【体験レポ】佐賀の地に灯る「思いの火」。キングダム×(駆ける)佐賀県プロジェクトが幕を開ける
ふかいふかい

佐賀県

1人 / 30代 / 行った時期:1月

2026/02/13

【体験レポ】佐賀の地に灯る「思いの火」。キングダム×(駆ける)佐賀県プロジェクトが幕を開ける

2026年1月、透き通るような冬空の下、九州・佐賀の地が熱狂に包まれました。人気漫画『キングダム』の連載20周年を祝し、始動したプロジェクト「キングダム ×(駆ける)佐賀県 〜佐賀の火を絶やすでないぞォ。〜」。
その「火」が灯る瞬間に立ち会うべく、生まれ変わった佐賀の空の玄関口へと降り立ちました。そこで目にしたのは、単なる漫画コラボの枠を超えた、「意志の継承」と「郷土愛」が共鳴する物語でした。

佐賀空港が変貌!期間限定の「佐賀キングダム空港」

タラップを降り、空港ビルを見上げた瞬間に鳥肌が立ちました。そこにあるのは「九州佐賀国際空港」の文字の横に、堂々たる 「佐賀キングダム空港」のロゴ

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

外壁から階段、ガラス面に至るまで、信や王騎といった英傑たちがダイナミックに装飾されています。

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

©原泰久/集英社 佐賀キングダム空港

驚くべきは、空港スタッフの胸に輝くオリジナルピンバッジ。まさに“チーム佐賀キングダム空港”として一丸となって来訪者を迎えるその姿に、佐賀県の本気度を感じずにはいられません。

テーマは“受け継がれる火”「佐賀キングダム空港特別展」の深淵

開催された特別展のテーマは「受け継がれる火」。
主人公である信が漂から託された夢。王騎から受け継いだ「矛」。麃公から託された「盾」。物語の核となる「思いの継承」にスポットを当て、巨大なコマ装飾や貴重な有田焼コラボ作品などが展示されています。

©原泰久/集英社 「佐賀キングダム空港特別展」

©原泰久/集英社 「佐賀キングダム空港特別展」

空港3階の展示スペースは、原作ファンにはたまらないエリアになっているはず。

なぜ佐賀県とキングダムのコラボが実現したのか?

なぜ、これほどまでに大規模で熱量の高いコラボが実現したのか。その核心は、原作者・原泰久先生のルーツにあります。原先生の故郷が佐賀県であるということ。連載20周年という大きな節目。それを「故郷で祝う」という凱旋の意味が、このプロジェクトには深く込められています。

©原泰久/集英社 「佐賀キングダム空港特別展」

©原泰久/集英社 「佐賀キングダム空港特別展」

また、佐賀県の情報発信プロジェクト「サガプライズ!」が掲げる、常識に縛られない“新しい驚きをつくる”という情熱が、作品の持つ圧倒的なエネルギーと共鳴したことも大きな要因です。今回のテーマである「受け継がれる火」は、物語の核心である「遺志の継承」と、佐賀が誇る「伝統の継承」を結びつける架け橋となりました。単なる観光誘客の枠を超え、作品への深い敬意と郷土愛が融合したからこそ、空港や防波堤をも舞台にするという、前代未聞のスケールが実現したのです。

たくさんの名シーンが。どの場面がお好きですか?

展示スペース内にはテーマに沿った名シーンが。作品をすべて読破している私は興奮が止まりません。

©原泰久/集英社 「佐賀キングダム空港特別展」

©原泰久/集英社 「佐賀キングダム空港特別展」

©原泰久/集英社 「佐賀キングダム空港特別展」

©原泰久/集英社 「佐賀キングダム空港特別展」

周囲でも「このシーン好きなんだよね」とか、「私はこっちが好き」などの声があちこちから。面識がない方でも、好きなものを共感し合える場があることになんだかうれしい気持ちになります。

伝統の白磁に宿る、武将たちの気迫

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

展示の白眉は、 「有田焼」とのコラボレーション大皿です。人間国宝・故・井上萬二氏の孫であり、その卓越した技を継承する井上祐希氏の手による作品が展示されています。
「象徴的な戦いのシーンを、5人のキャラクターで表現しました。静謐な白磁の白に、彼らがいかに引き立つか。私の作風である『飛沫(しぶき)』の模様をかけ合わせることで、戦場を駆ける武将たちの熱量と気迫を表現した」と語ってくれました。
透き通るような白磁の美しさを損なうことなく、むしろその白を背景にすることで、信たちの闘志がより鮮烈に浮かび上がる。そこには、伝統を守るだけでなく、新たな息吹を吹き込もうとする若き継承者の強い意志が刻まれていました。

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

©原泰久/集英社 井上祐希氏 作品

また、企画への思いについて尋ねると、「ちょうど私自身も祖父を亡くし、火が消えそうな時にこの話を頂いた。自分へのメッセージとして受け取り、祖父からの火を絶やさないと決めた」と語ってくれました。物腰もやわらかく、淡々と話してくれるその口調の裏には、強い意志や覚悟を感じられる不思議な人柄にすっかりと魅了されてしまいました。伝統工芸の継承と、『キングダム』が描く遺志の継承。二つのストーリーが重なり、胸が熱くなる瞬間です。

【祝祭の火】本郷奏多さんも驚愕。熱き言葉が交わされたオープニングセレモニー

山口祥義佐賀県知事

山口祥義佐賀県知事

1月27日、新装された「佐賀キングダム空港」を舞台に、プロジェクトの幕開けを告げるオープニングセレモニーが開催されました。会場に満ちていたのは、単なるイベントの始まりを超えた、誇らしさと熱気。登壇した山口祥義佐賀県知事の言葉には、並々ならぬ思いが込められていました。
「作者の原泰久さんは、佐賀が生んだスーパースター。多くの人の人生に勇気を与える『キングダム』と、ついに取り組みができ、これは我々にとっても大きな挑戦です」

「成蟜」が佐賀に降り立つ。本郷奏多さんが語る作品愛

©原泰久/集英社 本郷奏多さん 

©原泰久/集英社 本郷奏多さん 

この祝祭に駆けつけたのは、映画『キングダム』で王弟・成蟜(せいきょう)役を熱演した本郷奏多さん。作中では冷徹で芯の強い面を持っている役ですが、この日は一人の熱烈なファンとして、佐賀の地を踏んだ喜びを語ってくれたのが印象的でした。
「原先生の故郷である佐賀でのイベント。非常に光栄なので、ぜひお邪魔させてくださいとお願いしたんです」
実は今回が初めての佐賀訪問だという本郷さん。「佐賀に来る機会を作ってくれたキングダムに感謝ですね」と笑う姿に、ファン代表としての真摯な熱量が伝わってきます。

突然の「佐賀海苔」の登場に本郷さんも驚き。山口知事との軽妙な掛け合い

©原泰久/集英社

©原泰久/集英社

トークセッションで特に盛り上がりを見せたのが、有明海沿いに出現した「キングダム読破堤」の話題です。300mに及ぶ防波堤に全ページを掲示するという前代未聞の試みに、本郷さんも「凄まじい。毎日通えばタダで全巻読めてしまう」と驚きを隠せない様子。さらに話題をさらったのが、過激な描写を特産の「佐賀海苔」で隠すという、この地ならではの演出です。
「知事はいつでも海苔を出せるんですか?(笑)」
山口知事が懐から実物の「佐賀海苔」を取り出すと、本郷さんから鋭いツッコミが飛び、会場は大きな笑いに包まれました。知事自ら「今年の佐賀海苔はかなりおいしいですよ!」と太鼓判を押す場面もあり、地域の誇りとエンターテインメントが見事に融合した瞬間を目の当たりにしました。

【圧巻の軌跡】有明海の風に吹かれ、300m超の歴史を駆ける――前代未聞の「キングダム読破堤」

空港からほど近い有明海沿い。そこに現れたのは、視界の端から端まで続くかのような巨大な「物語の壁」でした。 その名も「キングダム読破堤(どくはてい)」。

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

広大な有明海の防波堤を利用し、なんとコミックス第1巻から最新77巻までの全ページを掲出するという、まさに前代未聞の屋外展示です。その全長は300m超。一歩進むごとに物語の時間が刻まれ、信たちが駆け抜けた20年の歳月を、自らの足で辿るという極めて身体的な体験がここにはあります。

世界一贅沢な「立ち読み」がここに

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

特筆すべきは、そのロケーションの素晴らしさです。 遮るものがない佐賀の広い空と、日本一の干満差を誇る有明海。刻一刻と表情を変える自然を背景に読む『キングダム』は、電子書籍や部屋でめくる紙のページとは全く異なる輝きを放っています。

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

信の成長と共に歩みを進めると、いつの間にか吹き抜ける海風が、劇中の戦場を渡る風のように感じられるから不思議です。これほど贅沢で開放的な「立ち読み」は、かつてあったでしょうか。しかも、これが「観覧無料」というから、佐賀県の懐の深さには脱帽するしかありません。

夢中になってしまいますが、少し上にも目線を

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

こんなところにも企画者の配慮と愛を感じます。

ユーモアと郷土愛の結晶。過激シーンを救う「佐賀海苔」の魔術

そして、この読破堤において最も話題をさらっているのが、佐賀県ならではのユニークな演出です。

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

©原泰久/集英社 キングダム読破堤

公衆の場ゆえに配慮が必要な「過激な描写」を、なんと特産の「佐賀海苔」のデザインで隠すという独自のアイデアが採用されているのです。これにはセレモニーに登壇した本郷奏多さんも「非常にセンスがある」と驚嘆。
凄惨な戦いの跡を、真っ黒で艶やかな海苔がそっと守る。そこには、作品へのリスペクトと、「佐賀の自慢を笑いに変えて届ける」という、この地の人々が持つ温かなホスピタリティが凝縮されています。海苔で隠されたページを見つけるたびに、思わず笑みがこぼれ、旅の緊張が心地よく解けていくのを感じました。

【歴史の邂逅】始皇帝の夢が眠る地へ。古湯温泉で味わう「癒やしの行軍」

佐賀市北部に位置する古湯温泉には、ある驚くべき伝説が残されています。今から約2200年前、秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて日本へ渡ったとされる方士・徐福(じょふく)。彼がここ古湯の地で温泉を見つけ、人々に授けたという言い伝えです。
始皇帝が追い求めた「永遠の命」。その断片が、時を超えて日本の佐賀に根付いている。この深い縁(えにし)は『キングダム』ファンにとって、これほど「意味のある」聖地巡礼はないでしょう。
期間中は、温泉街の宿泊施設や飲食店を巡ることでオリジナルグッズが手に入るキャンペーンも実施。対象となる旅館や日帰り温泉に浸かり、地元の滋味あふれる料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
特に注目は、王騎将軍が描かれた「オリジナル手ぬぐい」などの限定アイテム。この手ぬぐいを手に、始皇帝ゆかりの湯に浸かる体験は、まさに本プロジェクトの締めくくりにふさわしい、贅沢なひと時となるでしょう。

©原泰久/集英社 王騎の入浴「オリジナル手ぬぐい」

©原泰久/集英社 王騎の入浴「オリジナル手ぬぐい」

結びに:佐賀に灯った「火」を、あなたの人生の糧にする旅

今回の取材を通じて私が確信したのは、この「キングダム × (駆ける)佐賀県」というプロジェクトが、単なる漫画のプロモーションではないということです。
それは、連載20周年という大きな節目を迎えた原泰久先生という一人の作者への、故郷からの最大級の賛辞。そして、長い歴史の中で伝統を守り続けてきた佐賀の人々が、原作に流れる「不屈の魂」に共鳴して作り上げた、一つの「作品」でした。
空から降り立ち、海風に吹かれながら歴史を辿り、山の湯で始皇帝の夢に浸かる。この300m超の読破堤を歩き終えたとき、あなたの心にはきっと、日常の困難を撥ね退けるような、小さくとも力強い「火」が灯っているはずです。
「佐賀の火を絶やすでないぞォ。」
2026年の春。あなたも、自分の中の情熱を再燃させるために、この「熱き火」が燃える佐賀の地へと駆けてみませんか。

■ アクセス・移動のアドバイス

[空路] 羽田空港から「佐賀キングダム空港」への直行便が便利。空港そのものが最大の展示会場です。
[県内移動] 効率よく巡るならレンタカーが推奨。市街地では期間限定の「キングダム・ラッピングバス」も運行されており、乗車できたらラッキー。
[拠点選び] 「始皇帝ゆかりの地」である古湯温泉での宿泊が、本プロジェクトの文脈を味わい尽くすベストな選択です。

■ 体験者からの注意点

[読破堤の対策] 海沿いは風があり、体感温度として低く感じることもあります。防寒対策を万全に。また、各スポットの楽しみが多いので、余裕を持ったスケジュールを。
[限定グッズ:]空港ステッカーや温泉街のノベルティは、なくなり次第終了の可能性があります。特設サイトでの最新情報の確認をお忘れなく。

旅色編集部 ふかい

参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。

記事企画・監修:旅色編集部 ふかい

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