2023/10/16
白蛇が祀られている神社をご存じですか? 最近、「旅色」で神社を取り上げることが増えているのですが、なかでもひと際目を引くのが「蛇窪神社」。日によっては可愛らしい白蛇を目にすることができるなど、一風変わった新しい神社かと思いきや、創建は鎌倉時代で700年ほどの歴史がある古社。一体どんな神社なのか……、今回はそんな気になる蛇窪神社をを取材 してきたのでご紹介します。
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東京都品川区旧蛇窪村に鎮座する、歴史ある神社。1322年に地域一帯が大干ばつに襲われた際、古池のほとりにある「龍神社」に雨乞いをしたところ、大雨が降り災難を免れたと伝わっています。その際に感謝し、神社を勧請したのが始まりです。
神社の伝承を読むと、鎌倉時代にはすでに、白蛇が社殿横の洗い場に住んでいたそうです。ところが洗い場がなくなり、住処をなくしてしまった白蛇は、やむなく神社からほど近い現在の「戸越公園」の池に移り住みました。一旦はそこに移り住んだものの、白蛇は土地の有力者の夢枕に現れて、元の場所に、戻してほしいと懇願。それを聞いた宮司が慌てて池を掘り、「辨財天(べんざいてん)社」を建立して白蛇を迎え入れたとされています。
山口県岩国市、群馬県沼田市老神温泉と並び、「白蛇日本三大聖地」として知られる蛇窪神社。それぞれの地域ではお祭りやイベントが開かれるほど、白蛇は大切にされています。2023年9月には第6回目となる「しろへびサミット」も開催され、多くの方が訪れました。また、蛇窪神社では白蛇大神と蛇窪龍神が一緒に祀られているのですが、これは全国でもめずらしいそうです。「巳が龍(身が立つ)=立身出世の願いを叶える」と地元をはじめ全国各地から多くの参拝者が訪れます。
宮司さん白蛇情報!
実は白蛇は、ナミヘビ科のアオダイショウの突然変異! 岩国の白蛇は国の天然記念物にも指定されていますが、通常は白蛇同士では繁殖しないそうです。岩国の白蛇は世界でも類を見ない事例なのだとか。
ここでようやく参拝した模様をお伝えしようと思います。現地では、参拝前に、いきなり出鼻をくじかれました。まずは本殿でお願いごとを、と思ったのですが、「それはしない方がいいですよ。」と宮司さん。境内にいくつか参拝箇所がある神社では、それぞれ神様ごとに特徴があり、その特徴にあったお願いごとをするほうが良いそうです。そのため本殿ではまず自分の名前やどこから来たのかなどの自己紹介に留めたほうが良いとのこと。恥ずかしながら知らなかったので、良い勉強になりました。
見どころが満載の蛇窪神社ですが、今回は7つに絞ってご紹介します。まずは手水舎ですが、とにかくインスタ映え。四季折々の美しい花々が水に浮かんでいて、その光景を眺めるだけで、すでに心は癒やされてしまいました。
蛇窪神社の公式Instagramでも、素敵な写真を見ることができます。
蛇窪神社 公式Instagramはコチラ
蛇窪神社創建前の神社で、1000年以上の歴史があると伝えられ、蛇窪の守護神と称えられています。 7匹の白蛇と全長8mの白龍は、神様の使いである白蛇が8匹目で白龍になるという言い伝えを表しています。
また、金運アップが期待できる「銭回しと銭洗い」のスポットもあります。清めた白蛇種銭はお財布にいれ、自身の種銭は自宅に保管すると良いそうです。また「銭つなぎ」というお礼参りの際には、再び白蛇種銭を持参して納め棒につなぎ、新たな目標を祈願すると良いとされています。
こちらもインスタ映えスポット。111本の赤い提灯が吊るされた様子は煌びやかで、思わず写真を撮りたくなってしまうはず。700年前の雨乞い断食祈願が成就した証として建てられたそうです。
こちらでは、台の上に置かれている石をまず持ち上げ、重さを体感した後にお願いごとをします。その後にもう一度持ち上げて、1回目のときより重さを軽く感じると願いが早く叶えられ、重く感じるようであれば、まだ時間はかかり努力が必用とのこと。ちなみに私は重く感じました。まだまだ願いが叶うには時間がかりそうです。
お次は「運玉投げ」です。3回投げることができ、まさに運試し。満願岩の穴の中を狙います。石同士なので、ぶつかると跳ねてしまって、これがとても難しい。今回は見事、3投目で入りました! いいことありそう。
最後は愚痴壺です。名称の通りで、想像しやすいですよね。積もり積もった愚痴を壺の中に吐き出してみましょう。気持ちがすっきりしますよ。
すぐ隣には福活岩・親子岩があり、こちらにも、とても興味深い仕掛けが。そこには鏡が設置されているのですが、目の前に立つと顔ではなく自身の足元が映されます。これは足元をすくわれないように気を付けてという注意喚起だそう。意味をしっかりと理解すると、とても考えさせられるものばかりです。
絵馬には旅色のことを書いて願ってみました。なんて愛社精神が強いのでしょう。おみくじは中吉。微妙ですね。こういうとき一番引いてはいけないものをひいて、この表情です。絵馬はとても可愛らしいデザイン。
近年では「御朱印めぐり」という言葉もすっかり定着し、全国でさまざまな御朱印を受けることができます。今はカラフルなのもたくさんありますが、そんなカラフルな御朱印を最初に始めたのは蛇窪神社だといわれています。宮司さんにお話を伺うと、それまでは神社名と朱印だけだったが、当社の由緒を表現しようと考えたら自然とカラフルなものになった、とのこと。当時は同業の方々からかなり批判を受けたと笑って話してくださったのが印象的でした。
令和5年10月:2日(月)、14日(土)、26日(木)
令和5年11月:7日(火)、19日(日)
令和5年12月:1日(金)、13日(水)、25日(月)
令和6年1月:6日(土)、18日(木)、30日(火)
令和6年2月:11日(日)、23日(金・祝)
令和6年3月:6日(水)、18日(月)、30日(土)
参拝に特におすすめなのが、「巳の日(みのひ)」と「己巳(つちのとみ)の日」。巳の日は干支暦のうち、金運・財運が上がる日とされ、12日に一度やってきます。さらに60日に一度、巳の日よりさらに金運が上がるのが己巳の日です。これらの日はそれぞれ特別祈願があり、特に己巳の日には多くの参拝客でにぎわいます。金運アップを狙って訪れてみてはいかがでしょうか?
中延(なかのぶ)駅や西大井駅、戸越公園駅など、さまざまな路線からアクセスの良い蛇窪神社ですが、おすすめは戸越公園駅(旧蛇窪駅)。駅からすぐの「戸越公園」は「白蛇様の戻り道」と名付けられ、開運参拝コースとして親しまれています。
道中には商店街があり、白蛇に関連するお土産が販売されていて楽しめます。
神社には可愛らしいマップも用意もされているので、手に取って歩いてみてください。
ここまで、蛇窪神社の魅力をたっぷりご紹介しました。どこか毛嫌いされるような風潮がある蛇ですが、古くからアオダイショウの蛇は家の屋根裏や米蔵に住みつき、ネズミなどを駆除して、結果的に財を守るとされてきました。また、夢に白蛇が現れると吉兆が訪れるともいわれ、こういった言い伝えにより、白蛇は財運の象徴となったとされています。本来は蛇と人間の相性は良いものだと、さまざまな観点から宮司さんにお話いただけたことで、参拝前と後では蛇に対する印象がずいぶん変わりました。白蛇を祀っている神社は全国的に珍しいですが、蛇窪神社は都内で参拝できる神社。ぜひ休日やお仕事の合間などに、気軽に訪れてみてください。
今回訪れた神社はこちら
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