- 1泊2日
- 1日目
鹿児島文学旅行 Part2──物語でめぐる南国名所
鹿児島(鹿児島県)
予算:28,000円〜
・旅行する時期やタイミングにより変動します。あくまでも目安ですので、旅行前にご自身でご確認ください。
・料金は1名あたりの参考価格で、宿泊施設は1泊2食付き週末料金を参考にしています。
・レンタカーやガソリンの代金など交通費は含みません。
更新日:2025/04/14
物語でめぐる──本当に? (笑)。そんな声をよそに今回もやりますよ、文学旅@鹿児島Part2を。今回の旅は、南国の楽しさに加え、文学がもつ特性のひとつ“哀しみ”の漂う旅となりました。どうかすると鹿児島は、凄絶な悲哀を隠し持つ土地なのかもしれませんね。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 鹿児島文学旅行のPart2 は、何はなくとも城山です。西郷隆盛を総大将とした薩軍と政府軍とが戦った西南戦争の舞台ですからね。維新の英傑・西郷さん終焉の地をはじめとする史跡をめぐっていきましょう。江戸時代という幕藩体制を打ち破った西郷さんは、なぜ旧士族を率いて新政府との死闘に向かったのでしょうか。一緒に歩きながら文学を紐解くとしましょう
- ★ 文学旅行としては、やっぱり「翔ぶが如く」(司馬遼太郎)を一等としなければならないでしょう。これを越える歴史小説は、もはや不世出だろうと思われます。そのため、後生の作家は史実にもとづく歴史小説とは異なるアプローチをするようになっています。たとえば中村文則「薩摩剣士」は、その意味でおもしろいですよ!
猫神社(仙巌園)

猫神社(仙巌園)

案内猫2

猫神社祠

名勝・仙巌園(俯瞰)

愛猫長寿祈願祭(絵馬)

愛猫長寿祈願祭(祭礼)
仙巌園(せんがんえん)は1658年に19代光久が築いた島津家の別邸。園内にある猫神社(ねこがみしゃ)は、17代島津義弘が文禄・慶長の役に連れていった7匹の猫のうち、無事に帰国した2匹を祀る。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 概要欄に示した島津義弘の逸話は、鹿児島ではつとに知られているようです。無事に帰国した2匹は「ミケ」と「ヤス」という名前でした。ミケはその名の通り三毛猫で、ヤスは茶トラ柄だったといいます。そのためもあってか、鹿児島では茶トラの猫を「ヤス猫」と呼ぶのが一般的だとか
- ★ 義弘が猫を戦場に連れて行ったのは、猫の瞳の変化で時刻を知るためといわれています。しかし猫好きの人ならピンと来ますよね、それだけが理由ではなかったはずだ、と。命がけの戦場にあっては、飼い猫の「癒やし」が必要だった……そうした意味合いもあったはずだと思いませんか?
- ★ 2月22日(猫の日)には「愛猫長寿祈願祭」が行われ、多くの参列者が集うそうです。小さな祠のまえに、大きな鯛を供えた祭壇をしつらえ、愛猫家たちが玉串を捧げていきます。最近では海外からの観光客も訪れるようになり、愛猫家界隈で“聖地化”してきているようです
- ★ 猫をモチーフにした小説は、夏目漱石「吾輩は猫である」を筆頭に、内田百閒「ノラや」もいいですし、最近では石田祥「猫を処方します」シリーズが人気なようです。う〜ん、処方されたい(笑)

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ Part1 向田邦子旅で磯山から観た景色も感動しましたが、実際に降り立つ桜島は、どんな感じなのでしょうか……? ドライブ気分で桜島へ渡ってみましょう! 薩摩半島を東へまわる国道10号線の海岸線はグッドなんですっ
- ★ 桜島は、海に囲まれながら大都市と共存するという、世界でも唯一無二の火山です。力強さだけでなく、とてつもない優しさを感じさせる山容は、周囲にきらめく海を抱いているからにほかなりません。いつどんなときに観ても、落涙するほど勇気づけられる偉容です
- ★ 文学旅行としては「林芙美子文学碑」があるんですねぇ(笑)。昭和文学の女帝・林さんは「放浪記」のタイトルでわかるように出生不明の、いわゆる根無し草でしたが、戸籍上の出生届はここ桜島で提出されているんです。母親の林キクが桜島古里村の出身で、旅館勤めをしていたためで、芙美子自身も幼少期を過ごしました。なので、この地に文学碑があるんですねぇ
- ★ 碑には有名な「花のいのちは短くて 苦しきことのみ多かりき」が刻まれています。この詩を覚えておいてください。のちほど転回がありますから。それにしてもこの詩──終わり方が寂しくないですか?
- ★ 概要欄に記した「シラス」台地は、水はけがよいために、大陸から伝わってきた稲作には不向きでした。そのため南九州ではサツマイモなどの畑作や畜産が盛んに行われるようになり、今日の鹿児島の特産物が生まれた、というわけですね
桜島マグマ温泉

桜島マグマ温泉

桜島マグマ温泉(現地にて撮影)

施設入り口(現地にて撮影)

国民宿舎・レインボー桜島(現地にて撮影)
国民宿舎・レインボー桜島内にある温泉施設。地下1,000mから湧き出る源泉湯掛け流しで、遠赤外線サウナ・水風呂・電気風呂を完備する。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 林キクのかかわった旅館はすでに閉鎖されていますが、ちょっと珍しい温泉があるので、昼食とともにお湯を試してみませんか? “マグマ温泉”の名の通り茶褐色の源泉掛け流しなんですよ(源泉温度が高いため加水されているそうです)
- ★ 泉質は、ナトリウム塩化物泉で温度51.4℃ (源泉温度が高いため加水されているそうです)。300(リットル/分)の湧出。 効能は、切り傷・神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・ 運動麻痺・慢性消化器病・冷え性・疲労回復・ 健康増進など!
- ★ こちらは国民宿舎ですから、施設内にはもちろんレストランがあります。それもイタリアンなんです! しかも価格帯が良心的! このタイミングで昼食をとることにしましょう。ね? ね? お風呂から出て、ちょうど良いと思いますよ!
SHIROYAMA HOTEL Kagoshima

SHIROYAMA HOTEL Kagoshima

桜島と林芙美子文学碑(写真提供:井上周一郎)

文学碑の彫刻(写真提供:井上周一郎)

ホテル外観①

ホテル外観②

ラウンジ&バー
標高108mの高台・城山に建ち、桜島と錦江湾を臨むホテル。厳選された地元素材による料理や地下1000mから湧き出る絶景展望露天温泉などプレステージな滞在時間を提供する。文学碑の写真提供は彫刻家・井上周一郎氏。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 続いては、こちらの高級ホテルにご案内いたします。スポット3 桜島にあった林芙美子文学碑を思い返してください。有名な「花のいのちは短くて……」の詩です。この詩、何とも寂しくないですか? と申し上げましたが……
- ★ 実は、この詩には続きがあったんです。詩文は「苦しきことのみ多かりき」と結ばれるのではなく、「多かれど──」と続いていることが近年になって判明したのです。この発見に感動した林の甥にあたる人物が新たな碑を建立したというもの。時は2015年のことでした。設計から制作までを手がけたのは彫刻家の井上周一郎さん。碑の建つ場所はホテルの噴水広場ですので、フロントに申し出る必要なく、見学だけでもカムカムエブリバディですよ
- ★ 文学旅行的には新名所なのですよ、はい。……で、詩文「苦しきことのみ多かれど──」の続きはどういうものだったかって? それは現地へ旅して確認してください(笑)。きっと希望を見いだせるはずですから〜。→彫刻家の井上周一郎さんとのつながりについては文学旅行 note:https://note.com/airplane_deer でね

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ パリ五輪の凱旋会見。卓球シングルス銅メダルに輝いた早田ひな選手が“今やりたいことは何か”とメディアから問われ「卓球ができることは、当たり前じゃない」といい、アンパンマンミュージアムとともに「鹿児島の特攻資料館へ行ってみたい」と応えたニュースをご記憶の方も少なくないと思います。24歳の若い女性アスリートの言葉に、話題の唐突感を超えて、立派な大人の女性の内面を感じたのは小生だけでしょうか?
- ★ 多くの戦争文学でも描かれている特攻隊。描き方のアプローチはさまざまです。私たちはこのテーマで何かの本を推すことはしません。どれでもかまわないので興味を引く関連本を読書し、史実と実相を伝える会館を訪れてみてください。そのとき、貴方は何を感じ、どう考えるでしょうか。願わくば早田さんと同じように感じ考える人の多いことを……
- ★ というのも……僭越ながら不肖わが家族の祖先が賜った出征旗を掲げさせていただきました。小生のご先祖さんは生還することができましたが、犠牲となった方々がいて小生が現世にあるという事実を噛みしめつつ「生」の大切さに思いを致すことといたします……

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 気分を変えましょう。一面に広がる緑の茶畑と青空のコントラストに、ため息が出るはずです。そして胸いっぱいに呼吸する空気のおいしいことといったら……こんなに美しい日本を後生に残すために私たちは生きているのだと思える、などといえばいいすぎでしょうか(笑)
- ★ 知覧茶の生産量は年間1万2000から1万3000トンだといいます。この量は国内で生産される日本茶全体の15〜16%を占めるものです。それがどれだけすごいことかというと、市区町村単位での生産量では日本一を誇っているのですよ、はい
- ★ で、さらにすごいのは、知覧茶はことさら「知覧」のブランドをつけず、一般的にはブレンド茶(合組)の役割を担っていることです。つまり日本茶の品質向上と安定供給を陰で支える巨人なのです
- ★ 茶畑の片隅に1軒の販売店があったので、そこで新茶をお土産に購入しました。どういうわけか女将さんから「どちらから?」と訊かれ(たぶんイケメンだったからでしょう笑)、「文学旅行として全国をまわっているんです」と応えると、値引きしてもらえました←よい子の皆さんは真似して目的にしないようにね。これもめぐり合わせですから〜
砂むし会館「砂楽」

砂むし会館「砂楽」

会館外観(現地にて撮影)

右側の軒下が砂風呂(現地にて撮影)

ここが!(現地にて撮影)
全天候型砂むし体験施設。その歴史は古く、江戸時代初期の元禄16(1703)年頃から湯治に使われていたといわれる。なぜ海岸の砂浜に温泉が自然湧出するのか、メカニズムの詳細は今も分かっていない。
-
【住所】
鹿児島県指宿市湯の浜5丁目25番18号
- 【TEL】 0993-23-3900
- 【営業時間】 <平日>8:30開館、12:00〜13:00、受付休止(1時間)、20:00受付終了、21:00閉館 ※「受付休止」の1時間は受付のみ休止。砂むし温泉や内湯などは休止されません。<土日祝>8:30開館、20:00受付終了、21:00閉館
- 【定休日】 <メンテンス休館日>7月・12月
- 【料金】 <砂楽セット>(砂むし温泉、大浴場温泉、レンタル浴衣、砂楽記念タオル、レンタルバスタオル)大人(中学生以上)2,100円、小人(小学生以下)1,400円、<砂楽安心セット>(上記にレンタルインナーが付いたセット)大人2,400円、<砂むしタオルセット>(レンタルバスタオルを除いたセット)大人1,800円、小人1,100円

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 葦簀(よしず)に囲われた砂場へ浴衣姿で横たわる。そこにネジリ鉢巻きハッピ姿の係員がスコップで砂を掛けてゆく。温泉を吸った砂はズシリと重い。唯一外界に出している顔から汗が吹き出してくる。砂の中では、お尻に火がついたたよう。たまらず腰を動かそうものなら、できたすき間の空気がさらに熱せられてしまうので注意が必要だ。熱い。熱い──
- ★ しら波の下(した)に熱沙(ねっしゃ)の隠さるる不思議に逢へり揖宿(いぶすき)に来て<与謝野晶子・鉄幹「霧島の歌」その二 第300>──この地に与謝野晶子・鉄幹が吟行したのは昭和4(1929)年7月のこと。事あるごとに故郷の鹿児島を自慢する友人・山本実彦(ジャーナリストで改造社の創業者)に招待されてのこと、でした
- ★ 来て立つや沙の身すらも極熱(ごくねつ)のおもひを持てる揖宿(いぶすき)の磯 <同上 第323>──情熱の歌人・与謝野晶子は、指宿の砂にさえ“熱き思い”を見出しており、何だかおもしろいのです。それが恋愛のことなのか仕事のことなのか、読む人がそのときの状況に応じて感じればよいわけですが、熱砂と闘っているときにそんなことを考えている余裕はなく、入浴時間の目安とされる10分を超えて、体と相談しながら、さあどこまで入っていられるか挑戦です(笑)

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 美しい山にご案内いたします。完璧なまでの円錐形とそのシルエットは、まさに小さな富士山ですよね。画像集ではJR最南端の駅・西大山駅からの眺望をはじめ、旅の途中で撮ったさまざまな開聞岳を展開しました。旅情を感じていただけたなら幸甚です
- ★ スポット6──知覧特攻平和会館(旧陸軍飛行場)から出撃する特攻隊機は、まず開聞岳へ進路をとったといいます。その美しい姿を霊峰・富士山に重ね、上空を旋回して故郷や家族への別れを告げ、決死の作戦へと向かったのです。こんなにも美しい場所が死地に赴く心象風景となってしまう悲劇を、多くの戦争文学が物語の舞台として描いています……
- ★ ここでは伊能忠敬について触れていきたいと思います。というのも、南九州の測量で番所鼻を訪れた66歳の伊能は、この景観に感動し「けだし天下の絶景なり」と賞賛したというのです。画像の碑がそれで、揮毫は鳩山一郎。伊能の生涯を描いた小説といえば、井上ひさし「四千万歩の男」でしょうね。……異論は認めます(笑)

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ この地には梅崎春生の文学碑が……ひっそりと建っています。梅崎は、「沈黙」で知られる遠藤周作と親交の深かった同時代の作家ですが、今はもう読まれなくなっています。これも時代ですね。その梅崎の代表作「幻化(げんか)」は、坊津を舞台にし、ダチュラの花を印象的に使った、どこか幻想的な物語です
- ★ 戦時、梅崎は召集され、暗号兵として坊津に赴任しました。この地に赴いた暗号兵の役割は何だったと思いますか? 知覧から飛び立つ特攻機は敵艦に体当たりする直前に「突入する」意味のモールス信号を打電します。坊津の暗号兵は、その信号を受け取り、記録する役目を担うのです。「トトツートト」という電子音は、やがて途切れます。それは若い命が消えていく(音)でした。暗号兵は、その音を記録し続けなければならなかったのです
- ★ 凄絶なほどの碧海は、歌川広重の絵心を刺激する魅力を持っています。江戸時代にあっては、薩摩藩の裏経済を支える海上の要衝でもありました。その半面で坊津は、20世紀の一時期に想像を絶する現実があった場所でもあるのです
いせえび荘
開聞岳を望む鹿児島の景勝地・番所鼻に立つ「伊勢海老」づくしの宿。先代から続く二人の兄弟を中心に営まれる絶景の宿は、ニッポンの晴れの日・お祝いの日にぴったり。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 今回の宿泊先です。いや〜、このお宿はホントにいいんですよ〜。伊勢海老づくしの料理はもちろんのこと、経営陣とスタッフのホスピタリティも満点。以前宿泊した際に、夕食時「何か良い焼酎はないですか?」と尋ねると、「おすすめがあります」といって出してくれたのが、まちおこし焼酎「穎娃」でした
- ★ 穎娃高校書道部によるラベルが貼られたボトルには、頴娃町で収穫する黄金千貫を原料にした黒麹仕込みの本格焼酎が満たされています。とろりとした透明の雫を黒ぢょかに受けてグイッと……そこへ伊勢海老の身を……もうたまりませんね──あっ、文学縛りから外れてしまいました。……でも、地域活性化に貢献しているんですから、目的達成ですよね(笑)
- ★ でね、眼前に広がる番所鼻自然公園の海がまた穏やかでいいんですわ。「海と語り合える部屋」という謳い文句どおり、虫の来ない3~5月くらいの季節ならば、夜に窓を開けて就寝してごらんなさい、絶え間なく寄せるさざ波の音が子守歌になり、えもいわれぬ体験ができますゾ
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※掲載情報は取材時のものであり、変更が生じている場合がございます。詳細は各施設にご確認下さい。
鹿児島で伊勢海老祭りを堪能!ご当地スーパーも巡るグルメ旅へ
阿久根、薩摩川内(鹿児島県)
予算:18,000円~


スーパーマーケット研究家一般社団法人全国ご当地スーパー協会
新しい鹿児島観光の魅力を発見!グランピングや知覧で歴史を学ぶ
鹿児島、日置、知覧(鹿児島県)
予算:15,000円~


プランナー旅色編集部
鹿児島文学旅行 Part1──向田邦子「故郷もどき」追体験
鹿児島(鹿児島県)
予算:20,000円~


NPO法人文学旅行主宰鹿子沢ヒコーキ
鹿児島ご当地グルメを巡る日帰り女子旅 ぢゃんぼ餅や地鶏も堪能
鹿児島(鹿児島県)
予算:7,000円~

ご当地グルメ研究家椿 TSUBAKI
京都でパワースポット巡り のんびり嵐山観光も楽しむ女子旅
京都(京都府)
予算:25,000円~


プランナー旅色編集部
明石海峡大橋と淡路島を望む絶景宿へ!神戸・舞子の海辺満喫旅
神戸(兵庫県)
予算:24,000円~


癒されたい系女子旅ライター東郷カオル
奈良・薬師寺の法話とお写経で整う。歴史や上質文化を巡る女子旅
奈良(奈良県)
予算:30,000円~


プランナー旅色コンシェルジュ・深井
沖縄の世界遺産と無形文化遺産に触れてほろ酔い旅-中北部編-
那覇、うるま、読谷、恩納、名護、今帰仁(沖縄県)
予算:36,000円~


世界遺産検定マイスターあけひとみ














































