【名古屋・日帰り】2024年おすすめ美術館13 選!子どもに人気のアート体験イベントなど

【名古屋・日帰り】2024年おすすめ美術館13 選!子どもに人気のアート体験イベントなど

美術館・博物館

2024/10/18更新

華やかな繁華街で遊ぶのもいいですが、たまには美術館で芸術作品や現代アートに触れてみませんか? 今回は東海地方最大級の大都市・名古屋市内にある美術館をエリア別にご紹介。
長い歴史を超えて大切にされてきた名品が充実している美術館や、天下統一を果たした徳川家康ゆかりの品々が展示されている美術館、自らの手で作品を作れる美術館など、美術品に興味が薄い人でも夢中になれるスポットばかりですよ。

【昭和区】渡辺健一トリックアート美術館

どんなトリックが使われているでしょう?

愛知県出身のトリックアート作家である渡辺健一氏の作品を展示している「渡辺健一トリックアート美術館」。見る角度によって変化して見える絵や、絵の中に別のモチーフが隠されている絵など、オリジナル作品が約30点展示されています。展示作品以外にも入口や入場券に仕掛けが施されていたり、家でもトリックアートが楽しめるお土産が買えたりするなど、見どころ満載。どこに、どんなトリックが使われているのか。謎解き感覚で楽しんでみてください。

【中区】⾦⼭南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)

アクセス良好で立ち寄りやすい

1999(平成11)年にアメリカ・ボストン美術館の唯一の姉妹館としてオープンした「名古屋ボストン美術館」。ボストン美術館の所有する約50万点もの作品を企画に沿って展示していましたが、2018(平成30)年に同館は閉館。近年は「⾦⼭南ビル美術館棟」として、国内外を問わず幅広いジャンルの展覧会を実施しています。最寄り駅から近く、アクセス抜群なので、気軽に足を運べるのも魅力の一つです。
2024年12月21日〜2025年2月2日には、アール・ヌーヴォーの代表画家・デザイナーのアルフォンス・ミュシャの作品を高精細のプロジェクターで映し出した、映像と実物展示による新たなハイブリッド展覧会を開催。アール・ヌーヴォーの時代を彩った女神たちが、現代で新たな命を吹き込まれたかのように躍動する姿は必見です。

【中区】名古屋市美術館

企画展示室

アメデオ・モディリアーニ《おさげ髪の少女》1918年頃

建築デザインにも注目を

緑豊かな白川公園の中にある「名古屋市美術館」は、愛知県を代表する日本画家・前田青邨(まえだせいそん)写真家・山本悍右(やまもとかんすけ)「画壇の仙人」と呼ばれた熊谷守一(くまがいもりかず)といったアーティストらの作品を多数収蔵。ほかにも、エコール・ド・パリ、メキシコ・ルネサンス、現代美術などの作品が豊富なのも魅力です。また、美術館は同県出身の建築家・黒川紀章(きしょう)氏が設計しており、名古屋城や大須観音、熱田神宮などの名古屋らしい建築物から着想を得たデザインが散りばめられています。
現在開催中の特別展「民藝 MINGEI-美は暮らしのなかにある」では、「衣・食・住」をテーマにひも解き、暮らしで用いられてきた美しい民藝の品々約150件を展示しています。(会期は12月22日まで)こちらに伴い、10月26日・27日には友人やお子さまと展示品を前に、自由に会話を楽しみながら鑑賞できる「おしゃべりOKデー」や、12月7日にはワークショップ「丹波布にふれて、コースターをつくろう! 」を実施します。普段はなかなか触れられない、民藝の世界をお子さんと一緒に味わってみましょう。

【中区】松坂屋美術館

工芸品からサブカルまで幅広いジャンルを扱う

名古屋市の老舗デパートの・松坂屋の中にある「松坂屋美術館」。1991(平成3)年、松坂屋名古屋店の南館の完成とともにオープンし、2021(令和3)年には開館30周年を迎えました。これまで、国内外の絵画だけでなく工芸品やアニメーション・特撮作品にまつわる品々など、幅広いジャンルの展覧会を開催してきました。デパートでのショッピングと合わせてアートを楽しむことができるので、気軽に立ち寄ってみてくださいね。
2024年12月7日〜25日には東京・上野にある寛永寺根本中堂の天井絵を制作中の日本画家・手塚雄二の展覧会「東叡山寛永寺根本中堂天井絵奉納記念 手塚雄二展 雲は龍に従う」を開催。本展では、2020年から制作中の6×12mという長大な天井絵を、2025年の奉納に先駆けて特別に披露します。神聖かつエネルギッシュな2頭の龍の姿に、圧倒されてみてはいかがでしょうか。

【東区】愛知県美術館

20世紀初頭から現在に至る国内外の美術品を収集

愛知芸術文化センター8階と10階にある「愛知県美術館」は、1992(平成4)年にオープン。クリムトやピカソ、クレー、高橋由一(ゆいち)、横山大観など20世紀初頭から現在に至る国内外の美術品を集め、その数はおよそ8,800点にも及びます。同館の所蔵の作品・資料は年4回ほど展示替えされるコレクション展で鑑賞可能です。ミュージアムショップでは、開催中の展覧会図録や絵はがき、オリジナルグッズなどを販売しています。家族や友人へのお土産にいかが。

【東区】名古屋 やまと絵美術館 森村記念館

旧邸宅の趣ある館内で静寂なひとときを

1988(昭和63)年に開館した「名古屋 やまと絵美術館 森村記念館」は、日本らしい自然や人々の生活などを描いた大和絵を中心に展示を行う美術館です。美術館の建物は、もともと漢学者・森村宜民(もりむらよしね)と大和絵画家の森村宜稲(ぎとう)・宜永(よしなが)が住んだ、趣のある旧邸宅となっています。森村宜稲・宜永の作品はもちろん、屏風や掛軸、焼き物なども展示。日本庭園や大和絵を鑑賞しながら、ゆっくり過ごせるミュージアムカフェも併設されています。

【中村区】名古屋東洋官窯陶磁美術館 ※移転のため閉館中

東洋が誇る陶磁のコレクションを展示

富つよし館長が10代から30年間にわたって集めた、東洋の陶磁コレクションが展示されている「名古屋東洋官窯陶磁美術館」。主に中国の漢時代の青銅器・官窯陶磁器、モンゴル元時代の青花(せいか)陶磁器、日本の安土桃山~明治時代の織部焼・志野焼など、150点以上を展示しています。特に、現在世界で90点ほどしか残っていない、人類史上最高の焼き物ともいわれる汝窯青磁(じょようせいじ)は要チェックです。考古学的にも貴重な品々を、ぜひその目で鑑賞してみてください。

【東区】ヤマザキマザック美術館

4F展示室

5F展示室

1Fミュージアムショップ

優美な空間でフランス絵画の歴史を辿る

優美な空間でフランス絵画の歴史を辿る
18世紀から20世紀に活躍したフランス画家の絵画をコレクションしている「ヤマザキマザック美術館」。ロココ美術を代表するヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、シャルダンにはじまり、ロマン主義のドラクロワ、新古典主義のアングル、写実主義、印象派、エコール・ド・パリなど、フランス美術300年の歴史を感じることができます。また、絵画のほかにもガラス工芸作品や家具なども展示。当時の邸宅を思わせる展示室で、華やかな宮廷文化を楽しむことができます。
一方、2024年11月29日~2025年3月23日には、「布施知子 ORIGAMI-紙の鼓動-」と題し、折り紙のスペシャリスト・布施知子の展覧会を実施。一枚の紙を折ったユニット(パーツ)を組み合わせて立体作品を作る「ユニット折り紙」を代表する彼女の作品群は、まるで折り紙とは思えないほどに繊細で、多種多様な折り方によって無限の形と美しさを見せてくれます。力強く変幻自在な紙と折りの造形美を堪能しましょう。

【東区】横山美術館

名古屋産の陶磁器や洋風陶磁器を展示

「横山美術館」は、明治・大正時代に制作され、海外へ輸出された陶磁器の「里帰り品」を中心に展示している美術館です。かつて海外輸出の生産が盛んだった名古屋で絵付けされた陶磁器や日本初の洋風陶磁器であるオールドノリタケや、まとまった作品群を目にする機会が少ない隅田焼など、約4,000点を収蔵・展示しています。美術館の近くには当時、陶磁器の絵付け工場や貿易商が軒を連ねていたエリア「文化のみち」があるため、作品鑑賞後に歴史散歩を楽しんでみるのもおすすめです。

【東区】文化のみち 堀美術館

昭和に活躍した巨匠たちの作品群を展示

IT関連企業である株式会社ダイテックグループ創業者・堀誠氏が蒐集した美術品を公開するために、2006(平成18)年にオープンした「文化のみち 堀美術館」。佐伯祐三、藤田嗣治、梅原龍三郎など、昭和初期にパリに留学し、日本的な洋画を生み出そうと努力した「熱き芸術の時代」の芸術家たちの作品を中心に展示しています。中でも、洋画家・三岸節子の28点もの作品が一つの部屋を埋め尽くすように展示されている様子は圧巻のひと言です。

【東区】徳川美術館

日本の伝統文化の宝庫

徳川家康の遺品を中心に、尾張徳川家ゆかりの品々を展示している「徳川美術館」。約1万件の所蔵品の中には、「源氏物語絵巻」や短刀「庖丁正宗(ほうちょうまさむね)」をはじめとする国宝9件、重要文化財59件など貴重かつ、保存状態が良好な作品・資料が展示されています。一年を通して、日本の伝統文化を伝える展覧会を開催。毎年「特別公開 源氏物語絵巻」や「尾張徳川家の雛まつり」など、さまざまな企画展が開かれています。
長い時代を超え、現代に至るまで大切にされてきた名品・名物の数々をどうぞご覧ください。

イベントや展示で昔の文化をより身近に体験

名古屋を代表するこちらの美術館では、一年を通して日本の伝統文化を伝える展覧会を開催。毎年行われている「特別公開 源氏物語絵巻」や「尾張徳川家の雛まつり」もとても人気で、名古屋市内のみならず世界中から多くの人が訪れます。ほかにも仮名文字の書き初め体験や子ども向けのワークショップなど、楽しんで歴史や文化に触れられるイベントや企画が盛りだくさんですよ。

【昭和区】昭和美術館 ※臨時休業中

コレクションを観賞後は静かな庭園の散策を

1978(昭和53)年にオープンした「昭和美術館」は、設立者・後藤幸三がコレクションした書・茶道具を展示している美術館です。「紀州本万葉集」など4点の重要文化財を含む約800点を収蔵。そのうち8割が茶道に関係する品々となっています。カワセミやカモなどがやってくる庭園は、のんびりと散歩をするのにぴったり。庭園内には各地から移築された茶室・書院もあり、静かな雰囲気のなかゆったりとした時間を過ごせます。
展示回数は年に3回(春・秋・新春)のみなので、興味のある方はタイミングを併せて名古屋観光を計画してみてはいかがでしょうか。

茶人が残した別荘で非日常感を堪能

名古屋市内でも人気の高い昭和美術館。美術品のクオリティや保存状態の良さもさることながら、こちらで企画されているイベントも非日常感が味わえると話題です。
中でもおすすめしたいのが江戸時代の末期に建てられた武家の別荘を一部移築した「南山寿荘」御見学会。静かな雰囲気の中趣深い建物を歩いていると、まるでタイムスリップしたかのような特別な時間が味わえますよ。

【西区】ノリタケの森

世界的有名メーカーの手掛けた美術館

最後にご紹介する名古屋市の美術館は、名古屋のおでかけデートスポットや観光スポットとしても人気のノリタケの森。100年以上もの間愛され続ける高級陶器メーカー・ノリタケの手掛けた産業観光施設で、創業当初から作ってきた食器や大花瓶が展示されています。
定期的に企画展も行われているのでぜひチェックしてみてくださいね。

オリジナルの絵付け体験でお土産作り

こちらの美術館は間近で食器の製造過程を見学できたり、自分で絵付けを体験することも可能。マグカップやプレートなどのよく使う食器から、恐竜の置物やクマ型のプレートなど遊び心のある可愛らしい陶器など幅広いアイテムに自分だけのイラストを描くことができます。
また、現在開催中の「クラフトセンター絵付け体験コーナー クリスマス限定アイテム」では、オーナメントと「サンタ」や「ツリー」の下絵が入ったプレートを期間限定でご用意(開催期間は12月25日まで)。名古屋が誇る素晴らしい芸術作品を鑑賞した後で、世界にひとつしかないオリジナルのアイテムを作るのも楽しいですよ。

  • ノリタケの森

    愛知県|名古屋市

    老舗洋食器メーカー「ノリタケ」が運営する施設。創立100周年を記念して工場の跡地に建てられ、絵付け体験や工場見学、初期の作品展示などが行われている。高級品からアウトレットまで揃うショップも併設。

    住所:愛知県名古屋市西区則武新町3-1-36

    アクセス:・地下鉄「名古屋」駅から地下鉄「亀島」駅下車。徒歩5分 ・JR「名古屋」駅より徒歩15分 ・名鉄「名古屋」駅から、名鉄「栄生」駅下車。徒歩15分

    営業時間:10:00~17:00 ※施設により異なる

おわりに

夏の暑さが次第にやわらぎ、少しずつ過ごしやすい秋になりました。そんな時期だからこそ、少し足を伸ばして、ゆっくり絵画や陶磁器、刀剣などの美術品を鑑賞できる美術館へ行ってみませんか? 名古屋市内には、しっかり美術品を観賞したいという方だけでなく、気軽に作品に触れたり、自然を感じながら散歩やアフタヌーンティーが満喫できたりできる美術館がたくさんあります。気になった美術館があったら、芸術の秋を楽しみにお出かけしてみてくださいね。

旅色編集部 なかやま

参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。

記事企画・監修:旅色編集部 なかやま

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