秋田・湯沢で「酒・味噌・醤油」発酵文化の蔵元を贅沢ハシゴ!本場・稲庭うどん作り体験も
ふかいふかい

秋田県

職場・同僚 / 40代 / 行った時期:2月

2026/03/17

秋田・湯沢で「酒・味噌・醤油」発酵文化の蔵元を贅沢ハシゴ!本場・稲庭うどん作り体験も

秋田県南部に位置する湯沢市。ここは古くから「東北の小京都」とも呼ばれ、豊かな湧水と厳しい冬の寒さが育んだ「発酵文化」が今も息づく町です。
今回は、歴史ある蔵元を巡り、職人の情熱に触れ、「発酵と伝統」がアップデートし続ける現場を肌で体感。さらに、秋田名物・稲庭うどんを自らの手で作るという、五感をフルに使ったものづくり体験を通して、秋田の食文化に接することができました。

今回訪れた秋田・湯沢のスポット

以下のスポットをそれぞれスタッフの方に案内していただき、巡ってきました。
・両関酒造
・ヤマモ味噌醤油醸造元
・石孫本店
・佐藤養助(体験・昼食)
まずは両関酒造から紹介します。

1. 【酒】明治の息吹を残す名門「両関酒造」で知る伝統の重み

両関酒造

両関酒造

最初に訪れたのは、1874(明治7)年創業の「両関酒造」。 国登録有形文化財にも指定されている美しい蔵が迎えてくれます。とても天井も高く、蔵自体の技術の高さと美しさを感じる建物としても素晴らしい施設です。

当時の面影を残すものも多く展示されています。

歴史と職人の想い

「両関」という名称の由来は「東の名刀正宗、西の名刀宗近、東西の大関を兼ね、東西にまたがり君臨するように」と名付けられたそうです。この酒造の特徴は、低温でじっくりと発酵させる「低温長期発酵」。

職人たちは「寒冷な気候を味方につけ、米の旨味を最大限に引き出す」という信念を、世代を超えて守り続けているそうです。今回は仕込みの最中ということもあり、蔵の中まで入って見学はできませんでしたが、入り口部分の建物内の蔵を始めたとした見学は見ごたえ十分です。

近年では「花邑(はなむら)」など、時代の流れに合う新しい日本酒の提案にも積極的。「伝統とは、ただ守ることではなく、磨き続けること」という革新の精神を肌で感じました。

2. 【味噌・醤油】静寂の中に潜む革新。「ヤマモ味噌醤油醸造元」のアートな世界

外観

外観

続いて、建物自体が国登録有形文化財にも指定され、洗練された空気を纏う「ヤマモ味噌醤油醸造元」へ。店舗に入ると、伝統的な名称とは逆で、目の前に広がるギャラリーのような空間に戸惑いさえ覚えるはず。

ここは、湯沢にある醸造施設のなかでも際立って「革新的」なスポットです。

味噌・醤油という伝統の業界で7代目が目指す変革

代々受け継がれてきた味を守りながらも、未来を模索し新しい挑戦をし続けるのは7代目の高橋泰さん。アートな空間だけでなく、スタッフの皆さんから聞く話はとても興味深く、どれも挑戦と覚悟をもった強い意志を感じます。

なかでも印象に残ったのは、 「変わらないこと、変わらないといけないこと」というお話です。味噌や醤油はそもそも味のベースを作るもの。ワインやお酒のように年代によって変化が起きてしまうと、その商品を扱っているお店の評判が「あの店の味は変わった」とされてしまう。だから「変わらない」というのも、ひとつの信頼の証でもあります。
その一方で「変わらないといけない」という未来へ向けての強い使命感のようなものもあり、変革への挑戦も日々行っています。その変革に挑戦していることが「酵母」と「熟成」です。

何年ものがお好み? 味噌の魅力は「熟成」にあり

7代目が10年の試験醸造の末に発見した独自酵母Viamver®(ヴィアンヴァー)を活かした発酵の探求しており、今回は、味噌の熟成において貴重な体験をさせてもらいました。製法は同じで「1年もの」「5年もの」さらに「30年もの」を味わわせていただきました。

1年もの

5年もの

30年もの

1年もの

5年もの

30年もの

1年ものは馴染みがあり、なおかつ秋田のお味噌らしい甘めの味わい。熟成が進むにつれより酸味が強くなり、酸味の奥にどことなくフルーティな味わいや苦み、香りなどが強く感じられ、知っている味噌の味とは異なる、なんとも複雑な味わいになります。
実はこういった希少性が高い商品のほうが、より海外の方にもウケが良かったりするそうです。

商品の魅力を伝えるため「アートな演出」も大切に

そんな想いが詰まったこだわりの商品を、しっかりと感じとってもらうための演出にも細部までこだわりが。蔵や樽に囲まれた薄暗い空間を利用したアートな演出は、これでもかと我々を驚かせてくれます。

伝統的な製法をベースにしながらも、現代のライフスタイルに溶け込む味噌づくりに取り組むこちらの醸造元は、まさに「発酵の最前線」。未来の伝統を作る、職人の熱い眼差しに圧倒されました。

3. 【味噌・醤油】160年以上続く“不変”の美学。石孫本店で触れる手仕事の極み

「ヤマモ味噌醤油醸造元」とは対照的に、1855(安政2)年の創業当時から変わらない「完全手作り」を貫いているのが、「石孫(いしまご)本店」です。

機械に頼らない「木桶」と「麹蓋」の物語

ここでは、今ではめずらしくなった「木桶(きおけ)」や「麹蓋(こうじぶた)」を使い、人の手で一つひとつ丁寧に醸造が行われています。
案内してくれた社長の石川果奈さんによると、

「機械なら数日で終わる作業も、手作業だと何倍も時間がかかる。でも、木桶に住み着く微生物と対話しながら作ることでしか出せない“深み”があるんです」とのこと。

熟成を助けてくれる「微生物」に対する愛情あふれるセリフが、胸に響きました。

国登録有形文化財である明治時代から続く麹蔵の壁には、代々の酵母が宿っているかのよう。一切の妥協を許さない「歴史の重層」を感じさせる味噌や醤油は、一口舐めればその力強い風味に驚くはずです。

4. 【昼食・体験】佐藤養助 総本店で「稲庭うどん」を究める

発酵巡りの合間に欠かせないのが、秋田が誇る日本三大うどんのひとつ、「稲庭うどん」です。今回は、160年以上の歴史を誇る名店「佐藤養助(さとうようすけ)」を訪れました。

芸術的な「手綯い」を自ら体験!

ここではお食事だけでなく、職人直伝の「手作り体験」が可能です。

細い2本の棒に、麺を8の字に掛けながら、撚りを入れて細く延ばしていく「手綯い(てない)」の作業。

簡単そうに見えて、麺の太さを均一にするのは至難の業です。職人の流れるような指さばきは、まさに「職人技」。コシが強いから強めに引っ張り過ぎると切れてしまったり、麺が細くなってしまって素麺のようになってしまったり……。意外に難しい。

黙々と作業をしているうちに、なんとか完成! 自分で綯ったうどんは、後日自宅に届くという楽しみもあります。

体験のあとは、その場で打ち立てのうどんを実食。ツルツルとした喉越しと、強いコシ。湯沢の清らかな水と、職人の手仕事が生み出す究極の味わいに、心もお腹も満たされました。

冷やしも温かいものも両方をいただけるメニューもあり、初めての方にはおすすめ。食べ比べると、同じ麺なのに味わいが全然違います。調理法によって変わるなんて、お土産にもぴったりですよね。

まとめ:私たちの心も醸してくれる湯沢の「発酵」を学ぶ旅へ

両関酒造の「伝統」、ヤマモ味噌醤油醸造元の「革新」、石孫本店の「不変」。この3つをハシゴすることで、湯沢の奥深さが立体的に見えてきます。
湯沢市で出会ったのは、単なる「調味料」や「お酒」ではありません。それは、数百年続く歴史と、それを繋ぐ職人の想い、そして時代に合わせて進化する革新の力でした。
重厚な蔵の扉を開けるたびに、そこには豊かな時間が流れています。次の休日は、あなたの心も「醸される」ような、湯沢の発酵旅に出かけてみませんか?

旅色編集部 ふかい

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記事企画・監修:旅色編集部 ふかい

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