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香川県|小豆島・直島・瀬戸内の島々

「直島新美術館」開館

「直島新美術館」開館

撮影:GION

「直島新美術館」開館

撮影:GION

「直島新美術館」開館

撮影:GION

発信日:2025年06月20日

2025年05月31日(土)

料金:オンライン購入(日にち指定)1,500円/窓口購入 1,700円

1980年代後半から直島を拠点に活動を開始したベネッセアートサイト直島は、自然・建築・アートの共生、地域との協働によるコミュニティの発展などを念頭に、複数の美術館やアート施設群を展開し、離島において世界的にも類をみない特別な場を形成してきました。35年を超える活動を経て新たに開館する直島新美術館は、集落のなかに位置し館名に初めて「直島」を冠した、安藤忠雄設計の10番目の施設*です。同館は、日本を含めたアジア地域のアーティストの作品を展示・収集し、一部展示替えや各種パブリック・プログラム等を通して、より多様な視点や表現、時代や社会に対する多義的なメッセージを発信するとともに、人々が繰り返し訪れ、島内外の多種多様な人々が出会う交流・連携の場となることも目指します。

開館を記念する展示が同日スタートし、日本、中国、韓国、インドネシア、タイ、インド、フィリピン、マレーシアなどアジア地域出身の12名/組のアーティストによる、この場所にあわせて構想されたサイト・スペシフィックな新作や代表作を公開します。

※ベネッセアートサイト直島における安藤忠雄建築のアート施設で10番目

[開館記念展示―原点から未来へ]

開館記念展示では、ベネッセアートサイト直島の初期から関わりのあった作家や、2016年以降ベネッセ賞をヴェネツィアからアジアへ移行したことをきっかけに関係性を築いてきた作家、さらには近年の現地調査で出会った作家等12名/組による、代表作やこの場所にあわせて構想された新作が、地下2階、地上1階の複数のギャラリー空間やカフェ空間等に展示されます。

アートが内包する私たちの生きる時代や社会・環境への鋭い眼差しや問いかけを通して、真に「よく生きる」について考察すること――直島から始まった活動の原点にあるこの思いを改めて確認し、アジアのアーティストたちの作品が放つ様々なメッセージが、未来への希望の手紙となることを願います。

会期:2025年5月31日~(一部は2026年2月以降に展示替え予定)

■展示作品について

ギャラリー1

マルタ・アティエンサ:自身が拠点とするフィリピン・バンタヤン島に取材した映像作品です。経済発展の名目のもと観光産業に左右されてきた島の歴史を踏まえ、抑圧的システムに対抗する上で土地に根ざした記憶の継承が重要との考えから、映像を通して島の文化を伝えています。

ヘリ・ドノ:海、山、森などの自然風景のなかに作家がこれまで制作してきた彫刻、インスタレーション、パフォーマンスの要素が組み込まれ、数十年にわたる画業とその背景にあるインドネシアの近現代史等が反映された10枚組絵画大作などを展示しています。また、天井から吊るされた、魚雷を抱えた天使像は、自国において言論の自由が制限されていた時代に言及しつつ、未来の構築のために夢見る自由、想像する自由の大切さをあらためて唱えています。

ヘリ・ドノ&インディゲリラ(合作):いかにアートが異なる考えをもつ人々を繋ぎ、調和をもたらすことができるかを強く訴える作品です。ジャワの伝統的な皮革製の人形劇やカートゥーンといったモチーフを組み合わせ、多様性の美しさや人類の繁栄についての思索を促します。7点の作品には、自然への敬意、共生や協働などに関するメッセージが込められています。

パナパン・ヨドマニー:第11回ベネッセ賞を受賞した本作は、仏教的な宇宙観と近代科学、日常との関係から、変化や開発、進展、破壊といった意味について考察を試みる巨大な壁画・彫刻インスタレーションです。

ギャラリー2

ソ・ドホ《Hub/s 直島、ソウル、ニューヨーク、ホーシャム、ロンドン、ベルリン》2025年 撮影:来田猛

ソ・ドホ:「Hub」シリーズは、ソウルやニューヨーク、ロンドンなど作家自身が暮らしてきた家の玄関や廊下などを布で再現したソ・ドホの代表的作品。同館のための作品構想の過程で訪れた直島の民家の廊下部分を新たに加えた8連作は、本シリーズの長期展示としては最大級のものとなる。人生にはいろいろな通過点があることを悟った作家自身の経験に基づく私観的な作品であり、鑑賞者はその中を移動することで、国内外の人が行き交う直島での経験や自分自身の記憶を振り返りながら、その構造物にそれぞれの意味を見出すだろう。

ギャラリー3

Chim↑Pom from Smappa!Group:「Sukurappu ando Birudo プロジェクト」(2016〜)の一環で、東京・高円寺キタコレビルに制作された《道》。ビルの解体を見据えた移設構想のもと、「輸送中」の状態を展示します。アスファルトや路盤材に用いた建築廃材――戦後期や1964年の東京オリンピックに象徴される高度経済成長期、バブル期のもの――が時間の層を成し、タイムカプセルのように収められた輸送コンテナや、移設計画の青写真等を通して、「作って壊された」ものたちの「スクラップ」から自らの手で未来を「ビルド」することの可能性を示唆しています。

村上隆:近世京都の名所や市井の暮らしを俯瞰で描いた屏風絵 岩佐又兵衛筆《洛中洛外図屛風・舟木本》(17世紀、国宝)を参照した13メートルの大作です。2024年、京都での個展における初披露を経て、さらに手が加えられました。生活の様子が緻密に描かれた画面上では、2,700人もの人々に加えて、DOB君やカイカイとキキら村上隆のキャラクターたちも京都の街を闊歩しています。華々しい都市とそこを満たすドクロの金雲は、賑やかな都人の裏側にあった戦の動乱や様々な災害などを想起させ、生と死、明と暗が隣り合って存在しているという現代にも通じる普遍的なメッセージを発しています。

会田誠:2008年より様々なかたちで展開しているシリーズ「MONUMENT FOR NOTHING」の最新作です。「日本という国がどのように変質したか/しつつあるか」というテーマのもと、1990年代から現在までの約30年間を中心とした過去の日本における、メディアによる膨大なイメージの記憶を辿るかのごとく巨大な彫刻モニュメントを作り出しました。忘却に抗い、回想するための装置のようでもあり、「なんらかのあり方による再生への希望」を投影したものでもあるといいます。

ギャラリー4

蔡國強:2006年、ベルリン・グッゲンハイムでの個展のために制作された、99体の精巧な狼の群れが全力で走り、ためらうことなくガラスの壁にぶつかる大型のインスタレーション《ヘッド・オン》を中心とした展示です。ベルリンの壁と同じ高さのガラス壁は人と人、異なる集団の間に存在する、見えないが確かにあるイデオロギーや文化の隔たりを象徴し、壁にぶつかり続ける狼の姿は、人類が特定の集団意識に過度に従属し、過ちを何度も繰り返してきた運命を思わせます。このような変動の時代において、本作はあらためて鋭く問いを投げかけます。

エントランス

瀬戸内海地域の景観、風土、民俗、歴史などの調査、収集、展示を通してアーカイブ空間を創出する、下道基行が展開する「瀬戸内「   」資料館」プロジェクト(2019~、直島・宮ノ浦)のサテライト展示です。2024年、「直島における人々の出入り=“流動性”」に着目し、ジェフリー・リムとともに直島諸島の漂着物からボックスカメラを手づくりし、直島の風景の中で撮影した直島町民の家族写真と、会期中に撮影された町民らの写真を改めて紹介しています。

多目的カフェスペース「&CAFE」

N・S・ハルシャ《幸せな結婚生活》2025年 撮影:来田猛

N・S・ハルシャ:屋外と屋内、島内外の様々な人びとが交流する開放的なカフェ空間にあわせて、幸福感のある場所を作り出すべく、人間が生きる上で重要な、内側に目を向ける「内観」と外側に目を向ける「外観」の2つのビジョンの融合を結婚式に見立て、色彩豊かな絵画のコラージュを構想しました。3面の壁には、それぞれ「結婚式」「調理」「食事」の様子が描かれており、インコはその模倣能力から、人間が自然を模倣し、自然から学んできたことを示すメタファーとして人と自然の関係の考察を促します。

屋外

サニタス・プラディッタスニー(2026年完成予定/完成に先んじて瞑想ワークショップを実施):島内に点在する「直島八十八箇所」に敬意を抱き、禅の公案である「隻手の声―片手で鳴らす音を心耳をもって聞く」という経験を通じてのみ理解できるマインドフルネスの状態から着想した、瞑想体験に誘うストゥーパ(仏塔)を中心とする展示を美術館屋外で展開予定です。完成に先んじて、仮設のパヴィリオンが現れ、折々に瞑想ワークショップを実施します。

■展示のみどころ

1. アジア地域出身の著名アーティストから新進気鋭による、代表作やその場所にあわせた新作

蔡國強や村上隆、ヘリ・ドノ、ソ・ドホ、マルタ・アティエンサなど、著名アーティストから新進気鋭のアーティストまで、世界で活躍する幅広いアーティストたちによる絵画、彫刻、映像、インスタレーションといった多様な作品で構成されます。ベネッセアートサイト直島を牽引してきた名誉理事長の福武總一郎が未来のために伝えたいメッセージを体現する作品群として厳選した作家の代表作と、この場所にあわせて新たに制作されたコミッション作品を中心にご覧いただきます。

2. 直島のくらしと響き合う、サイト・スペシフィックな新作など

自身が暮らしてきた居住空間を模った作品に直島の民家の廊下部分を新たに加えたソ・ドホの代表作「Hub」シリーズや、島内外の様々な人びとが交流する場所としての多目的なカフェ空間にあわせてN・S・ハルシャが描いた異なる視点の融合、人と自然との関係を示唆する幸福感に満ちた絵画インスタレーションだけでなく、マルタ・アティエンサが拠点とするフィリピンの島の文化を伝える映像や下道基行 + ジェフリー・リムによる島民の写真などを通して、島の営みやリズムと共鳴する展示を体感いただきます。

3. 安藤建築と呼応する、メガスケールの代表作品

本展示では、インドネシアを代表するヘリ・ドノの数十年にわたる画業が反映された10枚組の大型絵画など、作家の代表作を新しい安藤建築の空間でご覧いただきます。46万人が来場した2024年の村上隆の京都での個展で初公開された13メートルの大作《洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip》は、新たにキャラクターや金箔などが加えられました。また、2006年にベルリンで発表されて以降、グッゲンハイム美術館など世界各地の主要美術館で展示され大きな話題となった蔡國強の代表作のひとつ《ヘッド・オン》は大空間で展示されます。

[直島新美術館の建築について]

撮影:GION

建築は、1992年開館のベネッセハウス ミュージアム以降、30年以上にわたり直島の数々の建物を手掛けてきた安藤忠雄氏が設計を担当しました。丘の稜線をゆるやかにつなぐような大きな屋根が特徴的な建物は地下2階、地上1階建てです。トップライトから自然光が入る階段室は地上から地下まで直線状に続いており、階段の両側に4つのギャラリーが配置されています。地上フロアの北側にはカフェを併設し、瀬戸内海を臨むテラスから、豊島や行き交う漁船など、瀬戸内海らしい景観を眺めることができます。

撮影:GION

直島の集落内に初めてできる美術館建築のため、外観は本村の集落の景観になじむよう、焼杉のイメージに合わせた黒漆喰の外壁や本村の民家から着想を得た小石が積まれた塀などが特徴的で、美術館までのアプローチや建築からも直島の歴史や人々の営みと体験が緩やかに繋がるようデザインされています。

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INFOMATION

「直島新美術館」開館

住所
香川県⾹川郡直島町3299-73
公式HP
https://benesse-artsite.jp/art/nnmoa.html
営業時間
10:00~16:30(最終入館16:00)
定休日
月曜日(ただし、祝日の場合開館、翌日休館) ※不定休あり。ベネッセアートサイト直島ウェブサイト開館カレンダーにて随時更新
料金
オンライン購入(日にち指定)1,500円/窓口購入 1,700円 15歳以下無料
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