2024/08/26
旅の目的地として定番の京都は、何度も訪れるリピーターも多いはず。初めて訪れる人にも、定番観光じゃ飽き足らなくなってきたリピーターも、自分の旅スタイルで京都を楽しみたい人におすすめなのがマツシマモビリティサービスのハイヤー。事前に旅程の提案を綿密にしてくれたり、旅中はコンシェルジュがついてくれたり快適な京都旅行を体験できます。また憧れのメルセデスベンツなど高級車を貸し切れるので旅がリッチで優雅なものに……。
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サービスを提供するMATSUSHIMA Mobility Serviceさんは、高級外車を数多く取り扱うディーラーさんでもあるため、手配できる車もベンツ、アウディ、BMW等の高級車。HPやチラシで紹介されている車種以外にもスペシャルな車が期間限定で追加されていることがあるそう。車好きの方は、予約時に聞いてみるといいかもしれません。所属するドライバーのみなさんは、全員京都検定3級以上保持者。安心して案内してもらえるのはいうまでもなく、旅程途中でのちょっとした寄り道などのお願いも聞いてもらえます。また、英語が堪能な方も多く、海外VIPの方々も数多く利用されているそうです。
ハイヤーサービスは、まず日程を決めてメールかファックスで申し込みをするところからスタート。
どこへ行くか、目的は何か、はたまた漠然と「日本酒が飲みたい」とか「博物館に聞きたい」とか「とにかく穴場に連れてって」とか希望を伝えると、長年地元・京都に拠点を置く企業ならではの豊富な情報をもとに旅先の提案をしてもらえます。もちろん、多少のわがままはがっちり受け止めて懇切丁寧に対応してくれました。
私が事前にお伝えしたのは「景色がいいところ」「混雑しない所」「伝統工芸に触れたい」の3点と、せっかくならリッチ感を満喫できる車に乗りたいということ。何度か打ち合わせをして、私だけのスペシャルな旅程が決定しました。
新幹線が京都駅に着いたら、八条口側の階段を降りたところにある「京都駅八条口大型・予約タクシー乗り場」へ。昨今は観光客も多く、タクシーも自家用車もバスも渋滞気味。ハイヤーは別枠専用の待機所に待機しているので、スムーズ且つちょっとした優越感に浸れます。
待機所で待っていたのは、最高級メルセデスベンツのVクラス「V220」。重厚感ある黒い車体の前で、スーツを着込んだ渋い執事のようなドライバー・宇都宮さんが迎えてくれました。恭しくドアを開けていただき、お姫様気分で車に乗り込みます。
京都駅を出た車は、滑るように走り出します。
最初に向かうのは、京都の街を見下ろす東山将軍塚に位置する「青龍殿(せいりゅうでん)」。粟田口にある古刹青蓮院(しょうれいいん)門跡の飛地境内です。
青蓮院門跡は、平安末期に伝教大師により開山された天台宗寺院で、現在に至るまでほとんどのご門主が皇族もしくはそれに近しい方々であるという由緒正しい寺院です。美しい池泉回遊式庭園があり紅葉の頃には多くの参拝客が訪れています。
青蓮院門跡の飛地に大正天皇の即位を記念して「大日本武徳会京都支部武徳殿」として建立された建物を移築したのが「青龍殿」。堂々とした建物は通常の寺院建築物とは異質の建物で、外側からは武家屋敷のような印象を受けます。撮影禁止のため写真はないですが、建物の内部は剣道場の跡が色濃く残っています。青龍殿として移築された後増築された伽藍には制吒迦童子(せいたかどうじ)と矜羯羅童子(こんがらどうじ)を従えた青いお不動様が描かれた国宝青不動明王二童子像を安置。配色や汚れを防ぐために普段はレプリカが公開され、本物は青龍殿の後方にある保管庫にしまってあるのです。この保管庫、宇都宮さんの解説によると「ちょっとした爆弾からも守れる」すごいものなのだそう。
青龍殿を参拝した後は、宇都宮さんにエスコートされて裏にある大舞台へ。
ちょうどこの時どんよりとした空の雲が晴れお日さまの光が差し込んできました。
雨に洗われた澄んだ空気の中で、京都の街が一望できます。
「あれが、平安神宮の鳥居です」「あそこに見えるのは金戒光明寺です」「あちらが永観堂で、紅葉の頃には一帯が紅色に染まるんですよ」と指さしながら説明してくれます。
一番驚いたのは「あの山の間に大阪梅田の高層ビル群が見えますよ」という言葉でした。
一見しただけでは見逃してしまいそうなことに気づかせてくれるのもガイドさんが案内してくれるVIPツアーの醍醐味です。
大舞台を降り、緑深いお庭を抜けて青龍殿の正面までエスコートされる道すがら、高台の上で作業していた庭師さんから声をかけられました。
「こんにちは。ちょっと話してええか。ここがホンマの将軍塚なんやで」
京都で学生時代を過ごした人にとって一度は聞いたことがある甘酸っぱい思いを抱く地名、それが将軍塚。東山の上に向かう曲がりくねった山道の先にある駐車場は京都の有名な夜景スポットであり、デートスポットなのです。
「え? 将軍塚ってこの塚なんですか? 」と驚いて問いかけると
「そうやで。長岡京から遷都するときに和気清麻呂さんがこの場所で、京都に都を作るんがええって天皇さんに言わはったんや。ほんでな、その時の天皇さんが、厄をよけるために、ここに将軍の像を作ってな鎧甲を着せて弓と刀を持たせて埋めはったんやで。それがここや。そやから、ここが京都のはじまりの場所なんやで」
「この塚の中に埋まってるんですか? 」
「そや。ここに埋まってるんやで。庭、楽しんでな」
「ありがとうございます」
旅先での出会いは、いつも驚く事ばかりです。
◆青蓮院門
住所:京都市東山区粟田口三条坊町69-1
営業時間:9:00~17:00(最終受付 16:30)
我々は途中、車は蹴上の浄水場、ねじりまんぽ、南禅寺、銀閣に永観堂など京都の定番観光スポットを車窓に見ながら北へ向かいます。途中、宇都宮さんおすすめのおうどん屋さんなど、次回訪れたい穴場スポットの情報収集をしながら閑静な住宅街を抜けると「吉祥山正伝護国禅寺」に着きました。臨済宗南禅寺派の寺院で、本堂は伏見桃山城の御成殿の遺構を移したものと伝えられています。
広縁の天井を見上げると、関ケ原の戦いで落城した際に切腹をした侍たちの血の跡が。
遠く比叡山を借景とするお庭は、伝説のロックミュージシャン、デヴィッド・ボウイも気に入っていました。
◆吉祥山正伝護国禅寺
住所:京都市北区西賀茂北鎮守庵町72
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:500円
静かな緑のお庭を後にして、京野菜として知られるすぐきの産地を通り抜けながら、着いたところは閑静な住宅街の中にある織物工房です。
チャイムを鳴らし、玄関扉をくぐると高い天井が印象的です。寺院建築と同じ釘などを使わない伝統的な工法を用いて新築で建てられた貴重な建築物なのだそう。
出迎えてくださった当主の龍村周さんが丁寧に案内してくださった館内は、代々の当主によって織り上げられた貴重な手織りの絹織物が所狭しと飾られています。
ひとしきり、工房を案内していただいた後、織機を使っての手織り体験をしました。
織機は4本の手足を全部使って操作するものなので、慣れるまでは結構難しかったですが、20分ほどでコースターくらいの美しい布が織りあがりました。
龍村光峯さんの工房で華麗なる伝統工芸を堪能したら本日のプランは終了です。
◆光峯錦織工房
住所:京都市北区紫竹下ノ岸町25
営業時間:10:00~17:00
※体験は予約制
帰り道は来た道を戻るのではなく、鴨川沿いをドライブし、二条城の前を通り、街中を抜け、京都駅へ。
ハイヤーを使った観光というと、ちょっと敷居が高そうなイメージがありましたが、優しいドライバーさんのエスコートによるリッチな旅はワクワクするような体験でした。
車内は広々としていて、小柄な私は座席のオットマンまで足が届かないほど。窓には、スモークが貼られて車内のプライバシーが確保できます。
今回利用したのは定員6名、4時間利用で37,800円のコース。一人でリッチに利用するもよし、何人かで楽しく利用するもよし。
他にも、クラシカルな6枚ドアのロングハイヤーで巡る王道の京都観光など、楽しいプランが沢山あります。
もちろん、お気に入りのドライバーさんを指名することも可能です。
今度は、宇都宮さんに京都酒蔵めぐりツアーをお願いしてみようかしら。
参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。
記事企画・監修:レポーター 旅色LIKESメンバー
ライター:ちあき
マツシマモビリティサービス