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大阪府|キタ
発信日:2024年10月15日
2024年11月02日(土)〜2025年01月26日(日)
入場料:一般1,200円
テーマは「古くて新しい線」
国立国際美術館では、特別展「線表現の可能性」を2024年11月2日から2025年1月26日まで開催いたします。
本展覧会は、当館の所蔵品の中から版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点を選び、現代美術における線表現の多様性を紹介します。日頃、意識することの少ない線という存在が、私たちの視覚にどのような作用を及ぼすのか、その興味深い検証の場となることでしょう。また、ギャラリー・トーク等開催予定。詳細は決まり次第、当館ウェブサイト等でお知らせします。
一枚の絵は一本の線を引くことから始まります。線にはいろいろな種類があります。直線、曲線、点線、波線。描く材料によっても線の表情はさまざまに変化します。鉛筆やペンが生み出す細く尖った線。木炭やチョークの太く軟らかい線。また、伝統的な東洋画では線に作者の人格が表れ出るものとされてきました。
線描画は、かつては完成作のための習作や下絵として描かれ、対象の形態を明確に輪郭づけるためのデッサンとしての役割を担ってきました。線は世の中のあらゆる存在を分節化し描き分けることで、各々を意味の世界へと定着させるための手段でした。その際、現実には存在しない輪郭線という抽象的な概念が絵画の基盤となりました。
一方、近代に入ると、線表現そのものに独立した価値が見いだされ、20世紀以降に誕生した抽象絵画では、線そのものが有している造形性に注目が集まるようになっていきます。画家たちは新しい線の創出を目指し、線はかつてない多様な表情と表現性を具えていったのです。こうして、線は絵画の原点であると同時に、今なおその表現領域を拡大し続ける、古くて新しいテーマとなっていきました。
本展の見どころ
不動茂弥《形影の狭間(7)》1981年頃 アクリル、転写シール、カンバス 国立国際美術館蔵
油彩画、版画、素描、写真、彫刻など、幅広いジャンルの作品を集め、それぞれにおける線表現の特徴を比較しながら分かりやすく紹介します。
線の用い方を、その性質ごとに4つの章に分けて紹介することで、絵画における線の役割とその可能性について検証します。
4つの章に加えて、最後に「2020年代の物故作家」のコーナーを設けました。近年亡くなった国内外の作家たちの作品を通して、20世紀から21世紀へとかかる現代美術の歩みを紹介します。
福岡道雄《ピーチ・ハウス》1974 年 黒色強化ポリエステル、木 国立国際美術館蔵
2020年代の物故作家
岡崎和郎、菊畑茂久馬、桑山忠明、佐野ぬい、嶋田しづ、竹﨑和征、谷川晃一、奈良原一高、野見山暁治、野村仁、福岡道雄、舟越桂、三島喜美代、イリヤ・カバコフ、クリスチャン・ボルタンスキー、クリスト、スーザン・ローゼンバーグ、パナマレンコ、フランク・ステラ、リチャード・セラ
展示構成
第1章 線の動き、またはその痕跡
線とは、まず一番に、画家たちが用いた筆やペンの動きの痕跡ととらえることができます。本章では、画家たちが線を引く時の手の動きに注目し、その豊かで多様な線の表情を紹介します。太い線、細い線、力強い線、繊細な線。
画家たちがどのように手を動かし、これら多彩な線を描き出したのかを想像することによって作品制作のプロセスを追体験していきます。
出品作家:木村忠太、津高和一、中原浩大、正延正俊、李禹煥、ヴォルフガング・ティルマンス、エミリー・カーメ・ウングワレー、サイ・トゥオンブリ―、ピエロ・マンゾーニ
木村忠太《南仏の六月》1980年 油彩、カンバス 国立国際美術館蔵
第2章 物語る線たち
線画は、かつては完成作のための習作や下絵として描かれ、対象の形を明確に区分するためのデッサンとしての役割を担ってきました。線は、世の中のあらゆる存在を分節化し、各々を意味の世界へと定着させるための手段でした。その際、現実にはない輪郭線という存在が絵画の基盤となったのです。この章では、そうした線たちが物語るイメージの世界を見ていきます。
出品作家:池田龍雄、池田満寿夫、瑛九、須藤由希子、浜口陽三、不動茂弥、町田久美、南桂子、山本容子、ジョナサン・ボロフスキー
須藤由希子《家と駐車場》2007年 油彩、鉛筆、石膏、カンバス 国立国際美術館蔵
第3章 直線による構成
直線は、人がフリーハンドで描く線とは異なり、数学的、幾何学的な性格を持った特殊な線といえるでしょう。絵画においては、昔から建物の輪郭や遠近法に多く用いられてきましたが、20世紀に入ると、立体主義など新しい抽象絵画の構成要素として頻出するようになってきました。本章でも、そうした抽象表現を中心とする直線によって構成された作品を紹介します。
出品作家:荒川修作、狗巻賢二、沢井曜子、高柳恵里、辰野登恵子、中村一美、山田正亮、アグネス・マーチン、ゲルハルト・リヒター、ブライス・マーデン、ベルナール・フリズ
中村一美《オレンジ・プレート》1986年 油彩、カンバス 国立国際美術館蔵
第4章 線と立体
二次元上の線は三次元へと展開することによって立体的な構成へと変化していきます。立体作品を手掛ける彫刻家も、しばしば、その制作段階において線によるエスキース(下絵)を描きます。この二種類の作品の関係性を見ることは、彫刻の成り立ちを考えるうえで大変興味深いことです。ここでは、三人の彫刻家の平面と立体の仕事を対比的に紹介しながら、もうひとつの線表現の可能性を考えてみましょう。
出品作家:植松奎二、宮﨑豊治、湯原和夫
宮﨑豊治《Seeing…》1981年 鉛筆、インク、紙 国立国際美術館蔵
出品作家(変更となる場合があります)
木村忠太、津高和一、中原浩大、正延正俊、李禹煥、ヴォルフガング・ティルマンス、エミリー・カーメ・ウングワレー、サイ・トゥオンブリ―、ピエロ・マンゾーニ、池田龍雄、池田満寿夫、瑛九、須藤由希子、浜口陽三、不動茂弥、町田久美、南桂子、山本容子、ジョナサン・ボロフスキー、荒川修作、狗巻賢二、沢井曜子、高柳恵里、辰野登恵子、中村一美、山田正亮、アグネス・マーチン、ゲルハルト・リヒター、ブライス・マーデン、ベルナール・フリズ、植松奎二、宮﨑豊治、湯原和夫、岡崎和郎、菊畑茂久馬、桑山忠明、佐野ぬい、嶋田しづ、竹﨑和征、谷川晃一、奈良原一高、野見山暁治、野村仁、福岡道雄、舟越桂、三島喜美代、イリヤ・カバコフ、クリスチャン・ボルタンスキー、クリスト、スーザン・ローゼンバーグ、パナマレンコ、フランク・ステラ、リチャード・セラ
特別展「線表現の可能性」【国立国際美術館】
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