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大友良英+YCAM 新作展「即興!」【山口情報芸術センター[YCAM]】

大友良英+YCAM 新作展「即興!」【山口情報芸術センター[YCAM]】

展覧会ロゴ「即興!」 デザイン:垂井美穂

発信日:2026年05月20日

2026年10月17日(土)〜2027年03月01日(月)

入場料:一般 1,000円

音楽家・大友良英の集大成となる大規模展を開催

メディア・テクノロジーを用いた新たな芸術表現の探求と実践を行うアートセンター山口情報芸術センター[YCAM]は、2026年10月17日~2027年3月1日まで大友良英+YCAM 新作展「即興!」を開催します。大友良英は、フリージャズ、即興演奏、ノイズ音楽、映画音楽など国内外の多彩なシーンで活動し、常に表現の可能性を拡張する試みに取り組んできた音楽家の1人です。
本展は、大友の創作の基軸であり、アンサンブルの根底にもある「即興」をテーマに、大友とYCAM、そしてさまざまなジャンルのアーティスト5名とのコラボレーションによる新作展です。YCAMで芸術表現の制作などに特化した研究開発チームの<YCAM InterLab>が共同で制作に携わります。磯崎新設計によるYCAMの建物の特徴や周囲の環境にも呼応して、多彩な音や存在がぶつかり合い、響き合う、即興の豊かな世界を開いていきます。

本展開催に先駆け7月24日より大友良英と美術家・青山泰知、エンジニア・伊藤隆之との共作、サウンド・インスタレーション《without records》の先行展示を行います。また、10月17日からは、音楽家・坂本龍一へのトリビュート作品《DUO》、現代美術家・持田敦子とのダイナミックなインスタレーション、さらに音楽家・Sachiko Mと大友のユニットFilamentによる野外のサウンド・インスタレーション作品《"filaments" in the Park》を公開します。
感覚を開き、多様な他者との即興が繰り広げる予測不能な136日間の実践にご期待ください。

大友良英から本展開催に向けてメッセージ

今回の展示のテーマは「即興!」です。
2008 年にYCAM と本格的なコラボレーションを行った「ENSEMBLES」展は、私の創作において大きなターニングポイントにもなった作品で、多様な人々との「協働=アンサンブル」が当時の大きなテーマでした。震災やパンデミックを経て、「協働=アンサンブル」をより豊かなものにするのは「即興」ではないか、そんな思いを強くしています。
私の音楽にとって「即興」は根っこと言えるくらい大切なものですが、多くの創作にとって、もっと言ってしまえば、この先の社会にとっても「即興」はとても重要なもの、根本にあれば社会はより豊かになるもの、そう思うようになりました。
前回の展示から18年の時を経て、私自身の出発点を見つめることになるであろう「即興」をテーマに、YCAMやさまざまな人たちとの新たなアンサンブルを始めたいと思います。

大友良英

■本展のみどころ

1. 大友良英「即興」の集大成となる大規模展

大友にとって「即興」は、創作の発想の根幹にあるものです。あらかじめ決められたものを再現するのではなく、演奏が行われる場を構成する共演者や聴衆、環境などのさまざまな要素との相互作用により生成される表現や、コミュニケーションを基盤とすることが大友にとっての「即興」です。単に個人の表現として作品があるのではなく、多くの人々の即興的ともいえる協働の結果として作品が生まれるという考え方がその根底にあります。本展は大友にとっての「即興」という考え方やその実践を、展示作品として集大成し、表現やコミュニケーション、人や社会との繋がり方として「即興」的であることの意義を問いかけます。

2. トリビュート作品 坂本龍一との即興演奏を生成する

YCAMともゆかりの深い、音楽家・坂本龍一と大友は、これまでピアノとギターというシンプルな編成で多くの即興演奏を行ってきました。大友による坂本へのトリビュート作品《DUO》は、AI等の音響解析や再現の技術は一切使わずに、ギターとピアノを物理的な仕組みによって鳴らすことで、2010年代の坂本と大友の即興演奏の特徴を再現します。本作品のためにYCAM InterLabは、大友によるギターの即興演奏の特徴を抽出し、自動演奏する装置を開発。また大友による監修の元、坂本の残したピアノの打鍵データ(MIDI)から即興演奏の特徴を再現。本人たち不在のもとで、永遠に演奏を生成し続ける作品です。

3. 18年ぶりのYCAMとのコラボレーション

2008年にYCAM で開催された大友の初の展覧会「大友良英/ENSEMBLES」は、それまでの音楽活動をさらに拡張する試みとして、多くのアーティストや市民との協働がテーマでした。YCAM全館を使って展示された、4つのサウンド・インスタレーション作品全てにおいて、その場で音楽が生成され、二度と同じ瞬間が訪れない仕組みをYCAM InterLabとの協働で開発しました。YCAMでは、その後も坂本龍一をはじめ、国内外の数々のアーティストとの協働を実現してきましたが、18年の時を経て再び大友とのコラボレーションが実現します。

本展に向けた作品制作の様子(2026) 撮影:青山真也 

本展に向けた作品制作の様子(2026) 撮影:青山真也

■先行展示|会期:2026年7月24日(金)~

大友良英+青山泰知+伊藤隆之《without records》(2008) 撮影:丸尾隆一(YCAM)

大友良英+青山泰知+伊藤隆之《without records》(2008) 撮影:丸尾隆一(YCAM)

サウンド・インスタレーション《without records》
ポータブル・レコードプレイヤー約100台使用
本展開催に先駆け、7月24日(金)より、YCAMのホワイエで、大友良英、美術家の青山泰知、エンジニアの伊藤隆之の手によるサウンド・インスタレーション《without records》の先行展示を行います。本作は2005年に大友が最初に手がけた展示作品で、その後もさまざまな姿に発展し、国内外で発表、2008年にもYCAMで《without records》の大規模展示が行われました。「即興」と「協働」を基本に置いた本作品は、今日に至るまで大友の展示作品の根幹であり続けています。10月17日(土)より開催される本展で発表される3つの新作展示のルーツともいえる《without records》が、これから制作される3つの新作をつなぐ回廊のような、あるいは神経細胞のような役割を担います。1970年代前後に流通し、既に役目を全うした使用済みの100台ほどのポータブル・レコードプレイヤーたちが本作品の主役です。全てのプレイヤーは、多くの人たちの手により、レコードなしでプレイヤー独自の音を発するようにさまざまな方法で改造が施されます。これらのプレイヤーを星座のように配置し、自動演奏でオーケストラのようなアンサンブルを行ないます。極めてアナログな作品ですが、2度と同じ瞬間のないポータブル・レコードプレイヤーたちの永遠に続く即興的なアンサンブルを独自システムにより実現します。

■本展示|会期:2026年10月17日(土)~2027年3月1日(月)

新作《DUO》

2012年にYCAMで開催されたコンサート「2050年を想像する音楽 ―ドビュッシーとケージからの発想」リハーサルの様子 写真左:大友良英/写真右:坂本龍一 撮影:田邊るみ

新作《DUO》

アーティスト:大友良英、坂本龍一
会場:スタジオB
坂本龍一が生前におこなったピアノでの即興演奏の運指データを使用し、大友の自動演奏ギターと共演する新作サウンド・インスタレーション作品。坂本のために特注で制作された信号制御ピアノと、YCAMInterLabが開発した大友の演奏を自動化したギターが即興デュオ演奏を生成します。

新作《"filaments" in the Park》

《"filaments" in the Park》制作の様子(2026) 撮影:青山真也 

新作《"filaments" in the Park》

アーティスト:Filament(Sachiko M & 大友良英)
会場:中庭、山口市中央公園
Sachiko Mと大友によるユニットFilament。「聴く」ことを中心に据えた即興的音楽活動を実践してきた同ユニットによる野外サウンド・インスタレーション作品。環境音や喧騒の中で、自分の耳を澄まし、小さな変化に集中することで、鑑賞者の聴取体験がさまざまな音の要素を繋いでいきます。

新作《ダンス》(仮)

持田敦子《Dancing Teahouse》(2025) 撮影:Lloyd S. Lee

新作《ダンス》(仮)

アーティスト:大友良英、持田敦子、伊藤隆之
会場:スタジオA
無数のスピーカーを大空間に設置し、膨大な音源を再生する音響と、美術家・持田敦子による空間表現が呼応する新作インスタレーション。音質や演奏技術、音の持つ情報強度の幅が極端に広い音源を扱い、構造物から生じる物理音も入り混じり混然と立ち上がる音楽。コンピューターの演算、人の手による操作などパフォーマンス要素も含まれる予定。

音楽家 大友良英 ギタリスト/ターンテーブル奏者/作曲家/  映画音楽家/プロデューサー

大友良英

音楽家 大友良英 ギタリスト/ターンテーブル奏者/作曲家/ 映画音楽家/プロデューサー

大友の音楽および演奏スタイルの展開は、時代とともに変化してきた録音・再生技術や、増幅、編集技術の進展と密接に同期してきました。サンプリング、ノイズ、フィードバックなど、従来は「音楽」の枠外とされてきた音響的アプローチを作曲や演奏に取り入れ、それらをひとつの音楽様式の中に共存させることで、大友の音楽は革新を重ねてきました。その一方で、一般の人々との協働や障害のある人たちとのコラボレーション、アジア各国の先鋭的な音楽家とのネットワークづくりなど、これまでの先鋭的な音楽家がやり残していた領域にも果敢に挑戦し、その集大成ともいえるのが2008年にYCAMとの共同で行われた「大友良英/ENSEMBLES」展でした。この展示を大きな契機として東日本大震災以降は、それまでの活動を踏まえつつ被災地での市民との協働の道をさまざまな形で模索、この活動で2012年には芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。また90年代から映画やテレビのサウンドトラック作曲家としての顔をもち、2013年には「あまちゃん」の音楽で日本レコード大賞作曲賞を受賞するなど、ノイズ等の先鋭的な音楽からポップスや映画音楽まで幅広いジャンルを手がけるアーティストです。

・先行展示 大友良英+青山泰知+伊藤隆之 《without records》

会期:2026年7月24日(金)~ 
開館時間:10:00~19:00
会場:山口情報芸術センター[YCAM] ホワイエ
入場:無料

山口情報芸術センター[YCAM]

外観 撮影:山中慎太郎(Qsyum!)

山口情報芸術センター[YCAM]

山口情報芸術センター(Yamaguchi Center for Arts and Media) 通称「YCAM(ワイカム)」は、山口県山口市にあるアートセンターで、展示空間のほか、映画館、図書館、ワークショップ・スペースなどを併設しています。2003年11月1日の開館以来、メディア・テクノロジーを用いた新しい表現の探求を軸に活動。展覧会や公演、映画上映、子ども向けのワークショップなど、多彩なイベントを開催。市民やさまざまな分野の専門家とともにつくり、ともに学ぶことを活動理念としながら、メディア・テクノロジーとの適切な向き合い方、文化基盤としての情報の可能性、さらには人間にとっての情報の意味について、YCAMは幅広いアプローチで探求をおこなっています。

公式HPはこちら

ホワイエ 撮影:勝村祐紀

ラボ 撮影:勝村祐紀

山口市立中央図書館 撮影:宮本剛

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INFOMATION

大友良英+YCAM 新作展「即興!」【山口情報芸術センター[YCAM]】

住所
山口県山口市中園町7-7(山口情報芸術センター[YCAM] スタジオA、スタジオB、中庭、山口市中央公園ほか)
公式HP
https://special.ycam.jp/otomo-sokkyo/
営業時間
10:00~19:00
定休日
火曜日(祝日の場合は翌日、但し9月23日は開館)、9月24日、年末年始(12月29日~1月3日)
入場料
一般 1,000円 山口市民/29歳以下:500円
any 会員/18歳以下:無料
障がい者手帳をお持ちの方と介助者1名:無料

※ ホワイエ、中庭、山口市中央公園は無料
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