2025年から富士山の入山料が値上げ 事前登録や入山手続きについて解説

2025年から富士山の入山料が値上げ 事前登録や入山手続きについて解説

観光・カルチャー

2025/05/29更新

2025年から富士山の登山ルールが大きく変わります。富士登山オフィシャルサイト、静岡県公式ホームページ、山梨県公式ホームページによると、入山料が値上げされ、全ルートで新たな規制や事前登録システムが導入されます。これは、富士山の環境保全と登山者の安全確保を目的としたもので、特に「弾丸登山」と呼ばれる危険な登山形態を防ぐための措置が強化されます。本記事では、2025年の富士登山における入山料の値上げ、事前登録や入山手続きの具体的な変更点について、詳しく解説します。

2025年の富士登山 新ルールのポイント

2025年の富士登山シーズン(例年7月上旬~9月上旬)から、山梨県側の吉田ルート、静岡県側の富士宮・御殿場・須走ルートの全4ルートで共通のルール変更と、各県独自の規制が導入されます。

田んぼに映る逆さ富士

Photo by PIXTA

全ルート共通の主な変更点

入山料(通行料)

1人1回につき4,000円となります。従来の協力金(任意)とは異なり、支払いが義務化されます。

入山規制時間

午後2時から翌朝午前3時までの間は、山小屋宿泊者を除き、5合目登山口からの入山が規制されます。これにより、夜通しで山頂を目指す「弾丸登山」を抑制します。

事前予約・登録

各ルートでウェブシステムからの事前予約または事前登録が必要になります。

入山料の値上げとその背景

これまで、山梨県側では2024年に1人2,000円の通行料が導入されていましたが、2025年からは静岡県側も足並みを揃え、全ルートで4,000円に統一されます。この入山料は、登山道の整備や安全対策、環境保全、救護体制の充実などに充てられる予定です。

登山中に写真を撮影する女性

Photo by PIXTA

事前登録と入山手続き

登山者の利便性向上と管理体制強化のため、各ルートでオンラインによる事前登録システムが導入されます。

山梨県側(吉田ルート)

通行予約システム
「富士登山オフィシャルサイト」内からアクセスできる専用システムで、登山日、登山者数、日帰りか山小屋泊かなどを入力し、通行料4,000円を事前に決済します。
参照:山梨県富士山吉田ルート通行予約について

予約開始
2025年シーズンの予約は4月24日(木)の13時から開始されています。

誓約事項
予約時に「弾丸登山をしない」「防寒具や登山靴などの装備を整える」といった安全登山に関する誓約が必須となります。

人数制限
1日あたりの登山者上限は4,000人(山小屋宿泊者を除く)です。上限に達した場合もゲートが閉鎖されます。

その他
予約後の日程変更やキャンセルも可能になる予定です。5合目ゲート以外から入山した場合でも、登下山道を使用する場合は通行料が必要です。御中道散策やゲート外での5合目観光は通行料不要です。

静岡県側(富士宮・御殿場・須走ルート)

システム利用開始
2025年5月9日から運用が開始されています。

現地での手続き
システム未登録の場合、各登山口5合目で入山料の納入及びルール・マナーの現地学習が必要です。

人数制限
静岡県側では1日あたりの登山者数の上限は設定されていません。

午後2時以降の登山
山小屋の宿泊予約が必須となり、現地で予約の有無を確認します。

静岡県側(富士宮・御殿場・須走ルート)事前登録について

登山する女性

Photo by PIXTA

静岡県公式アプリ「静岡県FUJI NAVI」から事前登録を行います。アプリをインストール後、手続きの流れは下記です。
※「静岡県FUJI NAVI」ダウンロードはこちら
App Store
Google Play

・登山情報の登録
登山日や氏名、山小屋宿泊の有無などを入力します。

・入山料の納付
1人1回4,000円をクレジットカードや電子決済などで支払います。

・事前学習(eラーニング)
富士山の保全、安全登山に係るルール・マナーを学習し、確認テストに合格する必要があります。

・入山証の取得
登録・支払い、テストの全問合格後、QRコード形式の「入山証」が発行され、登山当日に5合目登山口で提示します。

入山規制の詳細

全ルート共通で、午後2時から翌朝午前3時までは、原則として5合目登山口からの入山ができません。これは、十分な休息を取らずに夜通しで登頂を目指す「弾丸登山」を防ぎ、高山病や低体温症、滑落などのリスクを軽減するための措置です。

山梨県側

ゲート閉鎖時間は従来の午後4時から2時間早まり、午後2時からとなります。

静岡県側

各登山口にゲートを設置し、同様に午後2時から翌朝午前3時まで通行規制を行います。

山小屋宿泊者の例外

山小屋を予約している登山者は、規制時間帯でも入山が可能です。

登山者が準備すべきこと・注意点

富士登山 山頂を目指すシルエット

Photo by PIXTA

公式サイトでの最新情報確認
登山ルールや予約システムの詳細は、「富士登山オフィシャルサイト」や各県の公式サイトで必ず最新情報を確認してください。

早めの計画と予約
特に山小屋の宿泊は早めに予約しましょう。事前登録システムも利用開始時期を確認し、余裕をもって手続きを行いましょう。

十分な装備と体力
富士山は標高が高く、天候も変わりやすいため、防寒着、雨具、登山靴など適切な装備と、十分な体力が必要です。

日帰り登山の注意
日帰り登山は十分な体力と経験がなければ大変危険です。余裕のある計画を立て、下山時間に注意しましょう。

ルールとマナーの遵守
新しいルールを理解し、富士山の自然と文化を尊重して、安全でマナーある登山を心がけましょう。

まとめ

2025年から富士登山は、全ルートで入山料4,000円が義務化され、午後2時から翌午前3時までの夜間入山規制が導入されます。山梨県側では通行予約システム、静岡県側では「静岡県FUJI NAVI」アプリ等による事前登録と事前学習が必須となります。これらの変更は、富士山の環境保全と登山者の安全確保を目的としており、特に危険な「弾丸登山」の防止が重視されています。登山を計画される方は、必ず「富士登山オフィシャルサイト」などで最新情報を確認し、新しいルールを理解した上で、十分な準備をして安全で快適な登山を楽しんでください。

参照
富士登山オフィシャルサイト
静岡県公式ホームページ
山梨県公式ホームページ

旅色編集部 なかやま

参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。

記事企画・監修:旅色編集部 なかやま

掲載情報の一部の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright MAPPLE, Inc.
Copyright indepth, Inc.
※掲載情報は取材時のものであり、変更が生じている場合がございます。詳細は各施設にご確認下さい。