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2026/01/26
近年、働き方が多様化し、ワーケーションという働き方が注目されるようになりました。観光地で働くスタイルを選ぶ人も増えてきています。とはいえ、「本当に仕事に集中できるのか?」「結局、仕事する場所が変わるだけなのでは?」といったイメージを持つ方も、多いのではないでしょうか。
かくいう私もそう思っていましたが、九州が誇る人気温泉地、大分県の「由布院(ゆふいん)」でのワーケーションを体験し、その考えがガラリと変わりました。
雄大な由布岳がもたらす自然、心と体を癒やす温泉、そして驚くほど快適な仕事環境……。
すべてが絶妙なバランスで整っているこのまちは、まさに「働く」と「休む」の理想の場所だったのです。
この記事の目次
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ゆふいんの森号
今回のワーケーションは、福岡の博多駅からスタートし、目的地である由布院へは、以前から気になっていた観光列車「ゆふいんの森号」に乗り込みます。
列車を撮ろうと、皆がカメラを構えて待ち続ける中、ホームに入ってきたのは、クラシカルで美しい緑の車体が印象的な特急「ゆふいんの森」。メタリックなグリーンに赤みの入ったゴールドのラインが際立ち、かっこいいデザインの列車です。これだけで、今から始まる旅への期待で胸が高鳴ります。
一歩車内に足を踏み入れると、木のぬくもりを感じる落ち着いた空間が広がっていました。客室のシートも車体と同じ緑色で統一されており、まるで森の中を旅しているような安らぎ感。「ゆふいんの森号」は乗降口に階段があるハイデッカー構造で、車窓からの景色をより楽しめるように設計された観光列車です。

博多駅から由布院駅までの乗車時間は、約2時間20分と決して短い時間ではありません。しかし、窓の外には雄大な自然が次々と現れ、慈恩の滝などの絶景スポットでは車内アナウンスを入れてくれるなど、乗客を楽しませる工夫が随所に凝らされていて、退屈とは無縁の時間を過ごすことができました。
ビュッフェでは、地元食材を使ったお弁当や人気のスイーツ、そして「ゆふいんの森」オリジナルグッズがずらり。私も、揺れる車内で踏ん張りながら、記念スタンプを押してきました! 子どもだけでなく大人も童心に返って楽しめる、そんな魅力がこの列車には詰まっています。
列車が由布院駅に到着すると、目の前に広がるのは由布岳の美しい姿です。これから始まるワーケーションへの期待に胸を膨らませながら、由布院のまちを進みます。

由布院駅前からの由布岳

由布院サテライトオフィス
ワーケーションで最も気になるのが、やはり仕事環境ですよね。
今回拠点として利用したのは、駅から徒歩約10分の場所にある「由布院サテライトオフィス」。丸太がずらりと並ぶカウンターや木のぬくもりをイメージさせる館内は、wifiが完備され、個室やミーティングルームもあり、とても清潔で落ち着く空間です。
この施設の素晴らしい点は、仕事環境だけではありません。隣接する道路から、“別名:豊後富士”と呼ばれる壮大な由布岳を眺めることができ、となりには「湯布院健康温泉館」という水着を着て入浴できる施設もあります。少し足を延ばせば「乙丸温泉館」という共同温泉も! 温泉県ならではの楽しみがある環境は、普段のオフィスでは決して味わえない特別な空間なのです。
カウンターラックには由布市の魅力を伝える観光パンフレットが豊富に揃っていました。
仕事の合間にパンフレットを眺め、「午後はあの観光スポットに行ってみようかな」「明日はこの体験をしてみよう」と計画を立てるのも楽しみのひとつです。仕事と観光をシームレスに行き来できるこの環境は、ワーケーションの醍醐味を最大限に引き出してくれます。

別名:豊後富士”と呼ばれる壮大な由布岳
集中して仕事をしたあとは、由布院ならではのアクティビティで心と体を解放しましょう。私が参加したのは、ただの散歩ではない、特別なウォーキングプログラムでした。

クアオルト健康ウォーキングを説明する由布市まちづくり観光局の生野事務局長
由布市が推奨している「クアオルト健康ウォーキング」は、ドイツの伝統的な自然療法をベースにしたプログラムです。専門ガイドの案内のもと、温泉地の自然の中を歩きながら心身の健康を目指します。

ウォーキング前の血圧と心拍数
ウォーキング前には、ガイドの案内で血圧や心拍数、体表の温度などを軽くチェックします。歩きはじめると、由布岳を望む坂道や林道など、自然の変化を感じられるルートが続きました。途中の休憩ポイントでも再度計測があり、自分の体がどう変化しているかを知ることができます。
特に印象的だったのは、息が弾むほど歩いた後でも、体の表面温度が歩く前とは異なる変化を見せていたこと。ガイドの説明によると、適度な負荷で歩くことで血流の巡りや体の状態が変化するのだそうです。
数字だけでなく、自分の体調の変化を実感しながら進むウォーキングは、「ただ歩くだけ」とはまったく違う満足感がありました。
ウォーキングコースの途中、樹齢1000年を超えるとされる国指定天然記念物「大杵社(おおごしゃ)の大スギ」を訪れました。天に向かってまっすぐに伸びるその姿は、まさに圧巻の一言。
木の根元には空洞があり、中を覗くと神様が祀られています。悠久の時を生きてきた大杉の生命力に触れ、心が洗われるような感覚になりました。
近くには、ハンモックのようなベンチが設置された休憩スペースもあり、木漏れ日の中で森林浴を楽しむことができます。季節ごとに桜や紅葉が彩るこの場所は、自分だけの秘密にしておきたくなるような、とっておきの癒やしスポットです。

ワーケーション2日目は、少し早起きをして由布院を代表する観光スポット「金鱗湖」へ。
秋から冬にかけての早朝、湖には温泉水が流れ込んでいるため、湖面から霧が立ち上ります。朝もやに包まれた湖は、息をのむほど幻想的で、静寂の中、ゆっくりと流れる時間を独り占めできます。日中は多くの観光客で賑わう人気の場所ですが、この静かな朝の時間は宿泊者だけの特権かもしれません。

朝霧の中の由布岳
由布院の魅力は、美しい景色だけではありません。地元の方々と触れ合うことで、旅をより一層思い出深いものにしてくれます。

この日は、庄内町にある「おおつる交流センター」で、地元のおじさまたちが元気にはじめた「おいちゃんうどん」のうどん打ちを体験させていただきました。
粉と塩水を混ぜ合わせ、粘土をこねるように手のひらで力を込めていくと、パサパサだった生地が不思議なほどひとつにまとまっていきます。生地を伸ばし、裁断機にかける工程も楽しい!
自分で打った打ちたてのうどんは、つるつるとした喉越しで格別の美味しさでした。地元の名店の料理人が監修したという出汁も絶品で、箸が止まりません。なんと、2玉も食べてしまいました!!
うどん作りを体験した大津留地域は、農業も盛んです。ちょうど無人販売所があったので覗いてみると、採れたての新鮮な野菜や果物が驚くような手ごろな価格で並んでいます。
私が訪れたときは、大分名物のかぼすが7個も入ってなんと100円でした!思わず即購入です。旅先でその土地の旬を味わえるのは、最高の贅沢ですね。
最終日は、ワーケーションを体験したあとは、グリーンスローモビリティ「ノルク」で由布市の観光スポットを巡りました。由布市のまち巡りはこの「ノルク」か辻馬車、徒歩がおすすめです。
「まち歩き」は、地元を知り尽くしたガイドの方が、観光の中心地を少し違った視点で案内してくださり、新しい発見がたくさんありました。


のどかな風景をまち歩き

サギの足まで写る透明度
お土産物屋さんが軒を連ねる「湯の坪街道」は、いつも多くの観光客でにぎわっています。もちろん、その活気を楽しむのも旅の醍醐味ですが、もし人混みを避けてのんびりしたいなら、一本脇道にそれてみてください。
そこには、観光客の姿もまばらな、まるでプライベート空間のような静かな道が広がっています。澄んだ小川のせせらぎを聞きながら、雄大な由布岳を眺めて歩く時間は、心からリラックスできるひととき。由布院リピーターの方や、落ち着いた時間を過ごしたい方には、ぜひこの「裏道散策」をおすすめします。
以前、由布に来たときに知ったのは、「theomurata(テオムラタ)」のビーンズショコラです。湯の坪街道から離れた場所にお店があったことを覚えていたので、今回は購入できないと諦めていたところ、湯の坪街道入り口に、同じ湯布院山荘無量塔の運営するショップ「B-SPEAK」を発見! テンション爆上がりです。
私のお気に入りの「カボスショコラ」は、かぼすのさわやかな酸味とホワイトチョコレートの優しい甘さが絶妙なバランスで、一度食べたら忘れられない美味しさ。洗練されたパッケージデザインもお洒落で、大切な人への贈り物にもぴったりなのです。

theomurata カボスショコラ
今回の旅を通して、私はすっかり由布院のファンになりました。なぜ、由布院がワーケーションにおすすめなのか、その理由をまとめてみました。
魅力①:自然・温泉・観光スポットが凝縮されている
雄大な由布岳に見守られ、心安らぐ温泉が湧き出る由布院。金鱗湖のような美しい観光スポットや、少し歩けば手つかずの自然が広がっています。仕事の合間に、気分に合わせて「癒やし」の選択肢が豊富にあることは、ワーケーションにおいて最大のメリットだと感じました。
魅力②:快適な仕事環境と人の温かさ
駅近で設備が充実したサテライトオフィスは、ビジネスパーソンにとって心強い味方です。そして何より、うどん作りやお店で会話した地元の方々の温かさが心に残りました。地域との交流は、旅の楽しみが何倍にも膨らみます。
魅力③:主要スポットは徒歩やバスで十分回れるアクセスの良さ
今回のワーケーションは、一部の場所以外、ノルクと徒歩で移動しました。由布院は主要なスポットが比較的コンパクトにまとまっており、コミュニティバスなども運営されているため、車がなくても十分に楽しむことができます。運転の心配がない分、気兼ねなく地元の食やお酒を味わえるのも嬉しいポイントです。
仕事も、観光も、リフレッシュも。そのすべてを高いレベルで満たしてくれる由布院は、ワーケーション初心者から上級者まで、すべての人におすすめできる最高の場所です。ぜひ、ワーケーションをするなら九州・由布院で体験してみてください。きっと由布院のファンになるはずです。
由布院サテライトオフィス
参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。
記事企画・監修:旅色編集部 こうの
ライター:こうの