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2026/03/06
今回ご紹介するのは、今、冬の旅好きの間で「次に行くべき聖地」として熱い視線を浴びている場所。秋田県北部に位置する「森吉山(もりよしざん)の樹氷」です。「樹氷といえば蔵王(山形)か八甲田(青森)でしょ?」と思っているあなたにこそ、この記事を読んでほしい。なぜなら、森吉山には他の有名スポットにはない魅力があるからです。高さ10mを超える巨大な「スノーモンスター」たちの息遣いが聞こえてきそうな、神秘的な体験レポートを徹底解説します!
森吉山(もりよしざん)の樹氷
この記事の目次
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銀世界の中に、突如として現れる巨大な白い塊。その姿がまるで行進する怪物のように見えることから、樹氷は別名「スノーモンスター(Snow Monsters)」や「アイスモンスター(Ice Monsters)」と呼ばれます。しかし、この芸術作品はどこでも見られるわけではありません。樹氷が作られるには、非常にシビアな条件が揃う必要があるのです。
樹氷が作られる3つの絶対条件
アオモリトドマツ
樹氷の「骨組み」となる針葉樹が必要です。
0度以下でも凍らない特殊な水滴を含んだ「雲粒」が、強い西風に乗って木にぶつかること。
木が完全に埋もれず、かつ雪が付着し続ける絶妙な積雪量。
この条件を完璧に満たしているのが、東北のごく一部の山岳地帯。森吉山はその数少ない聖地のひとつであり、「日本三大樹氷」(蔵王、八甲田、森吉山)の一角として数えられています。
「日本三大樹氷」の中でも、蔵王や八甲田山は全国的な知名度を誇ります。しかし、最近ではあえて「森吉山」を選ぶトラベラーが国内はもちろん海外からも急増中。地元の方やリピーターが口を揃えて言う、その魅力とは何でしょうか?
樹氷平
森吉山の樹氷観賞エリア(樹氷平)は、非常にコンパクト。後述しますが、ゴンドラを降りてからわずか数分で巨大な樹氷群のど真ん中に飛び込めます。

観賞コースと樹氷の距離が驚くほど近い! 手を伸ばせば実際に触れる距離で、高さ10m級のモンスターを見上げることができるのです。アニメだとしたら、まさに人類存亡の危機の光景が広がっています。
蔵王などの有名スポットでは、ゴンドラに乗るまで数時間待ち、山頂も人でごった返す……ということもめずらしくありません。せっかくの神秘的な景色も、行列に並んで凍えてしまっては感動も半減ですよね。その点、森吉山はまだ比較的余裕があります。(そうはいっても最近はどんどん増えてきています)長蛇の列に悩まされることなく、自分のペースでゆったりと絶景に向き合えるのが最大の強みです。
森吉山は独立峰のため、山頂付近からの視界が非常に開けています。晴れた日には、男鹿半島や鳥海山、さらには日本海まで見渡せる大パノラマと樹氷のコラボレーションが楽しめます。
それでは、実際の観賞ルートをシミュレーションしてみましょう。
スタート地点は「森吉山阿仁(あに)スキー場」のベースキャンプ。ここからゴンドラに乗り込みます。
[乗車時間] 片道約20分
[見どころ] 標高が上がるにつれ、木々は小さくなり、杉が少なくなっていきます。そして周囲の木々が少しずつ白く、厚みを増していく様子は圧巻です。中腹あたりから徐々にモンスターの「卵」たちが姿を現し、期待感が高まります。ゴンドラの中は静かで暖かく(※防寒は必要ですが)、足元に広がる白銀の世界を独り占めしているような贅沢な時間を過ごせます。誰も滑っていない真っ白な雪面に、時折、小さな足跡が見えます。ウサギなどの動物たちが微妙に異なる足跡を残してくれていて、あっという間のゴンドラ時間です。
ゴンドラ山頂駅付近
ゴンドラ山頂駅(標高1,167m)に到着したら、そこはもう別世界。特筆すべきは、駅から樹氷の密集地「樹氷平」までの距離です。
[歩行時間] 徒歩約5〜10分
[難易度] 短い距離ですが、途中少し傾斜があるポイントも
「冬山なんて歩いたことがない」という初心者の方や、体力に自信のない高齢の方、お子さん連れでも基本的には楽しめます。(実際に幅広い年齢層が楽しんでいました。)本格的な登山をすることなく、ゴンドラを降りて少し歩くだけで、視界を埋め尽くす10m級のスノーモンスターに囲まれることができる。この「タイパ(タイムパフォーマンス)の良さ」は、森吉山ならではの魅力です。
自然が相手の樹氷観賞。最高の状態を見るためには、タイミングが重要です。
モンスターの「骨格」ができ始める時期で、この時期ならではの繊細な美しさがあります。
最も巨大化し、10mを超える迫力に。スノーモンスターの本領発揮!
晴天率が上がり、青空とのコントラストが美しくなる。
※上記はあくまでも目安です。直近の状態などは公式サイトや直接お問い合わせください。
今年は天候も良い日が多く、気温も少し高めの日もあるため、例年よりも早めにスノーモンスターを見られない可能性もあるとのこと!お早めに
おすすめは、やはり2月!
雪が最も深く、木々が完全に氷に覆われた姿は、まさに自然が作った彫刻です。ただし、この時期は天候が変わりやすいため、公式SNSなどで当日の運行状況や視界をチェックしてから向かってください。
「雪山に行くなら高いウェアや道具を買わなきゃいけないの?」と不安に思う必要はありません。森吉山阿仁スキー場はサポートが非常に充実しています。
● 基本はスキー・スノーボードウェアなどの防寒着: お持ちでない場合は、防風・防水のしっかりしたアウターを。
● 防寒靴:足元は防寒靴がおすすめ。お持ちでない場合は、期間中は、ゴンドラ山頂駅舎にて、長靴・スノーシュー・ストックの無料貸し出しもございます。
● 防寒小物:ニット帽、手袋(防水推奨)、ネックウォーマーは必須です。
● サングラス/ゴーグル:雪の照り返しが強いため、目を保護するために準備しましょう。
期間中、ゴンドラ山頂駅舎では、以下のアイテムがレンタル可能です。
● 長靴 / スノーシュー: 散策路は整備されていますが、樹氷の近くまで寄るならスノーシュー(雪上歩行用の靴)が断然楽しく、歩きやすいです。フカフカのパウダースノーの際にもおすすめ。
● ストック: バランスを取りやすくなるので、あると安心で途中の傾斜もこれで安心。
「特別な装備を持っていないけれど、ちょっと絶景を見てみたい」という観光客の方でも、現地でサッと借りて手ぶらで観賞できるのが嬉しいポイントですね。※ 数量に限りがあります。樹氷観賞コース以外では利用できませんのでご注意ください。
森吉山阿仁スキー場のもうひとつの大きな魅力。それが、看板犬の秋田犬「北斗(ほくと)」くんです。秋田犬の聖地としても知られるこのエリア。北斗くんは、真っ白な雪の中でもパッと目を引く、きれいな赤毛(茶色)の毛並みが特徴です。
● 性格:とっても穏やかでフレンドリー。(だけどカメラにはなかなか目線はくれません……)
● 場所:主にゴンドラ山麓駅付近の専用犬舎にいます。
極寒の樹氷観賞から戻ってきた後、北斗くんの「もふもふ」な姿に癒やされる時間は、まさに至福。写真を撮らせてくれたり、じっと見つめてくれたりするその姿は、SNSでも大人気です。絶景だけでなく、こうした「温かい出会い」があるのも森吉山が愛される理由でしょう。
蔵王や八甲田といった有名どころも素晴らしいですが、「混雑を避け、間近で、ゆったりと樹氷を楽しみたい」という欲張りな願いを叶えてくれるのは、間違いなく森吉山です。
● ゴンドラ20分の空中散歩
● ゴンドラ山頂駅から徒歩約5分のアクセス
● 高さ10mの迫力あるスノーモンスター
● 看板犬・北斗くんとの癒やしのひととき
これほど条件の揃った冬のデスティネーションは、なかなかありません。白銀の静寂の中、自分よりも遥かに大きなモンスターたちと対峙する体験は、あなたの冬の思い出を特別なものにしてくれるはずです。
この冬、秋田の空の下で、一生モノの絶景に出会う旅に出かけてみませんか?
参考になりましたか? 旅行・おでかけの際に活用してみてください。
記事企画・監修:旅色編集部 ふかい
ライター:ふかい