【秋の服装】気温差もへっちゃら!おしゃれで快適な秋の旅行コーデをテイスト別に紹介
2023/12/28
鎌倉や浅草、京都など有名観光地を歩いていると着物で歩いている人を多く見ませんか? 着物や浴衣のレンタルショップも増え、老若男女問わず着物を楽しむ方が増加しているように見えます。川越にお店を構える「キモノレンタル和香」の上野さまに初心者の方が自分で着付けをする際のポイント、持っておくと便利なアイテム、着崩れ防止法を紹介していただきます。
この記事の目次
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着物を着て外を歩いている方が少ない為、人の目を集めやすく、姿勢や所作は悪目立ちする事もあります。着物は直線的なデザインなので、猫背やストレートネックなど体のゆがみが洋服より分かりやすくなっています。いつもより少しだけ、顎を後頭部の方に引き、両方の肩甲骨を背中の中央に寄せる姿勢を心掛けると美しく見えるので心がけておくとより着物が美しく見えますよ。
歩き方
着物を着ていても、大股歩くことも走ることもできます。
ですがせっかく着物を着たのであればバサバサと裾をめっくて歩くのではなく、裾があまり捲れないよう歩幅は小さく歩いた方が美しいです。もちろん着崩れ防止にもなります。
足を組まない椅子の座り方
足を組まない! これは絶対です。
普段足を組むことが多いとついつい座ると足を組んでしまいがちです。正座文化だった日本の伝統衣装が着物のため、椅子に座って足を組むと言う姿勢には不向きなんです。
着物で足を組むと、必ず裾が広がりインナーである裾除けが見えてしまいます。本来裾除けは見えてはいけないもの(スカートの裾からペチコートが見えているようなイメージ)。着物を着たら足を組まないように心がけましょう。
少しくらいならと足首を組む(膝下だけ組む)方もいますが、足首を組むと草履の鼻緒や足袋を自身の草履の底で汚してしまいますので、足首も組まない方が良いでしょう。白い足袋を履く場合は特に汚れは目立ちますのでご注意を。
足を揃えて座っても、 滑りの良い着物の場合、着物の裾が滑り落ちて足や裾除けが見えそうになることがあります。短時間であれば手やバッグで着物の裾が滑り落ちないように押さえておけばよいですが、長時間座っている場合は小さ目の着物クリップ(目玉クリップや手芸クリップでも可)で着物の上前裑(左裑)と下前裑(右裑)を挟んでおくと便利です。
お手洗い
裾をめくる際はそっと外側(着物左前裑→着物右前裑→裾除け左前裑→裾除け右前裑)から一枚づつ捲り上げ、下ろすときは捲る時と反対の順番で内側(自身の体に近い裾除けの右前裑)から下ろします。
裾を捲るとおはしょりやお太鼓のたれ先が捲れたままになる事もあるので、上からそっと撫でつけて整えます。
おはしょりが乱れていたら、引っ張らずにそっと撫でつけて整えます。
手を洗う時
袖の袂が長く、また捲り上げる事も出来ないので、手を洗うときは脇下あたりの帯に袂(袖の端)を挟んでおくと、洗う時に邪魔にならず、着物の袖を濡らすことも少なくなります。
着物クリップなど(目玉クリップや手芸クリップでも可)を持ち歩いておくと、ちょっとしたときに挟んでおけるので便利です。
電車に乗る
電車に立って乗る時は、つり革につかまろうと腕を大きく上にあげると、みやつ口から脇が丸見えになります。また、腕を大きく上げすぎると衿元や胸元に着崩れにも繋がります。可能であればつり革ではなく、肩の高さより低い位置の手すりに掴まりましょう。
着崩れを減らすポイントを紹介
伝統文化を継承していくため細かな着物の着付け方のルールはあります。しかし、衣服として楽しむのであれば、冠婚葬祭などドレスコードが明確に決まっている場合を除いた最低限のルールは、右前(着物の右側の裑が体に近い内側にきている事)の一点といっても良い思います。
着物関連の販売スタッフ・茶道、花道、歌道、その他芸事に携わっている方、仕事の制服として、趣味で着物を着ている方と、世の中には着物を着ている方々が沢山いらっしゃいます。
袖の長さや衣文の抜きぐわい、おはしょりの有無や出し加減、半襟の加減や、帯位置やお太鼓の大きさなどは、着用する人の好みで正解はありません。
TPOに合わせて著しく不快感をあたえなければ、どんな着方をしても良いのではないか、着ている人によく似あっていれば、そしてそれが個人で楽しむものであれば細かい事は気にしなくてよいと考えています。
レンタル衣装の着付けは自身の体格に合っていないサイズの着物という事もあるので、見えないところは着る人に合わせて処理の仕方は変えており、決まった着付け方はしていません。
あくまで私が思う着付け時の注意点であったり、処理の仕方の一例ですので、必ずしもこの方法が正解と言う訳ではありません、参考程度にしていただければと思います。
着物を着ている人を見かけたときに気になってしまうのは
・シワが少なく綺麗な面
・裾の長さが着ている着物の雰囲気にあっているか
衣文が詰まる、襟元が浮く原因
衣文が抜きれていない、衣文の抜き方が体形や襦袢の寸法に合っていない。衿合わせの際に体に沿わせずに着つけた、鎖骨周囲や胸の補正、襟芯が硬いなどの場合があります。
衣文の抜き方
襦袢を羽織ったら片方の手で左右の衿や裾の長さが均等になるように確認して左右の衿を胸の前で掴む。
もう片方の手を背中に回し腰辺りの背中心を掴み、ゆっくり真下に引っ張る。
力を加えるのは背部に回している手のみで、反対の胸の前で衿を掴んでいる手は襦袢の動きに抵抗せずあわせる。
後ろに引っ張られていくと首の付け根から肩にかけて襦袢がフィットしたところで止める。
フィットしている首の付け根の衿位置を動かさないように右→左の順番で襦袢の前裑をあわせる(必ず右側が先)。
衿の角度は好みでOK(目安は左右の衿の重なりが左右の鎖骨と鎖骨の間の窪みのあたり)。アンダーバストの位置を胸紐やコーリンベルトを苦しくない程度にしっかり締めて固定する。
胸紐で固定したら、前後のシワを取る。
両手を腰にまわし、拳2個程度離れた位置の襦袢を掴みそっと下に引っ張ると、紐を締める時に浮いた衿が整い衣文も丸く抜けます。
衿合わせがずれる原因
・衿合わせで体にフィットさせずに着つけた
・コーリンベルトを使用している場合ベルトの長さが適切ではない
・胸紐の位置、補正の必要性
という3点があがります。
コーリンベルトが引っ張りすぎていると着物の衿合わせがズレ半衿が見えなくなってします。
コーリンベルトは付けた時に着物や襦袢に引っ張りシワが出来ない程度に長さを調節して下さい。
おはしょりが綺麗に出来ない原因
・腰ひもの位置が着物や体格に合っていない
・右前裑(内側に来る裑部分)の処理があまい
の2点があがります。
右側の裑(内側に入ってしまう部分)を三角になるように折り畳んで胸紐やコーリンベルトで固定すると、おはしょりの見える部分が左側の裑分のみとなるので、もたつかずスッキリ綺麗に仕上がります。
裾の長さ(着付け師が見ているポイント)
裾の長さは(足袋だけ履いて床に立っている状態で)床~くるぶし下くらいの間で好みの長さで大丈夫です。後ろから見た時に踵が1cmくらい見える程度を目安にしても良いですが、歩きにくかったり、裾が下がってくるのが心配な場合は踝くらいの位置が良いかもしれません。(訪問着や留め袖の場合は床に少し着くくらいが良いそうです。)
簡単に結べる帯の結び方(お太鼓結び・前通柄)
お太鼓結び:着物を着た時に玄人感もあり憧れる帯結びの一つ
使用する帯は名古屋帯などお太鼓をつくるために必要な帯巾がある帯です。
結び方は着付け講師や教室によっても多少変わったり、帯の長さによっても変わる事もあるので自分にあった結び方を見つけるのが綺麗に仕上げる近道ではないかと思います。
動画サイトでも紹介されているので時間のある時に色々トライしてみるのがよいでしょう。一朝一夕では着物を綺麗に着られません、出掛ける時だけではなく何度も着付ける事が綺麗な着付けの近道ですよ。
スッキリした綺麗なお太鼓結びのポイント
横から見た時に、スッキリと見えるポイントが下記です。
・帯の前部分は上が前に出て下が体に付いている斜めのライン
・お太鼓部分はアラビア数字の7の字のような形になっている
・前後どちらも上から下に体に向かって斜めになっている
一つの動作を丁寧に、シワを取りつつ、緩ませずにしっかり締める事が綺麗に仕上げる一番のポイントです。
苦しいほど締め上げる必要はありませんが、緩みが無いように締める必要があります。
着付けになれていないのであれば、特に焦りは禁物。準備も事前にしっかり整えておき時間に余裕をもって着付けを開始しましょう。
お太鼓結びで苦労する場面の一つは柄出しかと思います。
自分の体格に合っていない帯は特に柄が綺麗に出ない事(柄が消えてしまうなど)があります。柄を出すことに集中しすぎると余分なところが余り、余った部分を処理する必要もあり手間がかかってしまいます
着付けを始めたばかりの方が初めに購入するのにお勧めの名古屋帯は、全通柄の帯(帯全体に柄がある帯)がおすすめです。帯全体に同じ柄が描かれているので、柄出しを考えずにすみ、綺麗に形を作ることに集中できるので、初心者の方にはおすすめの帯です。
軽装帯(巻きつけてお太鼓部分のパーツを差し込むだけの帯)も装着が簡単なので使用するのも一考の価値ありです。肩関節の負傷や加齢で後ろ手に腕を上げにくい方にもおすすめです。
体の前に来る柄とお太鼓部分の柄がポイントで描かれている帯。
体幹の大きさで柄の出方が変わってしまうので、華奢な方やふくよかな方は綺麗に柄が出ないことがあります。
帯全体に同じ柄、または違う柄が繰り返し描かれている帯
どの部分が出ても良い為、柄の出方を気にせず結べます。
帯を結ぶのが苦手な方
どうしても帯を結ぶのが苦手な方は、既存の結び方に囚われず、自由な視点で着物を楽しまれるのはどうでしょう? カジュアルに着物を楽しめ、巻きつけるだけの結び方です。使用するのも半幅帯と帯締め(もしくはベルト)だけなので着物初心者の方にもチャレンジしやすいです。
巻くだけ簡単「結ばない帯結び」
半幅帯の両サイドを少しずらして二つ折りにします、「わ」の方を体に当て帯を巻きます。帯を巻ききったらベルトや帯締めを締めて固定したら終了!
後ろに結び目がないのでリュックも背負えます。
巻き付けてベルトなどで留めているだけなので、もしも崩れても簡単にまき直しが可能です。
お出かけの際に持ち歩くと良いおすすめ小物
・小さ目の着物クリップ(目玉クリップや手芸クリップでも可)
・予備の腰ひも
・手ぬぐいや薄手のタオル
着崩れの大きな原因は着物の着方です。着方が悪いと着崩れてしまいます。
全体に着崩れてしまった場合は一から着なおすしかありません。それを避ける為にも時間がかかっても慣れるまでは一つ一つ丁寧に着付けをしましょう! 所作による着崩れはある程度なら直せますし、座ってから立ったら必ず帯を撫でつけるなど、度々直す癖を付けることをおすすめします。
半衿が引っ込む、衣紋が詰まってきた
半衿が引っ込む、見えなくなるときは、着付け時にコーリンベルトを使用した場合はベルトが適切に機能していない場合があります。ベルトは襦袢や着物に引っ張り線が出ない程度に長さを調節してみてください。
外出中に半衿がきえてしまった場合は半衿を横にスライドさせるように直します。この時手前に引っ張ると修正不可能になるので手前には引っ張らないよう気を付け下さいね。
そっとスライドさせるように応急処置。
手前や無理な位置には絶対引っ張らないように注意して下さい。
衣文がつまる、衿元が浮く
原因の一つは補正が必要もしくは足りない場合もあります。
予防するには鎖骨周囲や胸の補正についても見直してみると良いかもしれません。
衣文が詰まったり、襟元が浮いてしまった場合は、着物と襦袢の間に裾から背中(帯下)に手を入れ、襦袢を左右均等に下に引っ張ります。肩を後ろに軽く回しながら引っ張ると綺麗に衣文が抜け、衿元(胸元)も体にフィットしますよ。
最初の着付けの時点で衣文が抜けていない場合や直そうして引っ張りすぎると襟芯がヨレるので注意して下さい。
裾が下がってきた
もともと腰紐が緩かった、着ているうちに腰紐が緩んだ、裾を踏んでしまったなど理由はさまざま。腰紐は重要な固定です、苦しいほど締め付ける必要はありませんがしっかりと締めましょう。
応急処置として、おはしょりをめくり腰ひもに掛かっている着物の下がっている前裑を引き上げます。引き上げる際は手前に引っ張ると腰ひもがズレるので、 腰ひもがズレないように片手で腰紐を支えたり、着物を引き上げる時は垂直に引き上げます。腰ひもが緩んでいる場合は締め直すか新たに腰ひもを追加するのも良いかと思います。(腰ひもを1本呼びに持ち歩くともしも時に便利です)
後ろ手に部分的に直すのは困難です。
お太鼓が崩れないように、帯は自身の体格に合った長さの(短すぎない)帯を着用し、着つける時にしっかり締めるところは締めましょう。きちんと着用で来ていれば、お太鼓結びはそうそう崩れないんです。
短くて長さが足りない帯を締めることも出来ますが玄人向けです、まずは無理せず長さが十分ある帯を使用しましょう。
それでもたれ先が下がってきた場合、手先の下にあるたれ側の折り返し部分をお太鼓の下線部分が手先の下線に沿うよう垂直に引け揚げます。帯は完全に崩れると結び直すしかありません。崩れないようにしっかり丁寧に結ぶか、完全に崩れる前に緩んでいるなと思ったら帯締めをしっかり結び直すなど対処しましょう。
お太鼓部分がたゆんでいる場合、手先の下に折り畳まれている上部分のみを引き上げます。
たれ部分が下がっている場合、手先の下に折りたたまれている下部分のみを引き上げます。
緩んだ帯を直すには結び直すしかありません。
応急処置としてはタオルやハンカチなどを畳んで着物と帯の間に挟み入れ隙間を埋めて対処します。着付けの際に腰回りの補正をしておくと帯が体にフィットしやすく下がりにくくなります。
演劇や美術館など芸術鑑賞で着物を着る場合
劇場や美術館はドレスコードはそれほど厳しくないようです。
着物もカジュアルな浴衣など遊び着やフォーマルな訪問着でも、その場の雰囲気に合っていればよいかと思います。ただし、美術館や劇場などは床材によっては足音が響くことがあります。木材で出来た下駄はカツンカツンと音が響くので避けた方が良いかと思います。足元は皮やゴム材が底に張られた草履の方が良いでしょう。
ソロ活であれば何を着ても自由ですが、どなたかと一緒の場合はご一緒する方にも配慮したドレスコードでお着物は選んだ方が良いでしょう。
芸術鑑賞で着物コーディネートを楽しむ際は、季節や作品モチーフを取り入れたり、推しのメンバーカラーを取り入れたコーディネートも今どき着物の楽しみ一つです。
夏であれば浴衣にサンダル、冬は小紋の着物にブーツやパンプス、モダンな柄の着物ならスニーカーなどを履いても歩きやすくお洒落です。
着物にフード付きのパーカーやダウンベストなど取り入れた和洋折衷コーデを楽しむ場合、着物の柄や素材など取り入れる洋服に合わせたものを選ぶとマッチしやすいです。和洋折衷コーデはカジュアルな要素が多いため、洋服でもありそうな柄(ストライプやチェック柄など)や木綿や毛織素材などの着物が取り入れやすいです。
キモノレンタル和香
今回は川越にお店を構えるキモノレンタル和香の上野さまに協力いただきました。実は先日川越に行った際に、着付けをしていただきました。その様子は下記の記事をご覧ください。【川越・キモノレンタル和香】男だって町を着物体験して散策してみたい
着付けだけでなく、ヘアアレンジも上野さまが対応してくれます。わたしも着付け、ヘアアレンジをしていただきましたが、あまりの可愛さに脱ぎたくない! セットを崩したくない! の気持ちで髪型に関してはそのまま帰り自慢をしていました。可愛く変身させてくれるので川越観光の際には着物で散策してみてください。いつものおでかけも特別なものに変わりますよ。
参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。
記事企画・監修:旅色編集部 いたがき
ライター:キモノレンタル和香:上野
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