【高知観光体験レポ】木曜市の歴史探訪。300年続く街路市でハチキンの心意気に触れる
ふかいふかい

高知県

職場・同僚 / 30代 / 訪れた時期:11月

2025/12/16

【高知観光体験レポ】木曜市の歴史探訪。300年続く街路市でハチキンの心意気に触れる

高知の中心部などには、300年以上の長きにわたり“地域の暮らしを支え続ける街路市文化”というものがあり、それぞれ開催する場所も違い、曜日に応じて「日曜市」「火曜市」「木曜市」「金曜市」と呼ばれています。今回は、その中の「木曜市」に訪れ、高知ならではの文化と人情に深く触れる旅を体験しました。活気あふれる市で出会ったのは、地元食材や絶品グルメ、そして何よりもパワフルで温かい「ハチキン」と呼ばれる高知の女性たち。彼女たちとの交流を通じて、単なる観光では味わえない、高知の“心”を感じることができました。この記事では、そんな木曜市の魅力と、周辺の観光スポットも合わせてご紹介します。

高知の市街地中心で見られる街路市文化とは?

高知の市街地を歩くと、道に各露店が出現し市場に変わる光景に出会います。これが「街路市」文化です。単なる市ではなく、約300年の歴史を持つ高知の生活に根ざした生きた文化遺産として、地域住民の食を支え、交流の場として機能してきました。道の両側にズラリと並ぶのは、新鮮な野菜や果物、加工品です。売り手と買い手の土佐弁でのにぎやかなやり取りが、高知ならではの温かい人情と活気を伝えてくれます。

開催されているのはいつ?

高知市の街路市は、週4日開催されています。最も有名な日曜市は追手筋で開かれる日本最大級で歴史のある市なんです。火曜は上町、木曜は県庁前(追手筋)で金曜は愛宕町で開催されます。それぞれ規模や雰囲気が異なり、日曜・木曜以外の市では、よりディープな高知の暮らしと人情に触れることができます。
今回はスケジュール上、「木曜市」を体験してきました。

木曜市の開催日時と場所

木曜市は、その名の通り毎週木曜日に開催されます。営業時間は、早朝の午前6時頃から始まり、13時頃には多くの店が店じまいを始めるため、午前中の訪問がおすすめです。特に活気を味わいたいなら、朝一番に足を運ぶのが良いでしょう。

高知城のすぐ近く

高知城のすぐ近く

開催場所は、高知県庁の東側の通りです。高知市中心部に位置しており、歴史ある高知城追手門からもほど近い場所で開かれています。通りの両脇にずらりと店が並び、活気あふれる高知の日常を感じられるでしょう。

アクセス方法(公共交通機関・車)と駐車場情報

木曜市へのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利。とさでん交通の路面電車を利用する場合、最寄りの電停は「県庁前」です。ここから市場までは徒歩でわずか数分と、非常にアクセスしやすい場所にあります。
車で訪れる場合は、専用駐車場がないため、近隣のコインパーキングを利用しましょう。高知市中心部は駐車料金が比較的高めで、木曜日は混雑することも多く、満車になる可能性も考慮する必要があります。

いざ木曜市へ!見て、食べて、話して楽しむ時間

旬の野菜から珍しい果物まで!土佐の恵みが大集合

木曜市の通路には、高知の温暖な気候と豊かな土壌が育んだ、色とりどりの野菜や果物がずらりと並びます。キャベツやトマトやなす、きゅうりといった定番野菜はもちろん、その時々の旬を迎える珍しい山菜や、スーパーではなかなか見かけない柑橘類など、まさに土佐の恵みが凝縮された空間です。

特に目を引くのは、高知を代表する果物である文旦や小夏など、みずみずしい柑橘類です。生産者の方が直接販売しているため、収穫したばかりの新鮮なものを手に入れられるのがこの市場の大きな魅力といえます。

また、手作りの漬物や干物といった加工品も豊富に並んでおり、お店の方に「これどうやって食べるのが美味しいですか?」「どうやって保存するんですか?」と尋ねれば、高知ならではの調理法や保存方法を教えてもらえることもあります。生産者の方との温かい交流を通して、食材への理解を深め、より一層買い物を楽しめます。

これぞ高知の味!「田舎ずし」などの名物を食べ歩き

せっかく木曜市に訪れたら、食べ歩きもおすすめです。特に外せないのが、素朴ながらも深い味わいが楽しめる「田舎ずし」で、みょうが、たけのこ、しいたけ、こんにゃくなど、山の幸をぜいたくに使った高知の郷土料理です。ゆずの効いた酢飯に混ぜ込まれたこれらの具材が織りなすハーモニーは、どこか懐かしく、優しい味わい。旬の素材が使われているため、訪れる時期によって異なる味に出会えるのも魅力のひとつです。高知の豊かな自然が育んだ恵みを、一口ごとに感じてください。

お子さんから大人まで大人気のつきたてのお餅や芋餅、草餅!

お子さんから大人まで大人気!

ほかにも、つきたてのお餅や芋餅、草餅などは手軽に食べることができ、とにかく大人気です。

「1日に何個売れているのでしょうか?」と、聞こうと思いましたが、次から次へとお客さんが訪れてお忙しそうだったので、自分用の分だけ購入させてもらいこの場をあとにしました。

一生ものが見つかるかも?土佐打刃物などの伝統工芸品

市と聞くと食材や加工食品をイメージするかもしれませんが、ここでは、食品だけでなく、高知の職人技が光る伝統工芸品にも出会えます。注目したいのが「土佐打刃物」で、その歴史は古く、高い鍛冶技術によって作られる包丁や鎌などの実用的な刃物は、全国的にも高く評価されています。市の一角では、職人さんが自身の作品を並べ、その品質や手入れの方法について丁寧に説明してくれることもあります。使っている包丁を研いでくれることもあるようで、日々の料理が楽しくなるような包丁や、庭仕事に役立つ道具など、旅の記念となる特別な逸品や、長く愛用できる一生ものを見つけることができるかもしれません。

「高知のハチキン」とはどういう意味!?

そんな会話のお相手をしてくれるのは「高知のハチキン」の皆さん。
高知を旅すると、しばしば耳にする「ハチキン」という言葉。これは、土佐の女性を形容する言葉で、「男勝りで働き者の女性」を指します。語源については諸説ありますが、「男4人分働く」という意味が転じて、あるいは「8人の男に匹敵する働き者」というところから来たともいわれています。
高知の「ハチキン」たちは、明るく、たくましく、そして情に厚いのが特徴です。困っている人がいればすぐに手を差し伸べ、持ち前の行動力で周囲を巻き込みながら物事を解決していく、そんなポジティブなエネルギーに満ち溢れています。時には豪快な土佐弁でズバッと意見をいうこともありますが、その根底には深い愛情と面倒見の良さがあります。高知を訪れると、こうした「ハチキン」たちの温かい人柄に触れる機会が多く、旅の思い出を一層豊かなものにしてくれるでしょう。

人情に触れる!パワフルな「ハチキン」店主との心温まる交流

木曜市を歩いていると、「ハチキン」たちのパワフルな人柄に、肌で触れることができます。威勢のいい土佐弁で「お姉さん、これ美味しいで!」と話しかけてくれる店主の声は、聞いているだけで元気をもらえるほどです。例えば、とある野菜の店では、初めて見る珍しい野菜について尋ねると、その場で美味しい食べ方や保存方法を身振り手振りで熱心に教えてくれました。

また別のお店では、旬の果物を試食した際に、その甘さに驚いていると、「もっと食べよ!」と、さらにおまけしてくれたこともあります。こうした店主とのやり取りは、単なる商品の売買に留まらず、人と人との温かい交流そのもの。高知の人情に触れることで、商品以上の価値を感じ、心温まる体験ができるのです。市で出会う「ハチキン」や「いごっそう」(高知の男性の総称)たちの笑顔と優しさは、きっと旅の忘れられない思い出になるはずです。

なぜ300年も続くのか?木曜市の歴史と文化を深掘り

江戸時代から続く「街路市」の成り立ちと役割

高知の街路市の歴史は古く、江戸時代の1690年にまで遡ります。当時の土佐藩は、城下町の経済を活性化させるため、また城下への物資の安定供給を図るために、生産者が直接商品を販売できる「街路市」を奨励しました。これが、現在の日曜市の始まりです。当初は、各藩から集まる米や野菜、魚などが主な商品で、城下の人々の食を支える重要な役割を担っていました。
この街路市制度は、生産者にとっては自ら育てた作物を直接消費者に届け、対価を得る場となり、消費者にとっては新鮮で質の良い商品を直接手に入れられるという、双方にとってメリットの大きいものでした。特に、交通の便が悪かった時代には、日々の食料調達の生命線とも言える存在だったのです。藩の政策として始まった街路市は、やがて人々の生活に深く根差し、地域独自の文化として発展していきました。

未来へつなぐために。街路市が抱える課題と活性化への挑戦

300年以上の歴史を持つ高知の街路市ですが、現代では社会の変化とともに、いくつかの課題に直面しています。主な課題としては、出店者の高齢化とそれに伴う後継者不足が挙げられます。かつて586人いた出店者も、2024年には391人まで減少しており、伝統の継承が危ぶまれています。また、オンラインショッピングや大型スーパーの台頭により、地元利用客の減少も進んでいます。日曜市の県内在住者の割合が低下していることからも、この傾向は明らかです。
しかし、高知市はこの貴重な文化を守り、未来へつなぐために積極的な挑戦を続けています。例えば、「街路市活性化構想」を策定し、新規出店希望者へのお試しテントの貸し出しや、若者の新しい発想を取り入れた店舗誘致を進めています。また、街路市の出店者が講師を務める料理教室を開催し、地元の食材の魅力を伝えるとともに、生産者と消費者の交流を深める機会を創出しています。
さらに、観光客誘致にも力を入れており、外国人観光客にも対応できるようキャッシュレス決済の普及を推進するなど、多様な取り組みが進められているのです。

現金対応が多いが、だからこその良さもあると感じます

現状はまだまだ現金での決済が多く見られますが、これらの挑戦は、伝統を守りながらも時代に適応し、街路市が地域にとって、そして訪れる人々にとって、これからも魅力的な場所であり続けるためのものです。この市が歩んできた歴史と文化は、これからも高知の「心」として生き続けていくことでしょう。

木曜市は市場での買い物を通して、子供の教育現場に

多くの幼稚園児がお金を握りしめ、買い物をしている光景が

木曜市を歩いていると、小さな子どもたちが目を輝かせながら買い物をする微笑ましい光景によく出会います。先生に引率された幼稚園児が、ぎゅっと握りしめた小銭を手に、真剣な表情で商品を品定めしているのです。

貴重な学びの場

貴重な学びの場

子どもたちは、自分の欲しいものを店員さんに伝え、お金を支払い、お釣りを数えるという一連のプロセスを、すべて自分で行います。この時、お店の「ハチキン」たちが、優しく商品の説明をしたり、子どもの目線に合わせて話しかけたりする姿は、市場全体の温かい雰囲気を象徴しています。

時には、おまけをしてもらったり、季節の野菜について教えてもらったりするなどの“買い物の枠を超えた体験”は、子どもたちにとって教科書では学べない貴重な社会経験となるのです。市場全体が彼らの学びを温かく見守る、大きな学び舎のような存在となっているようです。だからこそ、後世に残していきたい文化だと現地に行き、目の当たりし、感じました。

木曜市とあわせて巡りたい!高知のおすすめ観光スポット

木曜市で高知の魅力を堪能したあとは、周辺の観光スポットも効率よく巡りたいですよね。高知市の中心部は、歴史的な名所や高知グルメを味わえるスポットが徒歩圏内に集中しているため、木曜市と合わせて観光するのに最適です。ここからは、木曜市観光をさらに充実させるためのおすすめスポットを、具体的なモデルコースと合わせてご紹介します。

木曜市から徒歩圏内!国の重要文化財「高知城」

木曜市の会場からわずか数分歩けば、すぐに現れるのが「高知城」です。日本で唯一、天守と本丸御殿が現存している貴重な城として知られ、その歴史的価値から国の重要文化財に指定されています。天守閣まで登ると、高知市街地を一望できる素晴らしい景色が広がっており、市場の活気とはまた異なる趣を感じられます。現存する本丸御殿や天守は江戸時代の面影を色濃く残しており、歴史好きにはたまらないスポットです。木曜市の賑わいから一転、静かで厳かな雰囲気の中で日本の歴史に触れることができるため、市場とセットで訪れるべき必見の観光地といえるでしょう。

高知グルメが集結!「ひろめ市場」で昼食も

木曜市から歩いて行ける距離に位置する「ひろめ市場」は、高知の食文化を満喫するには欠かせないスポットです。カツオのたたきをはじめ、高知中の名物料理が一堂に会するフードコート形式の市場で、地元の人々や多くの観光客でにぎわっています。活気あふれる空間で、ここでは、さまざまな高知グルメを味わうことができ、隣のテーブルの見知らぬ地元の方とコミュニケーションを楽しめたりできる交流の場でもあります。
午前中に木曜市で地元の旬の食材を眺め、食べ歩きを楽しんだあとは、ひろめ市場で高知の代表的な味覚を堪能する、というプランがおすすめです。

  • ひろめで安兵衛

    高知県|高知市

    「ひろめ市場」の中にある手作り餃子の人気店

    高知城のすぐそばにある観光施設「ひろめ市場」にある、赤い看板が目印の「ひろめで安兵衛」。創業の昭和45年から親しまれる「屋台餃子」を、にぎわう市場の中で手軽に味わえる。高知県民はもちろん県外からのファンも並ぶ逸品は、飲みの〆として食べられる餃子というだけあって、薄皮で野菜が多く女性にも食べやすい大きさ。一人一皿以上は当たり前で注文するそうだ。

    住所:高知県高知市帯屋町2丁目3-1 ひろめ市場

    アクセス:電車:とさでん交通伊野線大橋通停留場より徒歩約3分

    営業時間:12:00~21:00※日・祝日は11:00~20:00

  • 土佐あかうしとワイン プティ・ヴェール

    高知県|高知市

    ひろめ市場で「土佐あかうし」&ワイン

    とさでん交通大橋通停留場から徒歩約3分、高知県の食が集うひろめ市場内にある洋風料理の店「土佐あかうしとワイン プティ・ヴェール」。「土佐あかうし」の料理は、看板メニューの「塊肉ステーキ」をはじめ「ワイン煮」「ミートパスタ」「ハンバーガー」などが揃い、肉にこだわるシェフの逸品が堪能できる。田舎風パテ「パテ・ド・カンパーニュ」は前菜におすすめ。フランスワインをはじめお肉に合うお酒も豊富に味わえるのが嬉しい。カジュアルな雰囲気の店内は、カウンター席やテーブル席があり、気軽に寛げる。

    住所:高知県高知市帯屋町2丁目3-1 ひろめ市場

    アクセス:電車:とさでん交通伊野・後免線大橋通停留場より徒歩約3分

    営業時間:昼:11:00~15:00(LO13:45)、夜:17:00~22:00(LO20:45)

歴史好きなら外せない「高知県立高知城歴史博物館」

高知の歴史をより深く知りたい方には、「高知県立高知城歴史博物館」、通称「城博(じょうはく)」はいかがでしょうか。高知城の追手門の目の前に位置しており、木曜市からも大変近い立地です。土佐藩の歴史や、高知県ゆかりの貴重な歴史資料が数多く展示されており、高知の歴史的背景を体系的に学ぶことができます。

有名な日曜市との違いは?木曜市ならではの魅力

高知には有名な「日曜市」がありますが、木曜市は日曜市とはまた違った独自の魅力を持っています。日曜市が多くの観光客で賑わう大規模な市であるのに対し、木曜市は平日ということもあり、より地域密着型で、地元の暮らしに根ざした「普段使いの市」という顔を持っています。木曜市では、地元の人々の日々の食卓を支える新鮮な食材や手作りの加工品が多く並びます。店主との距離も近く、気軽に会話を楽しみながら、高知の温かい人情に触れることができるでしょう。観光客のにぎやかさとは一味違う、高知の素顔を体験したい方にとって、木曜市はかけがえのない魅力にあふれた場所なのです。

まとめ

単なる観光名所ではない木曜市は、高知の日曜市の300年の歴史と人情が息づく街路市文化を体験できる場所のひとつです。地元に根付いた活気と、土佐のハチキンたちの飾らない笑顔が最高の魅力でした。この市場で交わした温かい会話こそが、旅の一番の思い出になります。高知の心に触れる特別な体験を、ぜひあたも木曜市で!

旅色編集部 ふかい

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記事企画・監修:旅色編集部 ふかい

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