「未来の都市」パビリオンってなに? 大阪・関西万博で未来を垣間見た!
おおとしおおとし

大阪府

2025/04/25

「未来の都市」パビリオンってなに? 大阪・関西万博で未来を垣間見た!

いよいよ大阪・関西万博が開幕しました。まだまだ情報が少ないなか、今回の万博のテーマが「いのち輝く未来社会のデザイン」ということもあり、旅色編集部が開幕前に行われた「未来の都市」パビリオンの完成記念式典・発表会で一足先に“未来”を体験してきた様子をレポートします。「未来の都市」パビリオンは、15のアトラクションにより未来体験ができるパビリオンです。その見どころやおすすめポイントをご紹介します。

外観がもう未来! 会場内で最大規模のパビリオンは見る角度で変わる!?

「未来の都市」パビリオンは、全長約150m、幅約33mの巨大な真っ白な建物。その規模は今回の万博のなかでも最大規模です。壁面は折り紙のように立体的なデザインで、見る角度によって表情が変わるのも面白いポイント。夜になるとパビリオン全体が光るそうです。入る前から「中はどうなってるんだろう」「どんな体験ができるのかな」とドキドキを盛り上げてくれます。

時代の移り変わりを感じる迫力満点のテーマ展示

建物の中は大きく3つのエリアに分かれており、進むごとに未来の世界へと引き込まれるストーリー仕立てになっています。入口では、地球の誕生から、AIやIoTといった先端技術を活用する「Society 5.0」による幸せな社会へと向かう歴史を、タイムラプスで描いています。
大きなスクリーンと迫力ある映像でストーリーに没入できるので、学生時代に勉強したことを思い出しながら「こんな時代があったんだなぁ」と楽しめました。歴史好きな人にはたまらない展示です。

ちなみに、Society5.0の「未来 -幸せの都市へ。-」の展示の前に立つと、カメラのセンサーが反応して、自分の姿が大型モニターにリアルタイムで映し出される仕掛けも。自分がSociety5.0の「未来」の世界に溶け込んでいく、ちょっとしたバーチャル体験が味わえますよ。シャッターチャンスをお見逃しなく!

2035年の未来が覗けるキューブ

続いては、“2035年の世界”へ。4つのキューブ型スクリーンが並び、それぞれが「暮らし」「移動」「医療」の進化を体感できる未来都市を映し出します。あるキューブでは自宅で医師の診察を受ける様子、別のキューブではドライバー不要の交通システムが稼働し、人々が気軽に移動する様子を人間が当たり前にAIやロボットと共存する、10年後の未来を体感できます。

展示を眺めていると、映像のなかから「2025年の人々ですね」と突然未来の住人に話しかけられる演出も。アニメや映画の世界に入り込んだような感覚でした。見る角度によって、映像が3Dでふわっと浮かび上がる不思議さも相まって没入感があります。

“体験してこそ”の参加型コンテンツ

さらに奥には、KDDIと日立製作所による共同展示があります。「未来は自分たちで変えられる」をテーマに、参加者が2035年の未来を覗き、未来で起きる課題解決に取り組みます。アトラクションは2つ。

120人が一度に入場できるシアター型の「Mirai Theater(ミライシアター)」では、端末を操作してナビゲーターと一緒に未来の課題に挑戦。選択した解決策によって、そのあとに現れる未来の物語が変わります。

最大3人でプレイできる「Mirai Arcade(ミライアーケード)」は、巨大タッチパネルに出てくる“ミライボール”を投げて未来を動かす、シューティングゲームのようなスタイル。全身を使い、思わず没頭していました。子どもだけでなく、大人も夢中になれる“体験型スポット”です。

未来の暮らしを間近に! 体験したからこそおすすめしたい展示4選

最後は、12者の企業・団体が最新の技術を駆使した“未来の体験”。暮らしに欠かせない「交通・モビリティ」「環境・エネルギー」「ものづくり・まちづくり」「食と農」の4つのカテゴリに分け、10のアトラクションが用意されています。すべて体験したうえで、おすすめの“未来”を4つご紹介します。

未来1:乗り継ぎが一切不要な公共交通システム

川崎重工業グループが手掛けた、次世代モビリティ。利用者は出発地に迎えに来たキャビンに乗り込むだけ。キャビンが各モビリティを自動で乗り継ぎ、目的地までたどり着けるという、未来の公共交通システム「ALICE SYSTEM(アリスシステム)」です。

人間の遺伝子の中には移動することによって幸せを感じる「移動本能」というのがあるそうで、その本能を満たすことを目的とした展示とのこと。新幹線のような流線型のデザインとフォルム。近未来的な雰囲気をまとっているのが印象的でした。

気になる内部は、向かい合って座れる4名用のボックスシート。新幹線の座席よりも広めで、高級感が漂います。ふかふかのシートは座り心地抜群で、長時間の移動も快適に過ごせそう。

座席の横には、水を注いでくれるアーム型ロボットや、移動をサポートしてくれるロボットも。1人での移動や乗り継ぎが難しい方でも、一度乗ってしまえば手軽に移動できます。移動することのハードルを下げて行動範囲を広げる。まさに“次世代の乗り物”です。

未来2:街路灯・防犯カメラ、Wifi、スマホ充電……一台何役!? 未来の電柱

関西電力送配電株式会社の展示では、通信基地局や街路灯、防犯カメラなどを兼ね備えた多機能な未来の電柱「スマートポール」が支える未来をARで体験できます。

スマートポールに支えられた未来の暮らしはAR(拡張現実)に用意された、「モビリティ」「アドベンチャー」「テーマパーク」に分かれた3つの島。それを体験する自分のアバターを作ります。顔のパーツや髪型などを選びアバターを作成したら、3つの島が描かれたパネルの前へ。

「モビリティ」の島の前に立ってタブレットをかざすと、自分のアバターが出現し、島を散策します。散策した後は、スマートポールの機能を動画で視聴できます。災害時の案内、迷子の呼びかけ、観光地の混雑情報など、便利な機能が満載のスマートポール。街づくりに欠かせないであろう次世代型プラットフォームの登場に胸が高鳴ります。

作成したアバターは記念にダウンロードできるといった、来場者ならではの特典も。より便利になった最先端な未来の街を体験してください。

未来3:ごみをエネルギーに変える「In the world tree」

提供:2025年日本国際博覧会協会

カナデビア株式会社の展示コンセプトは「世界樹 In the world tree」。廃棄物を活用した未来の技術・仕組みを学べる展示です。人と地球とテクノロジー、それらをつないで融合させる「世界樹(world tree)」をシンボルに、資源循環の技術を体験できます。

世界樹の幹には、4つのミラーサイネージによる体験装置(E-motion device)が設置され、体を動かすことで、それぞれのストーリーを体験できます。例えば、資源ごみを活用して車や街を動かしたり、ゴミ箱を入れ替えながら正しく分別したり、紙ごみを使って飛行機を飛ばしたり。体全身を使って、IoTやAIと資源循環・脱炭素技術の融合をゲーム感覚で楽しめます。

体験を通じて気づいたのは、普段なんとなく分別しているごみが、実はエネルギーや新たな資源へと生まれ変わっているということ。その仕組みを知ることで、日常の小さな行動が未来の環境に大きく関わるのだと実感しました。

最後には自撮りタイムがあるので、体験の結果を記録に残せちゃいます。子どもは遊びながら学び、大人も改めて「暮らしの中の資源」に意識を向けるきっかけになる展示でした。

未来4:風の力で巨大な商船を動かす新たな海上輸送

商船三井は、風の力を使いながら環境への負荷が少ない、グリーン水素を作り運搬する次世代船「ウインドハンター」が活躍する未来世界の体験を提供。

長さ約4m、高さ約3mの「ウインドハンター」の模型に向かって、来場者がうちわで風を起こすとシミュレーション航海がスタート。帆が回転したり、縮小したり、その風を使って航行する様子や水素を製造・供給していく仕組みを、大型スクリーンの映像とともに学べます。

実際に体験してみると、巨大な帆のある模型のスケールは圧巻。うちわを持つ手にも自然と力が入り、気づけば真剣モードに。体験は最大6名で協力して楽しめるため、最後には自然と一体感も生まれます。

また、体験しながら学ぶことで、理科に苦手意識のあるザ・文系な私でも、洋上風力でグリーン水素をつくって運ぶ「ウインドハンター」のすごさを身を持って体感。このパビリオンに参加しなければ、水素について学び、未来の海運業について考えることもなかったのではと思います。多くの可能性を秘めた壮大な世界を、ぜひ実際に目で見て、体験してみてください。

Society5.0を体験して感じた、“リアルな未来”

「未来の都市」パビリオンは、子どもの頃に思い描いていたような「未来の世界」が、少しずつ現実に近づいていることを体感できる場所でした。特に印象的だったのは、パビリオンに参画している企業の方々が楽しそうに未来を語る姿。熱量の高さに感銘を受けると同時に、「自分はこれからの未来にどう関わっていくのか」と考えさせられる貴重な機会にもなりました。

未来を創るのは特別な誰かではなく、私たち一人ひとりであるということに気づける「未来の都市」パビリオン。「Society5.0」の世界観に触れにぜひ足を運んでみてください。

さらに大阪・関西万博を知りたい方はこちらへ

「未来の都市」パビリオンの様子を動画でチェック!

旅色編集部 おおとし

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記事企画・監修:旅色編集部 おおとし

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