小山八幡神社

東京都/品川区

小山八幡神社

コヤマハチマンジンジャ

品川の高台に佇み地域を見守り続ける社

東急電鉄西小山駅から徒歩約8分の場所に鎮まる「小山八幡神社」。創建年は不明だが、平安時代中期に当たる1030年（長元3年）頃に、当時の武将・源頼信がこの地に誉田別尊（ほんだわけのみこと）を奉斎したのが始まりとも伝わる。周辺の地名「小山」の由来である、街を見晴らすことができる標高約35mの高台に立ち、境内から望む景色は“しながわ百景”にも選ばれている。2024年（令和6年）に社殿の移築改修を行い、遷座祭を斎行。この地の氏神として、新たな社殿とともにこの先も地域を見守り続ける。

1030年（長元3年）頃に武将・源頼信が霊威を感得し、この地に誉田別尊（ほんだわけのみこと）を奉斎したと口伝で伝わる。
社地が古墳跡ともいわれる小高い丘の上にあることから「小山」と呼ばれ、それは付近の地名の由来にもなっている。
東京都品川区内でも特に標高が高い丘の上にあり、見晴らしも良いことから“しながわ百景”にも選ばれている。

宮司が語る！

宮司

もりた森田はじめ一

かつては東京都神社庁の青年部や東京都神道青年会に所属し、志を同じくする若手神職たちとともに活動を重ねた。現在も地域に根差した誠実な奉仕を続けている。

社から望む“しながわ百景”にも選ばれた眺望

神社が立つこの高台は品川区内でも特に標高が高く、古くから神の宿る場所として尊ばれてきました。「小山」という地名はこの地形に由来しています。社から望む景色は“しながわ百景”にも選ばれ、都心とは思えないほどの開放感と自然美にあふれています。
“荏原七福神”の大國天を祀る「甲子神社」

境内社の「甲子神社」では、五穀豊穣、商売繁盛、福徳円満をもたらす神・大國天をお祀りしており、新年には“荏原七福神”の一社として七福神めぐりをする参拝者でにぎわいます。境内には「稲荷社」もあり、人々の生活に寄り添う神として親しまれています。
地域の支えのもとで行われる伝統行事や年中行事

社で執り行う数々の伝統行事・年中行事は、古くから地域の人々に支えられ、今もなお大切に受け継がれています。9月には氏子が心をひとつにして盛り上がる「小山八幡神社例大祭（両社祭）」が開催され、神輿や山車が街を練り歩き、地域は活気に包まれます。

旅路に刻まれる和の印影

参拝者との縁を結ぶ、思いが込められた御朱印を頒布。神職の手による品格に満ちた筆文字が神社の厳かな雰囲気を感じさせる。“荏原七福神”の七福神めぐりに合わせた期間限定の御朱印も頒布している。

七五三
お宮参り
縁結び
縁切り
金運
商売繁盛
厄除け
無病息災
安産祈願
合格祈願
交通安全
子宝
芸能
恋愛成就
五穀豊穣
家内安全
学業成就
病気平穏

開催月	行事	時間
1月	どんと焼き成人の日開催
1月1日	歳旦祭
2月	節分祭節分の日開催
2月	稲荷神社例大祭（初午祭）二の午の日開催
5月15日	甲子神社例大祭（大國天祭）
6月28日	夏越の⼤祓（茅の輪くぐり）
9月	宵宮（氏子町会神輿連合宮入り）第1日曜日の前日開催
9月第1日曜日	小山八幡神社例大祭（小山両社祭）
11月23日	新穀感謝祭（新嘗祭）
12月28日	年越しの大祓式
12月31日	除夜祭

過去の物語を辿る

由来、由緒

歴史と信仰が息づく地域の心のよりどころ

創建年は不明だが、平安時代中期の武将・源頼信が1030年（長元3年）頃にこの地を訪れ、誉田別尊（ほんだわけのみこと）（第15代応神天皇の神格化された姿）を奉斎したことが起源であるという言い伝えが残り、鎌倉時代には旧荏原郡小山村の氏神として崇敬を集めていたとも伝わる。かつては妙見菩薩（みょうけんぼさつ）も合祀していたため“妙見八幡”、そしてこの地の旧名にちなみ“池の谷八幡”とも呼ばれたが、妙見菩薩は明治時代の神仏分離令により、道を挟み向かい側に位置する「摩耶寺」へと移された。社殿が立つこの地は標高約35mの小高い丘となっていることから「小山」と呼ばれ、その名前は付近の地名の由来にもなっている。社では一年を通してさまざまな祭礼や行事が執り行われ、信仰の場としてだけではなく、地域の結びつきを深める拠点としても愛され続けている。

社殿

心を癒やす木のぬくもりと格式を併せ持つ社

永い歴史のなかで幾度も修復・移築を繰り返しながら地域の信仰を支え続けた社殿は、2024年（令和6年）に、伝統的な技術を尊重しつつ現代の耐震性・機能性を取り入れた新たな姿に生まれ変わった。木造建築の技法を活かし、美しく繊細な彫刻が施された新たな社殿は、訪れる人々を木のぬくもりで包み込み心を和ませてくれるとともに、この地の守り神としての品格も感じられる。境内社として、“荏原七福神”の1柱である大國天を祀っている「甲子神社」と、祈りを捧げる人々が古くから絶えず訪れる「稲荷社」があり、主祭神の誉田別尊（ほんだわけのみこと）とともに地域を見守っている。東京都品川区でも特に見晴らしが良い標高約35mの高台に立つ社から見る、格式ある神社建築の美しさと自然、そして現代の街の繁栄を映す地域文化を象徴するその景色は、“しながわ百景”にも選ばれた。

街が熱気に包まれる「小山両社祭」

伝統と地域との絆を紡ぐ「小山両社祭」

毎年9月第1日曜日に斎行される、「小山八幡神社」の数々の伝統行事のなかでも特に重要な「小山両社祭」。品川区小山にあり、延宝・元禄年間（1673～1704年）に「小山八幡神社」から分祀されたと伝わる「三谷八幡神社」と合同で執り行われる。太鼓や笛の祭りばやしが響き渡り、氏子町会が有する7基の大神輿や山車が地域の隅々まで神の加護を届けるために練り歩く、街一帯が熱気に包まれる盛大な祭典だ。地域の氏子や崇敬者が一丸となり、地域の安全や豊作、氏子・崇敬者の健康と繁栄を祈願し、神への感謝を捧げるこの祭事は、神社と地域社会の結びつきを象徴する祭りでもあり、歴史や文化を未来へ受け継ぐ役割も果たしている。さまざまな奉納行事や伝統芸能も披露されるなど、地域住民だけでなく訪れる参拝者も一体となるこの華やかな祭りは、時代を超えて人々に愛され続ける。