツから、コーヒー等のフレーバーナッツ、ドライフルーツと次々と試食を勧められる。どれもおいしい。ここは代表のタムラさんが築地の海苔屋さんでバイトから始め、ナッツとドライフルーツに需要があると独立して始めたお店。今では店先に多くのお客さんがひしめいている。イチオシは渋皮つきカシューナッツ。インド人ゲストが、「カシューナッツはインド原産だけど、インドで買うよりおいしい。」と爆買いしていた。丁寧なローストが秘訣のようだ。日本人にも外国人にも試食を勧めるおねえさんもグローバル人材。この勢いも築地ならでは。
家族的な雰囲気が魅力の乾物屋「伊勢正」
東通りにある乾物屋の「伊勢正」は、1930(昭和5)年の創業。本枯節薄削りの鰹節は我が家の台所には欠かせない。吹田商店の昆布と合わせだしにするほか、野菜のおひたし、お好み焼きと出番が多い。四代目のミナコさんが店に立っているが、忙しいときはお子さんもお手伝いしている家族的なお店だ。ゲストと伺うと小学4年生のユブキちゃんがお世話をしてくれる。外国人には「イブ」に聞えるらしく、英語版ニックネームは「イブちゃん」。イブちゃんが五代目の有力候補とのこと。「都会のど真ん中にある昭和感漂う街。食材だけでなく、調味料、道具なども一級品が多く飽きませんよ。」とミナコさん。
店先では、ミナコさんが作る自家製だしのおでんが大人気。寒い日に外でたべるおでんは格別だ。旅色LIKESメンバーも大喜びでおでんを日本酒の出汁割で流し込んでいた。これぞ築地の楽しみ方。
台所道具ならここ「山野井商店」
西通りから路地に入ったところにある創業75年の道具屋「山野井商店」。プロも使う玉子焼き器やテレビの料理番組でも使われる「盆ざる」愛される商品が並ぶほか、宮内庁に園遊会用の竹串を収める伝統ある店。元美容師でツーブロックのサムライヘアをしている三代目店主のモックンが迎えてくれる。「道具が良いと料理がおいしくなる」というが、我が家の台所道具はほぼここで購入。玉子焼き器の取っ手がとれると修理までしてもらえるから長く使えるのもいいところ。
おわりに
ツアーを終え、お腹いっぱい、心もいっぱい、両手の買い物袋もいっぱいの旅色LIKESメンバーは、築地の魅力を満喫してくれた。築地は日本の食文化を100年以上支えてきた歴史を守り、時代の変化に対応しながら進化つづける街。おいしいものだけではなく、そこで働く人達も魅力的。そんな築地を多くの人に伝えるお手伝いができればと思う。












