
更新日:2026/02/24
誰でも気軽に、自分らしいスタイルで楽しむ山旅へ。山岳トラベラーが提案する低山ハイキングプラン8選
登山は、特別な装備や体力が必要と思われがち。けれど、温泉やグルメ、観光と組み合わせて、無理なく楽しめる山もたくさんあります。本記事では、山岳トラベラー・土庄雄平が、初心者にも歩きやすい低山を中心に、旅として味わうハイキングプランを北から南まで8つご紹介。ロープウェイやリフトなどで、一気に中腹や山上まで行ける山もあるので、自分のペースで楽しめる山旅を見つけてみてください。
この記事の目次
- ①【北海道・旭岳】日本一早い紅葉ハイキングと山麓観光の山旅プラン
- ②【青森県・八甲田山】夏の冒険避暑登山と秘湯入浴の山旅プラン
- ③【東京都・高尾山】ふらっと行ける癒やしの登山と奥高尾縦走の山旅プラン
- ④【愛知県・寧比曽岳 (ねびそだけ)】はじめての雪山登山とグルメ&温泉満喫の山旅プラン
- ⑤【京都府・愛宕山】霊山登山と京都ラーメンはしごの山旅プラン
- ⑥【兵庫県・加西アルプス】ご当地アルプスと酒蔵立ち寄りの山旅プラン
- ⑦【徳島県・剣山】お手軽百名山ハイキングと秘境満喫の山旅プラン
- ⑧【大分県・鶴見岳】ミヤマキリシマの絶景と山麓観光満喫の山旅プラン
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スポーツ自転車から山旅へ!山岳トラベラー「土庄雄平」

山岳トラベラーの土庄(とのしょう)雄平と申します。山へ旅するようになったきっかけは、スポーツ自転車でした。峠へ辿り着いた先に山頂が見えると、「あそこまで行かないのはもったいない」と感じたのが原点です。

もともと自転車で全国を巡ってきたこともあり、旅先の風景や食、温泉などあらゆるものに惹かれる性格。次第に、登ること自体だけでなく、山と麓の宿や食文化まで含めて楽しむ“山旅”を提案するようになりました。

現在は「山と溪谷」「岳人」などの山岳誌や、Webメディア「山と高原の地図Web」に寄稿し、山と旅の魅力を発信しています。自ら手がけた記事や写真が、誰かの新しい一歩を踏み出すきっかけにつながれば良いなという思いで活動を続けています。
準備も入念に!カジュアルに低山登山を楽しもう

登山には専用装備が必要というイメージがありますが、近年注目されている低山(おおよそ標高1,500m以下)であれば、行き先によってはスニーカーと動きやすい服装で楽しめる山もあります。
まずは片道1時間前後で歩けるコースから始めるのがおすすめです。歩行時間や標高差が小さくても、水分や行動食は余裕をもって携行しましょう。また春から初夏にかけては特にダニにかまれるリスクもあるため、長袖・長ズボンを基本に備えることが大切です。

2025年は全国でヒグマによる被害が話題になりました。かつて私自身も歩いたことのある山で事故が起きたことを思うと、決して他人事ではありません。北海道では広い範囲でヒグマに遭遇する可能性があります。
熊鈴やスプレーの携行はもちろん重要ですが、何よりも「直近で目撃情報が出ていないか」を事前に確認すること。そして状況によっては登らない判断をすることも、安全に楽しむために欠かせない選択です。
①【北海道・旭岳】日本一早い紅葉ハイキングと山麓観光の山旅プラン

北の大地・北海道で雄大な景色を味わいたいならこの旅プラン。北海道最高峰・旭岳は標高2,291mを誇りますが、山麓の姿見の池までは旭岳ロープウェイでアクセスでき、約1時間の周回コースで気軽に高山の雰囲気を体感できます。登山装備を万全に整えなくても、山の世界に触れられるのが魅力です。

夏は涼風が心地よく、チングルマをはじめとする高山植物が足元を彩ります。9月中旬には森林限界付近のナナカマドやダケカンバが色づき、本州よりも早い紅葉が広がります。噴煙を上げる旭岳の姿が池に映り込む光景は、北海道らしい自然のスケールを感じさせてくれます。

周辺には見どころも豊富です。天人峡にかかる羽衣の滝(はごろものたき)は落差約270mを誇り、日本の滝百選にも選ばれています。また大雪旭岳源水公園では澄んだ湧水に触れることもできます。大雪山の自然を堪能したあとは、JR美瑛駅前にある、地元で親しまれている焼肉店で締めくくり。
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②【青森県・八甲田山】夏の冒険避暑登山と秘湯入浴の山旅プラン

暑い夏に、山で涼を求めたくなったらこの旅プラン。青森市南部に広がる八甲田山は、18の山々からなる火山群の総称で、日本百名山のひとつ。最高峰・大岳は標高1,581mありますが、八甲田ロープウェイを利用すれば標高1,400m付近まで上がることができ、初心者でも挑戦しやすいコースといえます。

標高1,400mを超えるとハイマツ帯が広がり、森林限界の風景が目の前に現れます。窪地には湿原が点在し、多様な高山植物が咲き誇ります。大岳までは往復約4時間。標高差も比較的緩やかで、天候に恵まれれば津軽半島や下北半島、さらに津軽海峡越しに北海道まで望めます。

提供:青森県観光情報サイト
下山後は山腹に湧く秘湯・酸ヶ湯(すかゆ)温泉へ。強酸性の湯に浸かりながら歩いた余韻を味わえます。旅プランは日帰りでご紹介していますが、隣接する酸ヶ湯キャンプ場でのテント泊も、自然をよりダイレクトに感じられるのでおすすめです。
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③【東京都・高尾山】ふらっと行ける癒やしの登山と奥高尾縦走の山旅プラン

都心から日常を少し離れたいならこの旅プラン。新宿から電車で約1時間、高尾山口駅まで気軽にアクセスできる高尾山は、自然と歴史が身近に感じられる名山です。山頂までは約1時間。歩きやすい登山道が続き、日本一登山者が多い山というのも頷けます。

木立の間からは新宿副都心や東京スカイツリーを望むことができ、天気が良ければ、山頂から富士山を望めるのも魅力です。薬王院に立ち寄り、静かに手を合わせる時間もこの山ならでは。早朝は比較的登山者も少なく、落ち着いた雰囲気の中で歩くことができますよ。

歩き足りない方は奥高尾縦走路へ。小仏城山や景信山をつなぎ、陣馬山まで続く尾根道は距離があるものの、標高差は少なく歩きやすいルートです。小仏城山の山頂で味わう名物のなめこ汁も楽しみのひとつ。高尾山から4〜5時間ほどで陣馬山に到着したら、白馬像の前で記念写真を。下山後は地元で長く愛される陣馬そばをいただきましょう。
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④【愛知県・寧比曽岳 (ねびそだけ)】はじめての雪山登山とグルメ&温泉満喫の山旅プラン

はじめての雪山登山に挑戦したいならこの旅プラン。大多賀峠から最短ルートを辿れば、寧比曽岳の山頂まではおよそ1時間。道は明瞭で、前半は樹林帯を進みます。積雪期は「アイゼン(氷や雪の斜面で滑り止めとして靴底に装着する、金属製の爪が付いた登山用具)」が必要ですが、こちらのプランではトレッキングシューズにも装着可能な「軽アイゼン」で対応可能です。

山頂へ到達すると、南アルプスや御嶽山などの日本屈指の高山に加え、三河山地の山々まで見渡せる抜群のパノラマが待っています。往復2時間の山でありながら、これほどスケールの大きい絶景を味わえる雪山は、なかなかありません。

下山後は、地元の里山グルメを味わい、道の駅併設の温泉へ。お腹も体も温まったら、冬限定の氷の滝やオブジェを鑑賞。稲武の自然と人の手が生み出す季節の風景を楽しみます。ほどよい充実感の日帰り山旅が完成です。
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⑤【京都府・愛宕山】霊山登山と京都ラーメンはしごの山旅プラン

京都らしい歴史と自然を感じたいならこの旅プラン。標高924mの愛宕山は、「本能寺の変」直前に明智光秀が参拝したと伝わる京都の名峰。今回のプランでは月輪寺道の入り口から歩き始め、古刹・月輪寺(つきのわでら)に立ち寄ってから山頂を目指します。所要時間は片道2〜3時間ほどです。

山頂には全国約900社ある愛宕神社(あたごじんじゃ)の総本宮が鎮座しています。登頂後に参拝し、登山安全のお守りを受けるのもよい記念になるはず。荘重な空気に包まれた愛宕神社を後にしたら、表参道から下山しましょう。

京都盆地を見渡せる展望地や旧ケーブルカー跡など、密かな見どころも点在。すれ違う参拝者と挨拶を交わしつつ、最後まで心地よく歩き切りましょう。下山後は「麺屋 極鶏」から「天下一品 総本店」へと足を運び、京都を代表する濃厚ラーメンをはしごするのも一興。動いたあとなら、たくさん食べても問題なし!?
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⑥【兵庫県・加西アルプス】ご当地アルプスと酒蔵立ち寄りの山旅プラン

岩場歩きを気軽に体験したいならこの旅プラン。兵庫県の加西アルプス(笠松山・善防山一帯の総称)は標高こそ低いものの、岩稜や尾根歩きが楽しめる低山です。姫路市街や加古川市街から車で約40分、古法華寺(ふるほっけじ)を訪れてから歩き始めます。

駐車場裏手から歩いて間もなく、笠松山東尾根の景観が現れます。標高100m前後ながら開放感があり、低山とは思えないスケールの眺めが広がります。さらに約30分で笠松山展望台に到着。明石海峡大橋や淡路島、六甲山地まで見渡せます。山頂直下には鎖場もあり、適度なスリルも味わえます。

さらに登山を楽しみたい方は、古法華寺を挟んで反対側に佇む善防山(ぜんぼうやま)へ。笠松山とはまた違った加西アルプスの絶景を楽しめます。下山後は酒蔵「富久錦(ふくにしき)」に立ち寄り、銘酒をゲットしましょう。飲みやすい「低アルコール純米酒 Fu.(ふう)」がおすすめです。
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⑦【徳島県・剣山】お手軽百名山ハイキングと秘境満喫の山旅プラン

四国の秘境を楽しみ尽くしたいならこの旅プラン。剣山観光登山リフトを利用すれば、標高約1,955mにして、四国第2位の標高を誇る剣山(つるぎさん)も無理なく目指せます。リフトを降りてから山頂までは往復3時間弱。登山道中では、四国山地のスケールに息を呑むはず。

山頂に立てば、360度の大パノラマが広がります。そこから望む次郎笈(じろうぎゅう)へと続く稜線は、なだらかで優美なラインを描き、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。10月中旬には山肌が鮮やかに色づき、麓よりひと足早く秋の訪れを感じられます。

下山後は、日本三大秘境に選ばれる「祖谷(いや)」へ足を延ばします。祖谷渓温泉で疲れを癒やし、奥祖谷二重かずら橋や大歩危峡(おおぼけきょう)の遊覧船でダイナミックな渓谷美を体感。山と秘境、ふたつの自然を巡ることで、四国の新たな表情に出会えますよ。
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⑧【大分県・鶴見岳】ミヤマキリシマの絶景と山麓観光満喫の山旅プラン

温泉旅の途中に山歩きを取り入れたいならこの旅プラン。別府や由布院から車で約20分の鶴見岳ロープウェイを利用すれば、山上駅から鶴見岳山頂まで往復約1時間で歩くことができます。無理のない標高差と距離で、山の絶景を手軽に楽しめるのが魅力です。

山頂からは別府湾や由布岳を望む大パノラマが広がります。5月から6月にかけてはミヤマキリシマが咲き誇り、ピンクに染まる山肌と新緑のコントラストが鮮やか。澄み渡る日には、阿蘇方面まで遠く見渡せることもあります。

1泊2日以上でゆとりを持って計画し、天候の良い日に登るのがおすすめです。別府では地獄蒸し料理を味わい、大分空港に帰る途中、時間に余裕があれば杵築(きつき)の城下町を散策。山と温泉、町歩きまで大分を丸ごと楽しむ旅が完成します。
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ふらっと行ける。山と山麓を合わせた非日常の旅へ

登山は、ハードルの高いものではありません。山選びと行程を工夫すれば、体力や経験に合わせて無理なく楽しめます。近くの山に登り、麓の町を歩くだけでも“非日常の旅”になります。まずは歩きやすい一座から。続けていくうちに、行動範囲は自然と広がり、いつの間にか百名山やアルプスへ足を運んでいるかもしれません。
登りやすい山の探し方

難易度の低い山を探す際は、以下の基準を参考にすると選びやすくなります。できれば土日など登山者が多い日に訪れると、道に迷う心配も減り、より心強く感じられるでしょう。
・登山口から山頂までの標高差が500m以下
(ロープウェイやリフト利用で条件に当てはまる高山もあります)
・歩行距離が10km以下
・登山GPSアプリ「YAMAP」などで登山記録が多い山
無理のない計画で、安全第一の山旅を楽しんでくださいね!
参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。
記事企画・監修:サイクリスト・山岳トラベルプランナー 土庄雄平
ライター:土庄雄平
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