体験レポート

99glamで秋田・にかほの自然に出会う、“ちょうどいい”グランピング
May(綴りびと)May(綴りびと)

秋田県:にかほ市

友達 / 20代 / 訪れた時期:6月

2026/06/26

99glamで秋田・にかほの自然に出会う、“ちょうどいい”グランピング

自然は好きだけれど、不便なのは少し苦手。キャンプの知識もない。そんな私が今回訪れたのは、秋田県にかほ市にある「99glam」です。ホテルのような快適さと、鳥海山麓(ちょうかいさんろく)の自然や土地の食、人の話に出会えるグランピング施設。グランピングのイメージが変わった、幼馴染との1泊2日の体験を紹介します。

にかほの自然に出会う旅のはじまり

幅約30メートルにわたる岩肌のあちこちから、幾筋もの水が白い線となって流れ落ちる滝

湧き水は地元民の生活水としても利用できる

雪解け水は稲作には冷たすぎるので棚田を利用し、温度を上げて活用している

99glamまでのみちのりは、秋田らしい田園が広がる

99glamでは、「鳥海山の水を巡る マイナスイオンコース」というツアーが用意されています。今回は時間の都合もありツアーへの参加はできませんでしたが、チェックイン前に元滝(もとたき)伏流水へ立ち寄りました。
鳥海山に降った雨や雪が長い年月をかけて地中を巡り、岩肌から湧き出している場所です。鮮やかな緑の苔。絶え間なく流れる水。耳を澄ませると、水の音だけが響いていました。平成の名水百選にも選ばれているそうですが、難しいことを考えなくても気持ちがいい。思わず深呼吸したくなるような空間でした。
99glamでは、こうしたにかほの自然や魅力に気軽に触れてもらえるよう、宿泊者向けの無料ツアーをほかにも実施しています。旅行先でガイド付きツアーに参加する機会は意外と多くありませんが、地域を知るきっかけとして利用できるのは嬉しいポイントです。実際に元滝伏流水を訪れてみて、99glamは単なるグランピング施設ではなく、にかほという土地を知る入口でもあると感じました。


◆元滝伏流水
住所:秋田県にかほ市象潟町本郷字後口川74
電話:0184-43-6608(にかほ市観光協会)
にかほ市観光協会

想像を超えたドームテント

水道も1グループごとに設置

99glamは、「にかほに秘められた魅力を発掘する」をコンセプトにしたグランピング施設です。秋田県初のドームテントを採用し、天然記念物であり名勝の「象潟(きさかた)」の九十九島をモチーフにした配置になっています。ゆったりとした水面の周りにドームテントが並んでいて、同行した幼馴染の第一声は、「めっちゃグランピングや〜!」。思わず笑ってしまいましたが、その言葉が一番しっくりきます。
今回宿泊したのは「99プレミアムタイプ」。正直、テントと聞いていたので多少の不便さは覚悟していました。でも中に入った瞬間、そのイメージは覆されます。

カーテンを開ければ非日常

枕元に電源があるのも嬉しい

灯りもたくさんあり快適

室内には、冷蔵庫(お水が無料で2本)にコーヒーマシン、電気ポット、Wi-Fiを完備。コンセントはドレッサーにも電源タップもあり、スマホの充電や女子旅ならではの身支度にも困りません。化粧水やクレンジングに加えアウトドア施設では珍しいパジャマ(セパレートタイプ)まで揃っていて、荷物は軽くして出かけられるのも助かりました。
ベッドの寝心地はホテルそのもの。カーテンを閉めれば快適なホテル、カーテンを開ければ自然が広がる、いい意味で“テントらしくない”空間でした。
特に気に入ったのが、こたつとヨギボー。5月末の秋田は想像以上に涼しく、住んでいる関西との気温差に驚きました。でも、その少し肌寒い気候が心地いい。テント内外に空調設備が整い、ブランケットの貸し出しもあるので安心です。こたつに入りながら景色を眺め、ヨギボーにもたれる。気づけばそのまま寝てしまいそうになります。今回の滞在で一番長く過ごした場所かもしれません。

グランピングなのに温泉も楽しめる

※到着後に見学させていただきました

旅館のロビーやトイレを利用できる。ロビーは天井が高くて開放的

99glamの宿泊者は、隣接する「旅館いちゑ」の温泉を利用できます。館内には石造りのお風呂とヒノキ風呂があり、各大浴場の外には露天風呂も。泉質は弱アルカリ性の冷鉱泉で、無色透明のまろやかな湯です。
浴場はとても清潔で落ち着いた雰囲気。ヒノキの香りも心地よく、グランピングと温泉の両方を楽しめるのは嬉しいポイントです。
翌朝は6時から温泉へ。グランピングエリアから専用通路で移動できるため、館内着のまま気軽に温泉へ向かえます。朝風呂を楽しんだあと、再びこたつへ。自然光を浴びながら身支度をする時間は、なんとも贅沢でした。

準備不要で楽しむ、本格BBQ

4~8人をカバーできるサイズのグリルで一度にたくさん焼ける

野菜は後ろに写る専用のバスケットへ

夕食はオールインクルーシブのBBQです。ドリンクコーナーにはビールサーバーをはじめ、アルコールやソフトドリンクが並び、好きなタイミングで自由に楽しめます。BBQと聞くと、火起こしや準備が大変そうなイメージがありますが、99glamではその心配はありません。使用するのは、BBQの本場・アメリカのWeber(ウェーバー)のガスグリル「Spirit(スピリット)」シリーズ。つまみを回すだけで火がつき、温度調整も簡単です。キャンプやBBQの経験がない私でも、戸惑うことなく料理を楽しめました。
ドリンクコーナーの横には野菜バイキングも用意されています。パプリカやナス、しいたけなどが並び、好きなものを選んでアルミホイルに包み、そのままグリルへ。食べたいものを自由に選べるのも嬉しいポイントでした。

マシュマロを焼いてスモアにも

特に印象に残ったのが比内地鶏です。日本三大美味鶏のひとつとして知られていますが、実際に食べてみると納得。余分な脂が少なく、噛むたびに旨味が広がります。炭火焼きとはまた違う、グリルならではの香ばしさも加わり、ついビールが進んでしまいました。
そのほかにも、象潟産サザエやホタテ、アクアパッツァなど、秋田の食材を楽しめる料理が並びます。なかでも印象に残ったのが、いちじくの甘露煮をのせたピザでした。最初は「いちじくの甘露煮をピザに?」と驚いたのですが、一口食べて納得。チーズの塩気と甘露煮のやさしい甘さが絶妙に合い、甘じょっぱさのバランスがクセになります。にかほ市はいちじくの産地としても知られており、秋田では冬に向けて甘露煮にする文化が根付いているそうです。比内地鶏のような王道の秋田グルメだけでなく、こうした土地ならではの食文化に出会えるのも旅の楽しみ。
準備や片付けの心配をすることなく、ただ食べて、飲んで、会話を楽しむ。そんな“いいとこ取り”のBBQ時間でした。

鳥海山の夜を楽しむ、天体観測ツアー

霧の中アプリで星の説明をしてくれるガイドさん

夜は、99glamが宿泊者向けに無料で実施している「仁賀保高原天体観測ツアー」へ。鳥海山の麓に広がる仁賀保高原は、街の明かりが少なく、満天の星空を楽しめるスポットとして知られています。ガイドの案内のもと、車で鳥海山の中腹、標高500m付近まで向かいます。本来であれば、季節ごとの星座や天の川など、鳥海山の雄大な自然の中で星空観賞を楽しめるそうです。
しかし、この日はあいにくの天気で、到着した頃にはまるで雲の中にいるような状態。当然、星は見えません。それでも不思議と残念な気持ちにはならなかったのは、ガイドさんが星空アプリを使いながら、「本来ならこの方角に夏の大三角が見えるんですよ!」と楽しそうに説明してくれたからです。
移動中の車内では、鳥海山の自然やにかほの暮らしについての話も聞くことができました。
その土地を知る人の話を聞きながら過ごす時間そのものが貴重で、夜の高原の見え方が少し変わりました。次は晴れた日に、もう一度訪れてみたいと思わせてくれる体験でした。

天体観測ツアーの前にはキャンプファイヤーも楽しみました。薪を入れると火が少しずつ育ち、パチパチと音が鳴ります。BGMが静かに流れるなか、ただ火を眺める時間。普段の生活では、なかなか持てない余白です。幼馴染も「焚き火の暖かさと音に癒された」と話していました。

朝がいちばん贅沢だった

ホットサンドメーカーとカセットコンロつき

テラスで飲むコーヒーや風を感じながらの読書は格別

翌朝は鳥のさえずりで目が覚めました。カーテンを開けると、水面と緑、そして青空。道路沿いにある施設ですが、朝は車の音もほとんど気になりません。聞こえるのは鳥の声と風の音、木々の葉が重なる音。
朝食は自分で作るホットサンド。ハムや卵に加え、クリームチーズといぶりがっこという秋田らしい組み合わせもありました。ヨーグルトにはいちじくジャム。心地よい風。ゆっくり流れる時間。食後は読書をしながらのんびり過ごしました。急ぐ理由がどこにもない朝でした。

にかほを知る入口になる場所

送迎途中で見えた鳥海山

仁賀保駅ではICカードは使えず、乗車証明書を発券し秋田駅で支払う

気づけば、あっという間にチェックアウトの時間。10時に99glamを後にし、送迎で仁賀保駅へ向かいました。仁賀保駅から秋田駅までは約1時間。車窓には鳥海山と日本海が広がり、最後まで秋田らしい景色を楽しめます。幼馴染は帰り際「最高の休日だった」と一言。その言葉が、この旅を一番よく表している気がします。
「楽しむ」と「休む」のバランスがちょうどよかった99glam。キャンプ経験のない私たちでも気負うことなく自然を楽しめたのは、準備や片付けを気にせず過ごせるグランピングだからこそ。99glamは、そんなグランピング施設でありながら、にかほという土地の魅力に出会う入口でもあります。鳥海山の自然や食、そこに暮らす人たちの話に触れながら過ごした2日間。次はまた違う季節のにかほに会いに来たいと思います。

  • May(綴りびと)

    May(綴りびと)

    旅と日常のあいだで、自分らしい生き方を探しています。京都を拠点に、旅先で出会った景色や、街歩き、カフェ、心が動いた瞬間を記録しています。

    ※旅色綴り(旧旅色LIKES)のコミュニティメンバーです。

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 旅色編集部

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